2021年に投稿されたボカロ曲の中から、今までボカロを嫌ってきた、なんとなく避けてきた人でも受け入れやすそうだと感じた10作品を投稿日時順に紹介する。70億人中1人ぐらいに共感してもらえたら幸いである。

正確には「ボカロ嫌いだった頃の自分に届けたい」というべきかもしれないけどね。

1. 劣情ノート / 志茉理寿 feat.GUMI

とにかく歌がうまいのよ。
ノートに言葉を綴るかのようにつぶやきながら歌うAメロBメロから、サビで魂のこもった力強い歌声に変わる瞬間が毎回ゾクッときちゃう。自称「VOCALOID調声マシーン」こと志茉理寿さんの30作目。

2. ユメノアメ / ドッシー feat.初音ミク

この歌詞がすごく好き。
悲しみを乗り越えて明日へと歩む女性の物語。軽快なバンドサウンドも相まって雨上がりの空から差し込む光のような希望を与えてくれる。作曲やピアノ演奏など幅広い分野で活動するドッシーさんの作品。調声はアミメキリンさん。

3. ジョーク / 青屋夏生 feat.初音ミク

サムネイルからは想像もつかない超名曲。
『ボカコレ2021春』で12位にランクインした青屋夏生さんの作品。こんな世の中だからこそ、くだらないことで笑いあえる時間って本当に幸せだ。映像も含めて最高傑作だと思うのでマジでサムネに騙されてはいけない。

4. クランベリーパレード / 小宮かふぃー feat.初音ミク&音街ウナ

この歌詞がめちゃくちゃ好き。
少女二人のメルヘンチックな休日を描いた、ひたすらに可愛くてキラキラしてて天才アンド天才な小宮かふぃーさんの作品。アニメーションMVも素晴らしすぎるし曲が転調する時の演出がオシャレすぎてもう語彙力喪失。

5. 十六夜ムーンライト / ゆうら feat.結月ゆかり

麗しい。この一言に尽きる。
昨年発売された「CeVIO AI 結月ゆかり 麗」が歌唱するゆうらさんの作品。「麗」の一文字をこれでもかというほど体現した歌声と、大人な恋心を欠けていく月と重ね合わせた切ない歌詞の調和が素晴らしい。

6. ナキゴトナイト / cagpie feat.可不

ソフトウェアの「クセ」を魅力的に昇華しているのがすごい。
2021年のボカロ界で大ヒットした「CeVIO AI 可不」だけど、なんつーかクセがかなり強いじゃないですか。でもcagpieさんのこの曲は可不の素の歌い方と歌詞のチョイス、そしてメロディによるイントネーションが奇跡レベルでマッチしていると思うの。

7. リアライン / 5u5h1 feat.音街ウナ

マジ最強の王道夏ソング。
5u5h1さんが自身の過去作「アライン」をリメイクした作品。なので2021年の10選に入れるかどうか一瞬迷ったけど、こんなの入れないわけにはいかないでしょ。青天に突き抜けていくような力強く美しい歌声に惚れ惚れする。

8. リルトガーデングライダー / 田中B feat.鏡音リン

唯一無二の世界観に引き込まれてしまう。
10年以上ボカロPとして活動する田中Bさんの作品。去年聴いたあらゆる曲の中でも特に印象的だった。でもベテランボカロPがこういう歌詞を書いていると思うと、そういう意味なのかなと思ってこっちまで胸が痛くなってくる。

9. ANIMAL / oQ feat.鏡音レン

とにかく歌声がカッコよすぎる。
おきゅーPことoQさんの作品。大人の色気漂うジャズにのせて野生動物のような気荒い感情をぶつける対比がまさしく思春期って感じ。このぐらいの音域の鏡音レンこそ至高だよね。もちろんなにが正解ってわけじゃないけど。

10. Hollow snow / 風原 feat.小春立花

虚しい心情が痛いほどに伝わる冬のバラード。
2003年からネットでの音楽活動を続けている風原さんの作品。これまた去年発売された「Synthesizer V 小春立花」の(いい意味で)特徴の少ない純真な歌声に魅了された。個人的には可不よりも好きなのでもっと人気になってほしい。

紹介した10選も含む2021年厳選おすすめ曲はプレイリストにまとめているので是非聴きに来てほしい。
2021年もたくさんの素敵な曲に出会うことができて楽しかった。全てのクリエイターに最大の敬意と感謝を申し上げる。