見出し画像

大型車を止めるな!

これから先自動車のメカニズムは大きな変革を迎えようとしています。
エンジンがモーターに置き換えられ、アクセル・ペダルに繋がったワイヤーはセンサーを動かすだけの形ばかりのペダルです。ステアリングも電気の助けなしには回せない車が増えてゆくでしょう。

ではこれからの車メカニズムは?

まず見逃せないのが変速機の存亡と自動運転の普及です。
マニュアル・ミッションはそもそもガソリン・エンジンの有効な回転数域を効率よく使うために、わざわざ減速比を何回も変えることで箱根駅伝の伴走からドイツ・アウトバーン(一部)での速度無制限高速走行まで、あらゆる速度域での定速走行が出来るようにしたものです。
電気モーターではゼロ回転から有効な回転トルクを生み出せるのでいちち変速することがほぼ不要になります。だからシフト・レバーは過去の遺物。ハイブリッド・カーも同様です。クラッチ・ペダルを踏んでいた左足の使い道もこれからは考えどころでしょう。昔のクラウンは足先でライトの上向き、下向きを変えるディマー・スイッチを足で踏んで操作していましたから・・・・・・

踏力を必要とするブレーキ・ペダルは当分、今の場所に残るでしょう。ブレーキ・パッドに力を加える油圧回路もまだまだ存続すると思われます。でもアクセル操作はセンサーさえ動かしゃあいいのですから、ハンドルの近くにレバーを置いたって、ラジオのボリュームつまみみたいに回転させたって良いわけです(実際大昔の車はハンドルの中央にアクセルと点火時期調節のレバーが付いていました)

ドア・ミラーもルーム・ミラーもモニターの大きさや置き場所を自由に選べるようになり、前方視界の死角にならない場所に追いやれます。ダッシュボードの上に置けば、昔ながらのスピード・スター気分も損ないません。

では、車高の低いロードスターのようなボディ・デザインは今後も可能でしょうか?大抵のEVは重く大きな電池を床下に敷いています。だから背の高いSUVには好都合。デザイン変更はせずとも電動化は容易です。
しかしロードスターのように床とその上のシートの地上高を少しでも下げたいクルマはどこに電池を置いたら良いか?というのがこれからの課題です。
日産リーフ・ニスモのように電池をミッドシップ配置にする方法もひとつの方策。あるいはこの次の(マツダ)ロードスターの開発でもトライされていることでしょう。電気で動く魅力的なオープン・スポーツカーの開発はきっと誰かが世界のどこかで、細々とでも続けているはずです。

動力源が変わっても駆動系が大きく変わるのはその後になるかもしれません。コイルばねと筒型ダンパーに代わる組み合わせは、これまでも幾つか試みられてきましたが、コスパでこれに代わるものはまだまだのようです。
重くて大きなデフレンシャル・ギアはエンジンと共にお役御免の運命かもしれません。大型トラックの後軸で細々と生き残るのが関の山でしょうか?

さて、大型車の動力源をどうするか?燃料電池バスの実用例もありますが重量物を運ぶトラックの動力源としてはまだまだ役不足の電動車。軽商用車も含めて、見逃せない大きな課題となります。
後輪駆動、板バネ、マニュアルミッションが選べる軽トラは、まさしくガソリン自動車の生きた化石?このカテゴリーが大きく姿を変えるときが自動車史の大きな変節点と呼べるのかもしれません。

先頃のモーターショー、いえモビリティーショーでは水素燃料を大型トラックに活用するプロジェクトでホンダ、いすゞのジョイントが発表されました。
水素自動車はしはんの例もありますが、実は水素タンクのメンテナンス、検査体制は車検とは無関係に担当官庁の指揮下で行われます。この不便な仕組みが解消されないことには水素インフラの拡充もままなりません。

働き方改革で大きな変革を求めらるトラック業界。働き手の問題の次には排出ガスの問題が必ずやってきます。ゼロエミッションをどうやって達成するのか?その過程で移行措置としてどんな車種が誕生するのか?目が離せないカテゴリーになりそうです。

個人的には軽トラの革新的なモデルも登場願いたいところですが・・・・・


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?