見出し画像

『エルピス』の村井さん(岡部たかしさん)に惹かれるのはなんで?! ―ハラスメント、あるいはかっこよさ―

先月に終わったドラマ『エルピスー希望、あるいは災いー』、毎回夢中で観ていました。
心がえぐられるような色々な感想が出てくるドラマでしたが、この記事では村井さん(岡部たかしさん)について書きます。

ただ、目の前にあるその姿を受け止めたい

村井さんは、かたやセクハラ・パワハラ・モラハラの塊、かたやかっこいい・アツき報道マン魂と、その二面性がとても印象的な人物として描かれていました。
(塊と魂って漢字、似ている・・・笑)

こちらの記事で、脚本の渡辺あやさんは、村井さんに関連して、「抑圧されているだけで、セクハラとかパワハラとかをやりたい人の「謎の欲望」は実際にあるし、やっちゃう人がいる。そういう「不都合な欲望」みたいなものを抱えているのが、我々人間だと思うんです。」と言っています(3ページ目)。
そして、「私たちはつい、起こっている物事を「善」とか「悪」とか、解釈しやすいように分けたがるんですけれど、本当はどちらとも言えないんじゃないかな(中略)。この、「どちらであるか、ひと言では言いきれないこと」をみんなで共有することが、大事なのではないかなと思うんです。」と続けます(4ページ目)。

シンプルに嫌なやつとして、または正義の味方として描くのなら、ハラスメント面とアツき報道マン面、どちらかだけにした方がわかりやすかったのでしょう。そうすれば、わたしは村井さんを「嫌い」「好き」のどちらかで収められました。

だけど、この矛盾するような二面性が共存していることにリアリティーがありました。こんな風に実在しそうな人物として描かれていたからこそ、「好き」「嫌い」を超えて、「気になってしまう」「惹かれてしまう」という、心に引っ掛かるような気持ちにさせられました。

6話でニュース8返り咲きの直前、自販機の前で浅川アナウンサー(長澤まさみさん)に覚悟を問うシーンとか、「もう昔みたいな情熱なくなっちゃったよ~」と浅川アナウンサーに電話するシーンとか、スタジオ破壊大暴れシーンとか、すごくかっこよかったり魅力的だったりするシーンもいっぱいでした。そしてそれをサンドイッチするようなハラスメントシーン。

色んな面があるという事実は、他者を傷つけることの免罪符になるわけじゃない。でも、村井さんには、いや、誰にだって、「あんな面もこんな面もあるのだ」という事実を、そのままにただ受け止めたいと思いました。

「村井映像企画」で働かせてください!

さて、ここからは村井さんの新しい会社で働きたい私の妄想です。

そもそも人材募集などしていない「村井映像企画」に、メールを送りつけて返信もないのに押し掛け、千と千尋の神隠しの千尋ばりに「ここで働かせてください!」と言って。
当然ながら取り合ってもらえず、半ば強引に雑用を引き受けたり取材時のカバン持ちもしたりすること数ヶ月。
深夜に会社でコンビニおにぎりを頬張る私の姿に「そんなことしてると嫁に行き遅れるぞ」とか言われても、めげずに頑張っていたある日、村井さんから「そろそろ1人で取材に行けるだろ」。
えっ、いいんですかと思わず返すと、「バカ!ただでさえ小さい会社なのにお前1人分の給料増えたら回らないんだよ!自分の給料分くらい自分で稼げ!

えっ、それって雇ってもらえるってことですか。
そんなことを言ったら野暮だよなということくらいは分かったとき、肩を叩かれて。振り返ると、満面の笑みでサムアップする岸本君。

いつの日か認められて、仕事終わりに飲みに連れて行ってほしいし、遠慮なく酔っぱらって昔の話とかしてほしいなぁ。↓こんな感じで。

↑キチンと真正面を向くプレモル、に負けないくらい真実にまっすぐな2人だった。

そしていつか、大きな仕事ができたら、あの牛丼を一緒に・・・

村井さんかっこよかったなぁ。

この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?