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フェアレディZ、次の目玉は?

おそらく自動車の歴史始まって以来,前方を照らし続けているヘッドライト。EVでもガソリン車でも走行中に12ボルトのバッテリーが最も電力を消費するのがおそらくヘッドライトです。ほかにもランプ類にはウィンカー、テール、ストップ・ランプ、リバース・ランプにフォグ・ランプ、ライセンス・プレート灯、ルーム・ランプにメーター類の照明やスイッチ類の夜間照明・・・・

近年は自発光式メーター(オプティトロン)メーターが増えたためか都市部ではヘッドランプを付け忘れて平気で走る車をたまに見かけます。山間部では有り得ないシチュエーションですが・・・・・・初期のワーゲンの時代からすれば途方もない照明ランプの数です。

ヘッドランプひとつで55ワットだの100ワットだのを消費するので、雨の寒い夜などはこれをまかなうだけの充電量が無いといずれバッテリーがギブアップせざるを得なくなります。もしかしたら1時間以内に・・・・

ヘッドランプの形も仕組みも時代と共に色々変化しています。ここでちょっと人気の旧車を思い出してみましょう。初代と二代目までのフェアレディZのヘッド・ランプは丸型でした。ヘッドランプは始祖の時代から丸が標準で、多くの場合シールドビーム・ランプという、レンズもフィラメントも全部一体となったガラスの一体整形ものでした。世界中どこのカー・ショップでも大抵手に入る汎用品でもありました。1970年代になるとこれにスタイリッシュな角型シールドビームが増えだし、フロントの面構えもフラットで低いスマートな形状が実現できるようになります。

フェアレディZも三代目は角型を採用し、時流に乗って半埋め込み式のリトラクタブルとしました。格納時でもライトの上半分は見えているので、そのままの位置でパッシングが出来ます。角型の流行は80年代半ばにはほぼ日本車の全車種におよび、あえて丸型を採用していたのはホンダのシティとTodayだけ、という時期もありました。

フェアレディZも代を重ねて4代目に装備されるのがプロジェクター・ランプ。これはレンズの部分が直径の小さな厚い凸レンズで構成され、おしゃれなデザインを目指すクルマはこぞって採用します。ランプの直径が小さく、上下の幅を小さく出来るのでエンジン・フードの前端を下げたいデザイナーには必須でした。

さて、最近の古い車のヘッドランプを見てみると1990年以降の車にはレンズが黄色く曇っているクルマが時々見受けられます。初代ヴィッツの大きなヘッドランプは車幅灯やウィンカーを一体にしたモジュール式で球切れはバルブだけを交換する仕組みです。レンズ類に使われているのはもはやガラスではなく透明なプラスチック、材質そのものが変色している場合はほとんど救いようがありませんが、そこまで無事に走り続けるのもまた、至難の業だったりします。

これに加えてバルブのほうもエジソン以来のフィラメント式ではない、蛍光灯のように不活性ガスを光らせる=高輝度放電を行うHID(ハイ・インテンシー・ディスチャージ・タイプ)の冷ややかな、しかし明るいタイプのものが生まれました。配線をつなぎかえるだけでは使えず、高価な専用の回路と併せての使用が前提ですが、これも広まりを見せています。

そして、フィラメント、放電タイプの次に登場するのがLEDです。半導体そのものが光るわけで、白も赤も橙もあるのでフロントからリアまでLEDでまとめた車も増えつつあります。LED単体での明るさは充分とはいえないものの小さなLEDの数を増やせば見劣りしない明るさを確保できるので、ヘッドランプ用にも採用例が増えています。LEDならプロジェクタータイプよりもさらに場所をとらず、横に細長いテールランプなど、電球では実現できなかったデザインも可能になりました。夜のクルマの表情もこれからどんどん変わりそうです。

さて一年内にも発売が予定される最新型のフェアレディZはどんなデザインのヘッドランプになるのか?これはもうすでにプロトタイプが発表されていて,初代の丸型を彷彿させる大きな丸い縁取りのLEDライトが輪郭を縁取っています。半世紀たって、結局先祖がえりか?それだけ初代のイメージを大切にしたことのあらわれなのでしょう。ニューフェイスに期待したいところです。

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