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くずと破綻とスイサイドはこうして出来上がる

どうも。くずです。

ただいま午後11時。
すっ裸で
真っ白なブルーライトを浴びているけど、
セックス後の独特な倦怠感により
ぜんぜん眠れません。
カンザキイオリやマンソンを
イヤフォンから垂れ流してみて
いい感じに感化されてきたので、
ちょっとまた自殺について考えてみました。

こないだ
どっかのビジネスアドバイザーが書いた
ネット記事を読みました。
それのタイトルがこちらです。

「お前らが死ぬ理由を俺が一つずつ
潰していく」

…みたいな感じ。
うろ覚えだけど、意味は間違っちゃいない。

「死ぬ理由」ってそもそも何だ?
って感じ。
大して「生きる理由」もないから
人は死にたくなるんだろう。
特に若い人の自殺がそうじゃないかな。

生きていれば、
まあそこそこ良いこともある。
豊かな先進国に住んでりゃ
誰でもそれなりに平和な生活が望める。
どんなうすのろのガキでも、
分かりきった事だ。
けれども、それでも
「平和」で「穏やか」な将来を
送る気が大してなければ、興味もない。
経済の破綻?
学業の挫折?
恋愛の失敗?
んなもん、ただの引き金にしか
過ぎない。
もっと根幹の
暗い憂鬱につき動かされる感触を
思い浮かべて欲しい。
やり直そうと思えばやり直せること、
思い留まろうと思えば留まれること、
それで自分を殺す程
生きる気概がないことに
問題があるんだ。

誰かが言った。
「過去に苦しんでいた事があったとしても、
未来への不安があるとしても、
今この瞬間スマホを眺めている間は
少なくとも被害を受けていないのだから
何も苦痛や不安を感じる必要はない」
でも、
暴力をふるう拳の手触り、
こちらを睨み付ける憎悪の目付き、
互いを恨みあう為の大きな罵声、
放っておかれた汚ならしい部屋、
駄目な人間から薫るきついアルコールの匂い
その一つ一つの痛みが、否定が、苦しみが
赤紫に腐った傷となり
過去から今日までうずくのだ。
記憶とはそういうものである。
今真っ最中
迫害を受けている訳でもないのに、
自分には
生きる程の意味も価値も何もありやしない

呪いの囁きが過去からやってくる。

じゃあ、それらから解放された今は?
これから待ち受ける未来は?
虐待されることもない。
いじめられることもない。
貧困に悩むこともない。
なのに感じてしまう「違和感」がある。
自分が殴られないことに不安を覚え、
徹底した否定の数々が薄れゆくことに
戸惑う日々。
今まで散々いたぶられることで
自己存在と生を
皮膚の裏側から確かめるように
なぞってきた。
それなのに、今更
「自由」という言葉で
突き放される。
解放?見捨てやがったんだろうが。
嫌で嫌でたまらないのに
あの黒い想い出へ
渇いた懐かしさを絡みつけてしまう。

だから、
発狂したり
殺人を犯したり
子供捨てて駆け落ちしたり
突然会社を辞めて引きこもったり
ある日ビルの屋上から飛び降りてみたり
普通じゃない人間は
わざわざ要らない、
しかも致命的で取り返しのつかない
ミスをやる。
明るい日向にいて
自分のあまりの似合わなさに
吐き気を感じているよりも、
暗い暗い泥濘の底で
うずくまっている方が
馴染みがあるから。
だから負の世界には引力がある。
抑圧の麻薬と
自由の檻に
一枚、二枚とサンドイッチされ、
息を詰まらせた時
くずは破滅してしまうのだ。
これが駄目な人間の仕組みである。

常々思う。
何故私たちはそこそこの安寧を
謙虚に受け止められる程
馬鹿なふりをするという
賢い真似ができないのだろう。
親の離婚なんてありふれたことだ、
いじめだって陳腐なことだろう、
虐待もよくあることじゃないか、
と必死に思い込もうとしているのに
そんなよくあることで
いちいち崩れてしまう程
何故私達は脆く出来ているのだろう。
何故“こんな風になってしまった”んだろう。
あらゆるハテナが脳味噌を埋めつくし、
酸素がもれでて
次第に窒息していく。
過呼吸に喘いでいたら
気づけば
息は止まっていたのだ。

死ぬ方法を探して
じゅるじゅる這いつくばっているうちに
生きる理由を
土に擦れる足で消してしまった。
その足は自分か、他人か、
はたまた両方か。
「あーあ、
私って殴られる価値もないんだなぁ」とか
ぼんやり呟いてみても
静かな空気に吸い込まれる。
この虚無感を楽しめるぐらい
私は強くない。
傷つけられたら傷つけられたで
勿論苦しくてしょうがないけど、
ただっ広い荒野へ放り投げられるのも
辛い。
生きていけばどっちにしろ
しんどいに決まっている。
それって、
人生そのものが絶望と等しいのでは?
今夜も私達は
腐りおちたパテと
青白い肉、狭苦しいサラダに
じりじりプレスされていく。
さてさて、いつまで耐えられるかな?
あなたと私で競争してみるのも
案外楽しいかもしれない。


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