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オオカミ少年というお話があります。

そもそもこのタイトルからしておかしいんです。

少年が満月を見たらオオカミになる!

って話ではないんです。だったらこのタイトルは違うでしょ!ってなるんです。


まあ、それはさておき、もっと気になっていることがあって、それはこのお話の教訓とされている内容が浅いなぁ…って思っています。


あらすじは、羊飼いの少年が退屈しのぎに「狼が来た!」と何回も嘘を吐いていたら、本当に狼が来た時に村人たちに助けてもらえず、羊たちが狼によって食べられてしまった…という話ですよね。

そして一般的に語られている教訓は、「普段から嘘を吐いていると、いざという時に誰からも助けてもらえないんですよ」「だから嘘は言ってはいけないよ」ってことなんです。

んー

なんか少年の自業自得で片付けられてません?


ま、中にはこう解釈する人もいます。
結局、羊たちが食べられたんだから村人たちも被害を被った。つまり村人にも問題があった…と。
「少年の言葉の真偽を確かめないのが悪い。万が一ほんとうである可能性を考えて常に細心の注意をしておかなきゃいけない」
「村人もリスクマネジメントできてないじゃん!」
あるいは、「先入観に囚われて行動してはいけないよ!」かもしれない。

要するに台風が来ると警報がしょっちゅう出てるから麻痺しちまって、特別警報だ!なんて言われても危機感を感じなくなっちゃってるんだよ…ってことですよね。


まあ、わかるけどでも僕に言わせばそれが人の心理ってもんですよ。

で、僕の見方は心理カウンセラーの立場から言わせてもらうと、別の視点なんです。


そもそも少年は、なんで嘘をついていたのか?


ここです。


淋しかったんじゃないんでしょうか。
普段から誰も相手にしてもらえなかった少年…
普段から大人に話を聞いてもらえなかった少年…
だとしたら…

嘘をつくことで、
「え?マジ?」
「ほんま?それヤバいじゃん!」
って、話を聞いてくれますよね。
無視されませんよね。
自分の言うことに関心を持ってくれるんですよ。

つまり、噓をつくっていうのは、
「もっと俺の話を聞いてくれよ」「俺のことを見てくれよ」
という心の叫びだったんじゃないでしょうか。

暴走族が爆音を立てて走りまくる理由と一緒です。
コイツは親や先生の言うことを聞かないダメ人間
そんなレッテルを貼られた子どもは、そりゃグレるわけですよ。
暴力をふるったり、万引きをしたりすることでしか自分の存在をアピールすることができないんですよ。
嘘つくぐらいかわいいもんですよ。

親や村人たちの普段の少年に対する関りを改めるべきじゃありませんか!ということが最大の教訓ではないかと僕は思っています。

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