タイトル未定 三拾九

「ここだな。」とついた場所は。

駅ビルだった。よく俺も使っていた、この街で一番大きな駅だ。4、5路線乗り入れていて、グルメも美味しいと評判の。ここの駅の1Fにある担々麺が辛美味い。そこの、地下駐車場に車は入っていく。さすが高級車。オートライトは標準ってか。

徐行運転をしてながら地下駐車場を進むと、守衛所で停車を促される。なお、この守衛所に通じるルートは口外禁止らしい。守衛に身分証を見せると「お帰りなさいませ。どうぞ。」とバーが開き車はまた進み始める。

チラとドアガラスのスモーク越しに見えたが、防弾チョッキ、手錠(わっぱ)、拳銃と豪華な装備をしていた。狐目が故の視力だろうか…?

「ごく稀にウチに殴り込んでくるバカがいるんでな。仕方ない。だいたいのヤツはアソコで斃るけどな。」

「やけに厳重だな…」という俺のツイート(呟き)をタテナシさんが拾ってそう答える。てか、タダさんと同じ装備じゃないか……?

「オマエにも拳銃あげただろ?うちにいる以上、拳銃は必携だ。義務だ。」と。そういえば腰に押し込んでた拳銃を忘れていた。手に取ってみると金属独特の冷たさがある。そして撃鉄のところにヤツの青紫の体液が僅かに付着していた。いつの間に。

マガジンを取って眺めると9mm弾(後で聞いた)がギッシリ詰まっていた。ジャコッとマガジンを入れ直すと横でタダさんがビビったので「撃ちませんよ」と呆れ半分に答えた。教わった通りに安全装置をかけズボンのウエストに押し込む。

ミュウちゃんも「わたしも待ってるよぉ↑」と肩から提げたポーチから銃を取り出す。俺よりも華奢な体で本当に扱えるのか?という疑問は釈迦に説法か。ポーチの中にはマガジンが3つほど入っているのが見えた。

老若男女なんだなぁと。タテナシさんや何かしら、誰かしらに認められた人が所属する組織(おそらく)。政府管轄なのだから、公務員?や警視庁からの引き抜き、異動でってこともありえそうだけど。俺と同じようなチカラ持ち、クセのある性格が沢山いると思うと少し辟易としてしまうけどさ。

そして、あれからお狐様は何も言ってこない。本当に寝ているのだろうか。(たわけ!って怒られそう)。まぁ久々に現代でお力を使われたのだからなぁ…無理もないのかな?仮にお狐様は女性みたいだし、女性には余計な詮索はしちゃいけないよなぁ…うん。気にしないでおこう。

車は少し開けた場所に出た。駐車場には今乗ってきたのと同じ車が整然と駐車されていた。おそらくそこに停めてあっただろう位置にミュウちゃんは器用にバックで車を駐車する。

そしてドヤ顔。

#小説


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