アウトプット志向で、いきませんか?

アウトプットとは?

マーケティングプランナーにとって、アウトプットとは、自らが得た情報(インプット)を、なんらかの目的を実現するために自分が編集した情報です。ですから、自らがきちんと細部まで説明きないといけません。もちろん曖昧な内容があってもいいのですが、どうして曖昧なのかも説明できる必要があります。

アウトプットするために、インプットが重要であることは言うまでもありませんが、インプットをすれば(いろいろな経験を積めば、たくさんの人と会えば、さまざまな本を読めば)、アウトプットがでてくると勘違いしてしまう人も多くいます。私たちは、まずプランナーにとって、正しいアウトプットを認識する必要があります。

正しいアウトプットとは、顧客が「いま必要としているもの」でないと意味がありません。それは、顧客自身が「これが欲しい」と思っている(顕在)ものかもしれませんし、まだよくわかっていない(潜在)ものかもしれません。でも、あなたが提示したアウトプットをみて、「そうそう、こういうのが欲しかった!」と思ってもらわないと意味がありません。

そのアウトプットは、プロジェクト計画書かもしれませんし、問題の顕在化、課題の設定、いろいろな解決策や解決策のPros&Cons、Webサイトのワイヤーフレーム、グラフィックデザイン、コピー‥などいろいろあるでしょう。決して、キラキラした企画だけがアウトプットではありません。私たちは、仕事の中で、常に顧客に有益なアウトプットを出して、その対価をいただいていることを認識する必要があります。

アウトプット志向のポイント

ですから、まず私たちは顧客が欲しいもの(欲しいと思っているようなもの)からスタートし、アウトプットをイメージできないといけません。良いアウトプットを見ていないと(見ようとしていないと)これは、イメージできませんね。仕事ができる人のアウトプットをできる限り見てください。真似してください。作り方を聞いてください。その人が言語化できなければ、方法論を盗んでください。

残念ながら、これは教えられないのです。本人が良いもの(=顧客が喜んでお金を払っているもの)を見て、真似しようとしない限りあなたのプランナーとしての成長は終わったも同然です。長年プランナーをやっている私たちも、他の会社の優秀なプランナーのアウトプットや制作物をみて、刺激を受けたものは、自分のアウトプットに取り込もうとしています。マーケティングが、常に変化し続けることを宿命としている限り、プランナーの成長にゴールはないのです。

次にやることは、いま自分がもっている最大の知見でアウトプットを描いてみることですが、これは上級者がやることです。初級者は、たいした知見はありませんから、まず目的に合わせたインプットの“あたり”をつけることです※。まずは、事例を探しましょう。事例の探し方は、別途書きたいと思いますが、基本は「王道」「NO.1」です。これを見ずして何を語るのでしょうか?プランナーは、顧客の主力商品の「歴史・成り立ち・その業界の構造」や「業界のトップが何をやっているか」を日頃から勉強しておくべきです。もしあなたがコンサルタントの場合、顧客となる企業のマーケターは、毎日自社の業界や商品について考えて抜いています。それと同等の知見がなく、どうして顧客が満足できるアウトプットができるのでしょうか。

そういった事例を見た後で、イメージしているアウトプットに足りないものが理解できてきます。何が足りなそうか、改めて書き出してみましょう。何らかのデータかもしれませんし、異業種の成功事例かもしれません。それは、ネットの検索で済むかもしれませんし、本を数冊乱読したり、人に会って話を聞いたりすることが必要かもしれません。私たちは、ビジネスをしているのですから、常に効率的な方法をとるべきです。

インプットで重要なこと

このインプットで重要なことは、1)集中すること 2)収集と読み込みは別に行うこと 3)6割程度で一度止めてみることです。情報収集は、浅い収集と深い収集の2段階を用意しましょう。ネットで30分程度調べて、だいたいどんなことを深く調べればよいか目星をつけ、その後より深く調べるものを決めます。そして収集は収集だけに時間をとり、情報の読み込みはプリントアウトして、必要なポイントをメモするという分割作業が必要です。アウトプットは「自分で説明できるもの」と最初に書きましたが、パソコンの画面だけで理解しようとしても、あなた自身に“入って”きません。自分で書く(描く)ことで、情報が単なる情報から、アウトプットに繋がるシナリオとしてより「使える情報」として活き活きしていくことになるわけです。

こういった作業は、やりきるのが重要ではありません。よく戦略立案の教科書にも書かれていますが、最初に目星をつけた情報の6割程度で一度止めてみて、アウトプットに本当に有益かを立ち止まって考えることが重要です。意外と使えない情報を頑張ってインプットしようとしてしまっていることがあるのです。

※初級者と書きましたが、上級者だって新しい顧客については、この学習はとても重要ですし、長年関係性を築いている顧客でも常に新しい情報は意識しているものです。逆に上級者は、ある程度の知見があるにも関わらず、もっとインプットが欲しいと、情報を探してしまい、仮説を立てるのが遅いという人もいます。
#プランナーの構え ,#マーケティング,#アウトプット,#ビジネス


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?