タイトル未定 二拾

発砲する。許可取りなんていらない。

……まぁ、そうだよな。

銃弾は確かに当たったハズだが傷ひとつ付いていないどころかキュウンッ!と銃弾を弾いていく。タダがフルオートの銃撃を浴びせるもこれも無効化。外皮が固いのか……。

「そんな豆鉄砲…俺には効かない。」

こもり声は素早くタダと距離を詰める。「接射なら抜ける!」と構え直すも遅く、こもり声はガラ空きの腹に蹴りを入れタダを大きく後方に弾き飛ばす。ゴオオンとタダを鉄柱に激突させた。

「タダ!」

「…うっは~!効くな~。」

これにはこもり声も少し驚いたらしい。私はその間に銃からナイフに持ち替え、近距離戦に持っていく魂胆を取る。「作り」が人間と同じなら、関節部分はいくら外皮が固いとはいえ…やれるはすだ。

「体が硬いのが俺の取り柄なんで!」とタダ。うおりゃ!と全力疾走しこもり声との距離を詰める。間髪入れずにこもり声を殴打する。当たりが重い当たりタダもチカラを使い応戦しているらしい。胸と思われる当たりに1発入り、こもり声は少しのけ反る。

「やるじゃないか…。」

「タテナシさん専属運転手だ…当たり前だろ。」

「ではこれはどうだ…!」とこもり声は力み声を出す。外皮が波打ち始め細かな棘のようなモノが形成されていく。

「死んだな。」

その棘が一斉に射出される。硬化させた手は無傷だがそこ以外に棘が刺さり蜂の巣。タダは貫かれた。「くっ…」よろけるタダ。こもり声との間に空間ができる。

ここだ…!

こもり声にナイフが使える間合いまで接近する。蜂の巣になったタダには申し訳ないが手で押しのける。

そして肘と思われる部位に私は、ナイフの刃を入れる…事には成功した。

(入れ…斬れろ…)

#小説




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