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ネタに恵まれた男。大城あしかのジェットスター搭乗記

5月13日土曜日 晴

昨日の大雨が嘘のような晴れ模様。福岡滞在最終日は雲ひとつないと言っていいくらいの快晴。

この日は翌日の母の日を前倒しにして、母とお出かけをする予定にしていた。

お昼からあるイベントへ足を運ぼうと思っていたので、起きてから朝食を食べ、帰り支度を済ませて実家の目の前にあるバス停へ向かった。

その時に、帰りの飛行機のウェブチェックインをしていなかったことを思い出して、iPhoneでGmailを開くとジェットスターからメールが届いている。

なんだろうと思ってメールを開いて見ると、

【欠航】の文字が。

なんと帰りに乗ろうと予約していた便が機材の関係で欠航になったという知らせであった。

さすがLCC。

ジェットスターは数十回利用しているが、僕は比較的運がいいのか欠航はこれで2度目だ。ジェットスターは欠航になると振替便を選択できる。

少し早めに帰宅したかったので、18時台の便を選択していたのだが、振替便は15時、19時、20時台の便から選ぶことができると表示されていた。

迷わず19時の便を選択。手続きは簡単に済んだ。

もともと荷物をコインロッカーへ預けるなど、空港へ出向く必要があったのでバスと地下鉄を乗り継いで空港へ向かった。

振替便の手続きを終えると「チェックインはカウンターで」と記載されていたので、カウンターへ向かった。

すると、長蛇の列ができていたので、僕はとりあえず発券機へ進んだ。

手続きをすると、これは搭乗券ではありません。チェックカウンターへお持ち下さい。と書かれたチケットタイプの紙が出力された。

「めんどくせっ」と思ったが、振替できませんでした。とか、LCCならではの謎なトラブルが怖かったので、長蛇の列へ並んだ。

列の途中にはホワイトボードで僕が乗るはずだった便が欠航になったお知らせが書かれていた。

10分くらい待っただろうか。ようやく僕の順番が来てカウンターへ行くと、ジェットスターレディー(こんな名前じゃない)に出力された紙を渡した。

すると彼女は「これはまだ時間が早いのでチェックインできませんという案内ですね」と言った。

『はひ?』

と思ったが、「そうですか」とジェントルを気取ってみた。

よく見るとチケットもどきに「Too Early To Check In」と印字されていた。

ジェントルを気取る意味なし。むしろダサい男だ。

ただ、振替便は間違いなく確保できているとのことで、ひと安心…もつかの間。機内持ち込みの荷物が規定の7kgを超えている。

「どうしたらいいですか」と聞くと彼女は「チェックイン前なのでウェブで申し込みができます」と言った。

なるほど。「いくらになりますか」とさらに質問をすると「変動制なのでウェブを見てください」とのこと。

なんじゃそりゃ。と思ったが、そこで「ピコン」と脳内でひらめきの音がなった。

「それじゃあ、超過分はゆうぱっくなどで自宅へ送ります」と言うと、彼女はこう言った。

「あっ、その方がお安いと思います」

商魂たくましくなく親切なジェットスターレディだった。


あわや搭乗遅れの危機

昼間のイベントを終えて空港へ戻り、夕飯を母と食べた。

財布を取り出した母に「お代はいいよ」と言うと「どうして、払うよ」と言うので、「母の日だよ!」と言うと母は笑顔で「ありがとう」と言った。

こちらこそ産んでくれてありがとう。

…とは、照れくさくて言えなかったけど。

食事を終えて、コインロッカーの荷物を取り出しおみやげを買って搭乗口へ向かう。

少し時間があったけど、余裕を持った行動をした方がいいと思って母と別れた。やっぱり飛行機は見送られるとちょっと切なくなる。

新幹線だって切ないんだけど、飛行機は自分でその場から立ち去らないといけないのが少しツラい。

チケットに搭乗口2と書かれているので、素直に搭乗口2へ向かった。

LCCは大体搭乗口が遠い。搭乗口2も例に漏れずだいぶ歩かされた。搭乗口2に着く前に充電コーナーを見つけた。

iPhoneの充電が少なくなっていたから、充電をしたいなと思っていた。

あいにく満席だったが、女性が充電を終えて席を立ったので、立ち寄ることにした。

背の高いイスに座って、充電を始める。搭乗ゲートへの集合時間まで10分ほどあった。

ただ、なんとなく搭乗口2の周りに座っている人が少ないのではないかということに、5分くらい経ってからふと気づいた。

搭乗口2で本当に合っているのかと。嫌な予感がしたので、iPhoneを置いたまま搭乗口2の案内画面を見に行った。

そこには目を疑う内容が。

搭乗口変更 2→41

『はい!?41って確かバスラウンジやん!』バスに乗り遅れたら搭乗できない。

過去に一度ジェットスターの搭乗時間に遅れた時に「バスがもう出てしまったので搭乗できません」と断られた記憶が蘇る。

本気でマズい。本当に焦った。

欠航→振替→搭乗口間違えで乗れない。

ありえないやろ。

急いで充電コードを抜いてiPhoneを握りしめ、トランクキャリーを持って走った。

普段は手荷物検査場の先にある搭乗口案内の画面を見て確認するのだが、母との別れに物思いにふけっていたこともあり、確認をしていなかったのだ。

空港内を走ったら迷惑になるのは分かっていた。しかし、乗り遅れたらシャレにならない。搭乗口41は今いるフロアの下の階にあった。

階段も駆け下りると人が大勢待っていた。搭乗口41は運良く搭乗手続きが始まる一歩手前といった様子だった。

間に合った。

最後までネタがつきない男である。

乗ってからもひとネタあるのだが、あまり大したことないので書かないでおこうと思ったがやはり書くことにする。

隣に座った女の子がバッグを上の収納へ置きたい様子だったので、通路側に座っている僕は「上にあげましょうか」と声をかけた。

やっぱりジェントルマンである。

バッグを上げようとして通路に出ると、バッグのファスナーが開いていたので「閉じてもらっていいですか」と女の子に声をかけて待っていると、後方から客室乗務員のお姉さんから声をかけられた。

「お客様、席に座られる方がいますので、通路を開けてください」

僕とその女の子の座席は、非常口近くの席だったので優先搭乗をしていたのだが、窓際には誰もおらず油断していた。

ちょうどその窓側に座る方が来ていたのだ。

やはり僕はジェントルマンではなく、ダサい男だった。バッグを客室乗務員の女性に手渡して、僕は席へ座った。とても恥ずかしかった。

飛行機は天候が悪かったのでだいぶ揺れたが、帰路ははやく感じるものであっという間に成田に着いた。

そして、降りる際に隣に座っていた女の子のバッグとトランクキャリーを頼まれてもいないのに下ろしてあげた。

離陸前の失態を挽回すべく、ジェントルマンを気取りたかったのだ。

「せめて、お名前だけでも」

名乗るほどの者ではありません

そんな会話が繰り広げられるわけなどなく、飛行機のタラップを降りてリムジンバスへ乗った。

ただいま千葉県。


それでは、今回はここまで。

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