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わたしにとっての京都。~寺廻り編~

「京都を訪れるときは最大限に楽しみたい」

いつも心にそう誓って旅立つ。
街並み、お店、食事、お土産…
どれをとっても物足りなくなってしまうのがこの都市の罪深さ。

前回は過去の記憶を辿っているうちに予定文字数をオーバー。
改めて冬の京のお寺参りの旅をお伝えしたい。

遡ることもう1か月経ってしまったが、2月の連休を使って京都に行ってきた。
年男である私の干支は辰。
府内各所で公開されていた龍図をこの目で拝み、登り龍のごとく今年の飛躍を誓うことにした。

1日半の強行スケジュールの下、いかに効率良く見て回れるかがポイントであったので、なるべく近い立地のお寺から廻るようにした。

①妙心寺
日本最大の禅寺|京都花園 臨済宗大本山 妙心寺 公式サイト (myoshinji.or.jp)

臨済宗妙心寺派の大本山として名高い妙心寺は、広い境内と迷路のような路地が印象的。また今ではWebで説法やポッドキャストの配信まで行っているという、時代に即した開かれた禅寺であった。

狩野探幽の筆による雲龍図を目当てに法堂へ。
残念ながら撮影禁止であったが力強いタッチの龍図の天井画に息をのむ。
どの角度からもこちらを見ているような不思議な構図であった。

荘厳なお堂を前にすると立ちすくむ。
方丈の入り口の静かな佇まいに思わず立ち止まる。
迷路のように入り組んだ境内の参道。
このまま迷宮の入り口に吸い込まれてしまいそう。

②知恩院
浄土宗総本山 知恩院 (chion-in.or.jp)

東山区の浄土宗総本山 知恩院。
国宝 御影堂は日本でも有数の大きさの伽藍堂である。
私が訪れた際はちょうど説法が始まるところで、しっかりと慣れない正座をしながら暫しの間「善い事」を聴いた。

説法の時間になるとぞろぞろと参拝客がお堂に吸い込まれていった。
真冬の澄んだ空気と立派な建物が似合う。

③青蓮院門跡
天台宗 青蓮院門跡 (shorenin.com)

知恩院のお隣にある青蓮院門跡。
ここは庭園がとにかく美しい。
教科書で習った詫び錆びを思い出していた。

境内の最奥には国宝「青不動尊」が鎮座しており、鋭い睨みを利かせていた。持っている剣には龍が巻き付いている。

日本画からそのまま飛び出してきたよう。鳥のさえずりが響くまるで桃源郷。
各部屋には襖絵が細かく描かれていて、
いまにも動き出しそうな臨場感ある絵筆のタッチであった。
縁側に座り、計算された石の配置にしばし目を奪われる。

④建仁寺
建仁寺 The Oldest Zen Temple Kenninji

京都最古の禅寺、建仁寺。
繫華街からのアクセスもしやすく参拝客を快く受け入れてくれる。

メインの法堂には日本画家 小泉淳作の描いた双竜図。
晩年の代表作らしく、くっきりとした輪郭に思わず鳥肌が止まらなかった。

龍の爪の本数はお寺により3本だったり5本だったりする。
想像上の生き物ならではの解釈で、爪の数が多いほど地位が高いとされる。

⑤雲龍院・泉涌寺
【公式】御寺泉涌寺 別院 雲龍院 (unryuin.jp)
【公式】皇室御香華院 御寺 泉涌寺 – 京都東山 御寺 泉涌寺の公式WEBサイトです (mitera.org)

東山区の御寺泉涌寺の別院 雲龍院と泉涌寺は隣同士だが違うお寺。
敷地内が同じようで別ルートになっていることに途中で気づく。
事前に調べたより圧倒的に空間美が勝っていた。

四角く切り取られた障子枠の中に、左から椿・灯籠・紅葉・松がクローズアップして楽しめる。
座布団に正座して静かに佇む。
お堂の角を曲がると枯山水の庭園が出迎えてくれる。
廊下の突き当りに龍図の衝立がお出迎え。爪は3本。
泉涌寺本堂の仏殿には狩野探幽筆の雲龍図が。
舎利殿とともに撮影禁止のため、この目で見る機会に恵まれたことに感謝した。

観光客の比較的少ない季節、真冬の京都旅を味わうことができた。
タイトなスケジュールを組んだ割にはゆったりと参拝できたし壮大な龍図のパワーをいただけたので帰ってからも体調が何故か良くなっている。
あーありがたや、龍神様。

おまけ
宿泊ホテル近くの書店で森見登美彦の新作「シャーロックホームズの凱旋」を見つけたので購入。そのままコメダ珈琲へ。
破天荒な展開でこみ上げる笑いに武者震いをしながら読んでいたのは秘密。

京都とロンドンを繋ぐ不思議な縁。
京都限定?オリジナルブックカバーに包まれていることに歓喜。


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