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児童精神科病棟に入院した時の話

おはよう。くずです。
突然だけど、もう九月だね。
夏が終わっちゃったね。
何を言いたいかって?

………………今年の夏もまた無為に過ごしちゃったなってことだよばーか!!
フェスとか海とか夏期講習とかコミケとか
髪染めたりとか何とかかんとか
ナウなヤングに馬鹿ウケなこと何一つせず
誰とも会わずに延々と引き込もり
糞どうでもいいテレビ見て
糞つまんないネット眺めて
腕切っては惰眠を謳歌する
糞みたいな一日の繰り返しで終わってしまいましたよ夏が、あの夏が!!
これでもうら若い
今が盛りのフレッシュ乙女なのに!!!

………ほんの少し荒ぶってしまったけど、
とりあえず怪談語ります。
だって夏といえば、ホラーでしょ。
ちょっと遅いかもしれないけど
少しは夏気分を味わいたいのよ。

て事で、やっと本題に入りますが
これは私が
受験まっただ中の中学三年生で、
自殺を決心し見事に失敗して運ばれて
拘束器具や尿道へ挿すチューブが
やっと外れて、やっと一人で歩けるように
なったある夏の出来事。
もう既に出だしがヤバい位ホラーだね。

私は思春期の女子病棟に入っていたんだけど、
その日入院患者の女の子達が
ホールに集まって
全員でハーフツインをし
頭の上で人指し指を動かしながら
ひたすら「ぱらすこぱらすこ~」と言い合う
謎の異星人ごっこをしていた。
私も
高校受験という大事な大事な時期、
何よりも避けたいと願ってきた
この意味不明過ぎる
クソ無駄な行為へ勤しむあまりの無駄さに
ある種のヤケクソ的高揚感を感じながら
「ぱらすこぱらすこ~」と
目をひん剥き叫びまくっていた。
十数人の頭おかしいメスガキ供が
精神科病棟の中央で揃って
「ぱらすこぱらすこ~」と
馬鹿みたいな髪型をして唱えあう。
完全にヤバい異空間である。

そんな異星人達の元へ
ある一人の女の子が近づいてきた。
仮におっぱいちゃんと呼ぶことにしよう。
ちなみに胸はでかくない。
おっぱいちゃんは
何年洗ってないんだと
突っ込みたくなるようなバサバサ黒髪を
リボンで一つに結い、
これまた地味なパーカーと長めのスカートを
はいていた。
手にはヨレヨレの巾着袋を
いつも持っていた。
おっぱいちゃんは背を曲げ気味にして
静かに
私達へ歩み寄り、こう言った。

「あ ……あのぉ……………
そっ、その髪型……………………
やめて頂けますか?」

「あ、はい」

全員即座に髪をほどいたよね。
文句なんて言える訳がなかった。
小さな震え声だったけど、
その場の温度が一気に
絶対零度まで低下した。


おっぱいちゃんは
よく看護師さんへ
「部屋の中にいると
叫び声が聞こえるんですうう……」
と泣きながら訴えていた。
勿論巾着を握りしめたまま。
部屋も一番ヤバい奴が入る
三号室とかだったし、
何が言いたいかというと、
とりあえず絶対に
逆らっちゃいけない奴である。

全員言うことを聞いたことへ
満足してくれたのか、
おっぱいちゃんはすぐ離れていった。
けれど、何となく気まずい雰囲気になり
皆ホールから解散してしまった。

いまだに何故あんな事を言ってきたのか
原因は分からない。
「ハーフツインをした女の子に
いじめられた事があるんじゃない?」
という意見もあったが、
結局謎のままだ。

以上が私のホラー体験談だ。
夏と聞くと、大体この話が思い浮かぶが、
結構私さびしいな。
他に何かないのかよ。
でも、
それ程印象的な経験だったのだから
仕方ない。
退院した後色々あったけど、
志望校は落っこちました。
高校も行ってないけど、この事は
また次に話そうと思う。

皆も
生き辛さに耐えかねた時
髪をハーフツインにし、
「ぱらすこぱらすこ~」
と唱えてみて欲しい。
きっと違う世界が見えてくる。
高校に受かるような
験担ぎも何もないけれど。
たぶん、色々少しはふっ切れるかもだから。
それじゃまた。くずでした。

追伸:て言うか、あの巾着の中って
何が入ってたんだろう?
今更凄い気になってきた。
これ読んだ人は
予想をコメントに書いて下さい。
気になる…


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