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量感は、「自分なりのものさし」が大事という話

先日、平成元年トリオでインスタライブを行った際に、「量感って大事だよね」という話になりました。
量感を大事にするとは、一体どういうことなのでしょうか。


量感とは?

計器を使わずにある量の大きさの見当をつけたり,ある単位で示された量が実際の物でどれくらいの大きさになるかの見当をつけたりするための,およその感覚を量感といいます。

量感は,計器の選択を適切にしたり,計器の目盛りの読み誤りを直観的に判断したり,日常生活を合理化したりするために,大切なものです。
量感は,概測するときなどに有効に働きます。そのためには,上の例(上記URLを参照)のように,基準となる量の大きさの感じを身につけておくことが肝要です。この基準に照らして,測定しようと思うものについて見当をつけることができるからです。

量感を得させるためには,絶えず実測させることが大切ですが,下の例(上記URLを参照)のように実測の前に予想させ,測定値と比べさせることを忘れてはなりません。このようにして,身近な物についてその長さやかさや重さを覚えたり,単位量についての感覚を養っていくことによって,次第に長さやかさや重さについての量感が身についていくのです。

「算数用語集」新興出版社啓林館

算数用語集には、このように定義されているのですね。
量感が身に付くと、上のような良さがあるわけです。
量感を大事にした指導とは、まず、量感というものを養っていくんだという意識をもつことから始まります。
そして、実測を主な手段としつつ、その前に予想をさせるなどの工夫を取り入れることが大切となってきます。

自分なりのものさし

僕が常々思うのは、量感は「自分なりのものさし」が心の中にあることで身に付いてくるということです。
インスタライブでは、平成元年度生まれの仲間にこう尋ねてみました。
「1kmって、どれくらいと尋ねられたら、どう答える?」と。
N先生は、「校庭5周」と答えました。
直線距離じゃないんだと驚きましたが。笑
N先生は、僕たちにも伝わるようにと考えて、校庭という任意単位を使ったそうです。
W先生は、「学校からドームまで」と答えてくれました。
ちなみに、僕は、1kmをイメージするときに、「自宅から通っていた小学校まで」をイメージします。(通学大変でした。)

みなさんは、1kmを何でイメージしますか?

このイメージは、人によって全く異なるわけですね。
より身近なものでイメージできるとよいでしょう。
長さのイメージなんかは、僕のように、何度も繰り返し自分の足で歩いた距離=1kmというくらい強烈な経験と結び付くといいですね。

このように、自分なりのものさしを心の中にもっているかどうかが、量感を身に付ける上でとても大切なことだと思います。

長さの量感に限らず、重さ、かさ、・・・などあらゆるもので、この自分なりのものさしづくりをしていくとよいでしょう。

1億円は、何g?

かつて、量感を身に付けさせたいと考え、発展的な内容を子供達と考えたことがあります。
問題は、「1億円は何g?」というもの。
1円玉で考えるのか、紙幣で考えるのかによって、答えが変わってくる面白い問題です。
結構難しかったようで、2時間かけて行いました。
対象は、3年〜6年までくらいだと思います。


1億円は何g?①


1億円は何g?②

①の板書は、子どもに解放しました。
②で全体で共有しました。

1億円は、10kgだと言う結論を出した子どもたちに、10kgのおもりを渡しました。
運動場の砂場を保護するビニールシートが風で飛ばないようにするために用意されたものです。
1億円の重さを実感できたようです。

おわりに

量に着目するのは、小学校時代がピークです。
中学生になれば数学となり、抽象的な世界に足を踏み入れていくわけですから。
もっと量を実感できるように、頭も手も十分使って取り組めるような活動をしていけるといいなあと思っています。

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