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#4 新卒採用企業はその就活生だけの志望動機を求めている

現代の新卒就活はノウハウで溢れている。その最たるものが、「受かった志望動機」なるものが閲覧できること。コピペでエントリーシート(ES)を量産する事も可能だ。

それら受かった(とされる)志望動機を、小銭欲しさに就活ナビサイトに売る。それで実際に入社したら、その社員がどういう扱いを受けるかは想像にお任せする。

もちろん企業も対策しはじめている。提出されたESが、「文体など含めてxx%真似て書いた可能性がある」と判定するサービスがある。これは競合ナビサイトが提供している。それを使って効率的に、コピペ就活生を弾く事ができるようになった。

ナビサイト同士の代理戦争のようなものだろう。とはいえ、志望企業だけに用意したオリジナルのESが望ましい。これは間違いない。人生の目的論に取り組むと、参考となるESの文体を変えて捏造するより、その企業向けに書いたほうが遥かに効率的で効果的である。

では複数企業にESを出すと仮定しよう。だいたい20社くらいは出すだろう。それらESの主要な3つの構成要素を、人生の目的論に則して書くと、どうなるか?

  • 自己PR → 100%同じで良い 〜「人生の目的」に向かう姿勢)〜

  • ガクチカ → 90%同じで良い(締めor冒頭に、それが御社での活躍の厳選となる事にふれる) 〜「人生の目的」に向かっている姿が分かる〜

  • 志望動機 → 50%同じで良い 〜御社を場として「人生の目的」に近づいて行きたい理由付けを示す〜

ぜったい時間も削減できる(効率)&自分の言葉を紡いだオリジナル(効果)がある。なぜこんな簡単な事ができないのか?理由は3つ。

1点目は、「入りたい企業が最初から決まっている」から。
人生の目的に取り組んで、深堀りを繰り返す。そして企業選びは最後だったろう?
最初から、
「IT業界に行きたい」
「化学メーカーが良いな」
ナビサイトの奴隷となっているため、最初から出口が決まっている。
したがって、人生の目的に取り組んでいる過程でも、「行きたい業界に寄せる」という事象が発生する。もちろん寄せているから、エピソードもウソ臭いものになる。面接でもソレが出る。

2点目は、「人生の目的」を、就活のためだけに取り組んでいるから。
「人生の目的」は、仮決めした瞬間に「体が動き出す」ようなもの。ESに書いてあるような事も含めて、面接官は「就活ゲームの枠」に入っている事を信用していない。だから面接というコストが掛かるプロセスを設ける。
「選択肢を広げたい」のであれば、大学1年生向けのコースガイダンスを開催したり、家電量販店のスマホ売り場に立って選択肢を広げる活動をしているはずだろう。
受かるための活動ではなく、自分がやりたくてやっている活動。それは少々頼りなくても、「本当にそう思っているんだな」と面接官の心に刺さる。

3点目は、情報不足だ。
人生の目的論にもこのように書いている↓

やりたい事が無いのではありません。「世の中に何があるか」を知らないだけです。世の中に興味が無いあなたを、世の中は興味を示さないでしょう。世の中から、社会から、要するに企業から興味をもってもらいたいなら、世の中を知る努力をするべきではないでしょうか?

人生の目的論

ホワイトカラーで大事なのは、「あなただからできる」を積み上げること。高い給料の仕事は、研修して取り組めばできるものにはなっていない。しかし、どのようなやり方でも良いものがほとんどだ。その人の「視点」と「情熱」で物事を動かしていく。

白紙50枚に書き出すプロセスと並行で、最低でも新聞などの広い情報源に触れる。なんとなく人生の目的っぽい観点が出てくると、同じ新聞でも読み方が変わってくる。自分に世の中を見る「視点」が手に入ってくると、記事をキッカケに体が動くようにもなる。「日本の円安とインフレ」という記事に散らばっている実例。欧州と米国の公定歩合の予測を調べ始める人もいる。これを食の安全保障と捉える人もいる。年金生活者の労働力としての活用として捉える人もいる。

仮決めした「人生の目的」で手にするのは、あなたの世の中を見る「視点」と「情熱」だ。それを3ヶ月もやっていたら、世の中の事象を自分なりの視点で捉えられる。そして「自分にとってどうか?」と、社会そのものが「自分ごと」に変わっていく。あなただけの「視点」がいくらでも身について、面接官から「おっ!」と思われる。これは誰でも到達可能な世界だ。

最後に…
私は、人生の目的に取り組んで、内定を得た就活生のフィードバックをたくさん頂く。その中でも際立ち、且つ共通のフィードバックがある。
「うちの会社をそんな風に見てくれる学生に会ったのは初めてだよ」

私も「人生の目的論」のプロセスが、現代の面接官の心の針を動かす事に自信を持っている。

おわり

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