タイトル未定 三拾八
モニターには、文字や関数が凄まじい速さで打ち込まれ、様々なウィンドウが立ち上がる。カタカタ、タンッとキーボードの音と極限の集中力。ありとあらゆる公式、方程式を用いて答えを導いていく。この楽しさがたまらないんだよな…。
楽しさ故、その時間はあっという間に終わった。「=」と仮定上の答えをとりあえず出し終え、「ふぃー」と椅子にもたれかかりモニターを眺める。
「私の出した答えが正しいとすると…あの炎は使用者の意思で…温度調節ができるということ…そして、あの刀に炎が伝っていく…これは分からない、と。」
コーヒーをひとすすり。モカブレンドのコクのある味が染み渡る。
「いよいよ神話とかアニメみたいなお話になってきたねぇ、こりゃー…。どう論理的に説明すりゃーいいのさ…。」
デスク脇のメモ帳にペンで「わからん!」と書き殴る。制圧班に所属してからこういう?事例は数多く見てきてはいるけど…。タテナシさんからある程度の事は聞いてはいたが「点」にしかならない。そこから線も何も伸びてこない。用いた公式も、資料も適切なモノを使ったはずだ。
「もー、これは直接狐の青年に聞くしかないじゃないかぁ…。私だけではむーりーだー…。」
ギシギシギィ椅子の背もたれが軋む。「とりあえず印刷…。」まったく、タテナシさん達早く来ないかな…。怒られるんだろうけど怒られるなら早く怒られたい(?)
「未確認能力と皮膚硬化メカニズム、硬化した皮膚の耐久度数と耐熱度について (外マル秘)」という報告書をホチキスで止めて机につっぷす。
狐の青年んんんー!たぁすけてー!。
あたしゃドッと疲れたよ……
ババババと報告書を纏めたかと思うとパタッと寝てしまう。短期集中型。これがある意味私のチカラなのかもしれまへん…Zzz。
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特別犯罪制圧班 公用車 車内
一方、ミュウちゃんが運転している車は渋滞に巻き込まれることもなく、目的地まで後少しの所まで来ていた。
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