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何故最初からニコンF2?あの最高峰が今や自分の手に!

フィルムカメラを薦めようと言うのにいきなり50年も前のニコン最高峰だったF2が必要か?

中古市場にはもっと簡単に撮れるオートフォーカスの優秀な全自動カメラがそれこそ数千円から選り取りみどりです。

数回の使い捨てなら止めはしませんが長く使っていこうと思ったら考えものです。ちょっと外観をみて下さい。

発泡ウレタン素材を使った製品は加水分解が進んでおり、既にアウト。他にもまず大抵は液晶パネルを使っているでしょう.ということは十中八九マイクロ・プロセッサーを使っているのではないでしょうか。

その電源には様々なタイプのリチウム電池が使われていました。CR2だったり2CR5やCR123Aだったり、その種類も千差万別。スーパーのレジに並べば手の届くところにそれらの電池が並んでいました。…昔は,の話です。

これら電池の入手が出来なくなった時点で、せっかく買ったカメラは置き物と化します。

ニコンFシリーズですらF3となれば内臓の露出計ほかに電池が必要.しかも電子シャッター化されてしまったので、メカニカル作動の1/60以外のスピードでは電池切れ=置き物になりそうです。安価に入手できるならそれもアリですが!

ニコンもF2までは電装系の信頼性を低く見積もっていたのか、電池の要る露出計は外付け式として交換や修理は本体と切り離して行えるようにしていました。事実取り外せるファインダーのうち健全に露出計の針が動くものは多くは無いようです。

発売当時のニコンF2はプロフェッショナルが使う仕事のツールでした。過酷な現場環境で使われることを想定した丈夫さは数々の神話も残しています。

当時のアマチュア達には高嶺の花、それがデジタル時代となった今ではフィルム時代の10年前に比べても遥かに入手し易い値段が付けられています。

でも商品の魅力も耐久性も当初のまま不変です。ズッシリとした手応えは、所有する喜びをいつまでも高くキープしてくれることでしょう。そしてレリーズボタンを押し込んだ後の手応えは、写真を撮った!と言う実感を印象付けてくれます。

そして露出データさえ正確にセットすれば他のカメラと同じようにレンズ越しの光線を克明ににフィルムに焼き付けてくれるのです。

ファインダーもレンズも付かない、ボディ単体での価格をググってみると思いの外安いと感じませんか?世の中に溢れるニコンFマウントのレンズをカチッと嵌めれば、もう撮影準備は完了です。

ファインダー無しのボディだけで撮影は可能です。(事実ライカMにはファインダー無しのモデルが存在します)でもファインダーを覗きながら撮影する方が楽しいですよね!そこでファインダー探しを始めるのが楽しいコーディネートの第一段階。価格で選ぶかデザイン優先か?ニコンF2にはいろんなファインダーのバリエーションがあるのです。

有名な三角屋根のペンタプリズム-ファインダーは実は人気アイテムなのでお値段は高め.コンパクトさと格好いいのが取り柄です。が,ここはコスパ重視でいきましょう。

露出計を内蔵した大きなゴッツイ、フォトミックファインダーが思いの外安価です。ただしカタログ通り、電池で露出計が動くかはギャンブルですからそのつもりで。これはこれで格好いいです!と思える人は迷わずチョイスを。

もう一つの選択はウエストレベル・ファインダーです。撮影時だけ上にパカっと開いて真上からすりガラスのようなピントグラスを覗きます。ルーペ内蔵なのでファインダー並みの視野が広がりますが…

じつはこのファインダーだと左右が逆に見えています。縦位置だと上下方向が逆立ち。画面を見ながらカメラを右に振ると画像は左に流れます。慣れるまでは経験を要しますが、それはこのカメラを少しずつ自分のモノにしてきた証拠。昔は奈良公園などで三脚の上に二眼レフカメラを固定したマニアのおじさんをしばしば見かけた(←いつの時代だ!)ものでした。

このファインダーの特技は液晶モニターが無くてもローアングルやハイアングルからの撮影が可能なこと.上下逆さまにカメラを構えて腕を伸ばして目一杯背伸びして、真下からファインダーを見上げながら超ハイアングルからの撮影をモノにする…二眼レフやハッセルブラッドの時代に報道カメラマンの常套手段でもありました。

いや、ファインダー・カバーで塞いで(特殊なライカの様に)ノーファインダー専用機に使っても意外な写真が出来て楽しいかもしれません。

そしていよいよレンズ選び

ニコンF〜Dシリーズは一回目の東京五輪から2019年のラグビーW杯の頃までずっとFマウントのレンズで統一されていました。つまり原則最新のFレンズを古いニコンFで使うことも古いマニュアルFレンズを最近のデジタルD500で使うことも(一部例外を除いては)可能です。

もしかしたらお家にあるニコンDシリーズの絞りリングの付いたレンズならFやF2にも装着可能。お母様や祖母の着物が今だに着られる、なレベルじゃなく着丈もウェストサイズも同一くらいの高い互換性です。まあオートフォーカス・レンズを付けてもピントを合わせてくれるのは自分の指先ですが。

購入時にレンズとセットで買えば尚簡単

でもレンズ選びの時から撮影は始まっているものと心得てお買い物も楽しんで下さい。それが一眼レフ選びの最大の喜びだと思うからです。


交換レンズにもそれぞれ得意分野があって観光旅行なら28ミリ/デートのお供は50ミリ、舞台撮影向きの200やスポーツ観戦の300ミリと本領を発揮する守備範囲があるものです。

ニコンデジタルに付いていたFマウントレンズも利用出来るかも知れません。ちょっとでも気になったら早速検索して確かめてみましょう。

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