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セミナーや講演、人に説明する時には子どもに伝えるつもりで分かりやすい平易な言葉を使って伝えましょう。

そう思ってこれまで心がけてきました。


ただ…


子どもが理解できるような伝え方って・・・



というボヤーっとした疑問を抱いていたんですが、最近ではホントに子ども相手にセミナーをやっています。




実際にやってみると、まあ予想はしていましたが、なかなか容易ではありませんね。


対象は主に小学生なんですが、おかげさまで毎回ほぼほぼ満席に近い受講をしていただいています。

ま、満席といっても少人数クラスを謳っているので4人ですけどね。


これが小1のお子さん、そして小6や中1のお子さんが混じってるんですね。

小1と小6を同じ授業内容で同時に教えるって、実はまあまあ骨が折れるんですよ。


小1って最近まで幼児だったんです。自分の名前をいうのがやっとのお子さんも。

対して小6って、おそろしく言語能力が高いんです。趣味はプログラミングです!英会話です!なんて子はザラで…。

先日はこんな子がいました。

「悪い言葉を使う人はどんな人だと思いますか?」って質問すると、こんな答えが返ってきたんです。

「それは、過去に不愉快な言葉をたくさん聞いた記憶が関係してるからだと思います!」

って。



マジか!


こいつは天才か!


…って感じでもうぶったまげたんですよ。

僕の立場を奪われちゃってるんです。



これ、小1と小6のいるクラス…みなさんならどうやって授業します?


僕の講座は、間をとって小3~小4が最も理解しやすいレベルに設計しているつもりなのですが、小5以上のお子さんにとっては、簡単すぎるのでしょうね。

で、それでも楽しんでもらえるようにクイズをいれたり、できるだけたくさん質問したり、ワークをふんだんに入れて明るく盛り上げられるように雰囲気づくりを意識して取り組んできたんです。


ところが、ここである壁にぶつかってしまいました。


というのは、あるショッキングな出来事があったんです。



口コミが★1つの最低評価。





僕は、大人向けのセミナー講師もやっています。

こちらでは約1年間で500人以上の方に受講いただいており、口コミ数は340を超えています。そしてその全員から★5つまたは★4.5のほぼ最高に近い評価をいただいており、子ども向けセミナーでもまだ始めて回数は浅いですが、★5つしかもらったことがなかったんんです。



それがまさかの最低評価・・・


がーん!



もちろん、心当たりがあります。

授業中ずっと下を向いて、何を質問しても無言・・・って子がいました。

あきらかに不満げな顔…

とても頭が良さそうな子なんです。

でも、僕の質問には答えたくないオーラを出しまくってました。



これ、1対1ならまだしも他の子たちもいますので、その子にだけ時間をとるわけにはいきません。できるかぎりの配慮はしたつもりでしたが、わずか1時間のたった1回きりの授業で、しかも初対面で心を開かせるのは至難の業でした。

というのは言い訳なのですが・・・



口コミの内容はこうでした。

(もちろん文章は親御さんが書かれたものと推察できます)

一番の原因は僕のテンションについてこれなかったことだそうです。

受講後、泣いていたんだそうです。

お子さんはイヤホンで受講されていたので親御さんの耳に僕の声は届いていなかったようですが、お子さんのことを僕が否定し、追い詰めていたように受け取られているようでした。



これには僕もだいぶショックでした。


はじめは、

「え?あんなに気を使って対処したのに」

「子ども相手に話すんだからテンション上げるの当たり前じゃん!」

「ハイテンションつくるのめっちゃ後から疲労するのに!できればもっと静かにやりたいわ!」

「親も俺のこと見ても聞いてもないじゃん!なのに…なんでそんなふうに言われるの?子どもがあんな態度とってすみません…というのが普通ちゃうんか!」


なんてことをぐるぐる思って自分は悪くない!って理由を頭の中でいくつも浮かべていました。


そして、長くやってるとそんな人もいるさ。

全員に好かれようとするのが間違ってるんや!

頭でわかってても感情はなかなか受け入れられんなぁ…



なーんてことを思いながら自分を慰めようとしたり…



でも・・・


果たしてそうだろうか・・・


待てよ…


これ、根本的に俺の方がアホやぞ・・・


と自己反省に変わってきました。



考えてみると僕もですね、大人になった今でも、超ハイテンションの人なんかと接するとしんどいことよくあるんですよ。

波長が合わないんですよね、あのノリノリな超ポジティブモードには。


だのに…


僕は頭のどこかで「子どもにはテンション高くいかないと楽しんでもらえない…」という決めつけがあったんです。

おとなしい子には、大人が明るく振る舞ってあげることで、居心地がいい空気ができる…

と思い込んでいたんですね。


なので、むりやりテンションをあげて、超笑顔をつくりにいって、子どもたちを鼓舞していたんです。


これ、まったくペーシングできてなかったんです。


決して、否定したり追い詰めたりする気持ちは微塵もありませんでした。明るく子どもたちに質問しては、いちいち「いいねぇ!」ってやる。

でも…それがウザい、否定されてるって感じる子だっていて当然ですよね。


そんなことに気づかず、これまで口コミが良かったことに胡坐をかいて、調子に乗っていました。



子どもの接し方におけるマインドは、コミュニケーションマインドの原点のような気がします。

かつて、発達障害児の教育こそ、人間教育の源泉であり、人財育成やカウンセリングの源泉であると気づいた時のようにガツンとやられました(笑)


今回はホントに大きな学びの機会になりました。


口コミありがとうございました。







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