見出し画像

不思議な不思議な西武池袋、西武有楽町線!新玉川線の前には旧玉川線が存在した?

何かと話題に上っている(西武)池袋駅。
ご存知西武線と東武東上線が乗り入れるターミナル駅
というだけでなく、映画やコミックの「翔んで埼玉」によれば埼玉の実質的な首都の機能も果たしているとか?・・・・・地下鉄だけ見ても早くから丸の内線が乗り入れたほか有楽町線、副都心線が乗り入れ乗降客数も一〜二を争う大拠点です。

さて銀座線、日比谷線、千代田線と都心を南西側から北東に都内を斜めに貫く路線3本が揃った時点でのお話。・・では逆に北西から東南方向はどうでしょう?
池袋・東京間の丸の内線ルートを補完する形で有楽町線が開通します。後に続く半蔵門線8000系車両に対し、ほぼ同時期のこちらは7000系。デザインも酷似していますがライン・カラーは紫と黄色ではっきり違いがわかります。(やがてこれらが副都心線経由でとうよこせんに顔を出すことになるわけですが・・・)

池袋から東南を目指す有楽町線は丸の内線よりも南側を通って永田町を経由し、JR有楽町駅のほぼ真下、有楽町1丁目を通ります。丸の内線とは赤坂見附駅・永田町駅で改札内乗り換えが可能ですが進行方向が違います。有楽町線の終点は新木場駅。最初はここがディズニーリゾートの最寄駅となりましたがすぐにJR新規路線、京葉線舞浜駅が開業すると、そちらが魔法の王国の最寄駅となりました。

有楽町線の池袋駅は丸の内線のそれよりも南側、通り一本分離れています。のちに出来上がる副都心線ホームは丸の内線のさらに奥。で、この副都心線がその先で西武有楽町線と繋がっているので事は複雑です。

地図を見てみると有楽町線はJR線の下を通り、東池袋の交差点に向け東進、副都心線は同じ東池袋の交差点を通りますが、池袋駅では丸の内線の真下を走っています。しかも、ホームは丸の内線ホームのさらに奥、西武線や有楽町線に乗り換えようと思ったら注意が必要です。

池袋駅のホームは別々だった有楽町線と後からできる副都心線は小竹向原駅まで複々線となります。この先は西武池袋線につながる西武有楽町線と東武東上線和光市方面につながる2方向に分かれ・・・・つまり東上線と西武線が小竹向原目指して集結し、池袋の手前で副都心と有楽町線に分かれてゆく・・・・
のちにできる湘南新宿ラインも複雑の極み。池袋を利用する乗客には慣れと要領が必要です。

さて、ほぼ同時期に建設が進行していた新玉川線(当時の呼び名)
昭和40年代、東京の路上から相次ぎ路面電車が姿を消し地下鉄工事の為の鉄板が路面を覆います。国道246の一部に敷かれていた玉川電鉄の役目も終える時が来ました。この路線は渋谷駅をターミナルとして三軒茶屋で2方向に分岐、下高井戸までの路線は今も東急世田谷線として生き残っています。
三茶から先は二子玉川まで、ここで東急大井町線(当時は田園都市線)と乗り換え可能でした。さらにここでも分岐線が北に伸び砧線という短い路線が存在しました。(玉川高島屋の奥の方にバス通りと並行する細い裏道が残っています。ここが砧線跡)実はこの部分だけが完全な廃止で、他の区間は代替路線が用意されていました。

砧線の痕跡は今も路上に

玉電がなくなった後の広々としたR246では頭上で首都高速工事、地下では地下鉄工事が進んでいきます。玉電が消えて10年と経たぬうち等級の新規路線・新玉川線が開通します。三茶を挟んで渋谷から二子玉川駅まで、つまり玉電の生まれ変わりで新がついた玉川線となるわけです。

新玉川線の完成で田園都市線の運転もそれまでの大井町始発から渋谷線発着に変更。大井町線は二子玉までの短い区間の往復となりました。新玉川線は渋谷から先、半蔵門線と名を変えて営団の区間に乗り入れます。東急としては日比谷線に次ぐ2番目の乗り入れ。
よくよく路線を見ると旧来の銀座線と接近戦を演じているのがわかります。銀座線ルートの需要がどれほど高いかが窺えます。表参道駅ではホーム上で両者の乗り換えが可能。ただし、これは青山学院寄りにあった銀座線ホームを表参道交差点下まで移動させたから実現したもので、線路脇には照明を落とした旧い銀座線のホームが見えるはずです。
当初半蔵門線は青山一丁目までの暫定開業でした。のちに永田町や三越前など終点がどんどん遠ざかり、水天宮駅に到達。ここには東京シティエアターミナルという、チェックインカウンターが設けられ、成田空港に行かなくともここで航空機のチェックインができる仕掛け、あとは渋滞で遅れても時間を気にせずバスに揺られて成田へ向かえる、という仕組みでした。
(余談ですがお気に入りだったバス路線:渋谷・お茶の水駅間も神保町駅に到達した時点で廃止に。武道館を横目に眺め永田町界隈を縫って青山通りを快走するバス路線でした)

出口の見えない暫定開業が繰り返された半蔵門線にもついに光明が見えてきます。東武伊勢崎線との相互乗り入れが決まり、押上で両者がつながります。そう、あのスカイツリーの真下です。押上では京成と都営浅草線が交差しており、東京下町の一大ジャンクションと化した感があります。

銀座線の補完のような西側に比べ、水天宮や清澄白河と言った下町情緒あふれる東側とでは沿線風景も大きく変わる・・・・・車窓から眺められたら、の話ですが。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?