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ラーメンの揺れかた

ニンニクの香りがしてる、という話。

最近、食生活がラーメンづいています。30歳を超えて、内臓の数値にも弱点のある人間にとって、脂質と塩分と炭水化物の代表選手ともいうべきラーメンを常食するのはあまり好ましいことではないと思います。思うのですが、事実として、今まで週一回程度だったラーメン食の頻度がどんどん増えています。

会社員として働いていると、私生活の都合の悪いことは大抵仕事のストレスに責任転嫁することができて、これも日々の心労から味の濃いものをどんどん求めるようになってしまっていること、そもそも定食系をゆっくり食べるほど昼食の時間が取れないこと、などに起因していると思うのですが、勝手に私が思っているだけで、仕事のせいにしたところで特に何かが改善するわけではないというのが痛いところです。

まるで仕事とラーメンを悪者かのように書いてしまいましたが、前者はともかく後者そのものに罪はないし、むしろやめられない魅力があるというのは、私が改めて書くまでもなく、皆さんの体験からも国民食としての立場を確立していることからも、もはや論を俟たないことでしょう。

そんなこんなで、金曜日は幡ヶ谷の「ねじ式」に行ってきました。

らぁめん 味玉

ここの魅力は、甘みを伴った濃厚な醤油ベーススープと野太い麺によるガッツリした味わい。広い意味での二郎インスパイアだと思いますし、背脂の浮いたスープや厚いチャーシューには、面食らう方もいるかもしれません。しかし、深めの丼に入ったソボロ、モヤシなど各具材は実際のところ何れも適量で、スープの染み渡った味わいはマトまりよく、ボリュームがありつつ「品」すら感じる一杯です。盛り付けもよく見ると繊細。

札幌ラーメンのように穴あきのレンゲで具材だけ掬えるのも良いですね。事実として全体的にも量がキツすぎることはないので、ガッツリ味のラーメンが好きな方なら幅広い年齢層、性別を問わず楽しめると思います。大盛りも頼めますし、鳥白湯、味噌のメニューもあります。

このお店がある幡ヶ谷には、私は学生時代の2010年ごろ住んでいて、丁度同じ時期にオープンしたのが「ねじ式」さんでした。開店当時、新しくできた黒塗りの店に恐る恐る入ってみたところ、目についたのが店内を飾るロックスター・グッズ。ダニエル・ジョンストンのポスター、キッスの面々の卓上フィギュア、BGMの70−80年代音楽・・・趣味丸出し。HR/HM小僧だった私の心にもドストライク。

当初はそこまで知名度がなかったこともあり、週一くらいのペースで通う同店は、内装もあってちょっとした秘密基地感がありました。同時に、金欠欠食大学生にとっては生命線でもあり。今ではすっかり食べログでも3点代後半の名店ながら、金曜日に行って驚いたことに、少なくとも私の記憶にある範囲ではメニューの料金が当時から変わっていないと思います。いつか昔年のお礼と共に、店主の方にロックの話や、恐らくつげ義春由来であろう店名の由来を聞いてみたいものです。

それにしても美味しかったな。幡ヶ谷には他にも有名で美味しいラーメン店がありますが、マイ・モスト・フェイバリットといえば「ねじ式」になります。冒頭の健康の話もあるので、程々にしたいのですが、仕事の心労も吹き飛ぶし、むしろここのラーメンを安定して食べられるように体調を整える、くらいのノリでも良いかもな、と思った一杯でした。

ふるさとの 麺に向かひて 言うことなし
ふるさとの麺は ありがたきかな

「ねじ式」について書こうと思った時から、同店を含めて自分の中の3大ラーメンである津田沼「鈴木さん」、錦糸町「佐市」にも触れようと思ったのですが、長くなるのでまたの機会に。リンクだけ貼ります。

とか言ってたら、アド街の特集が丁度幡ヶ谷でしたね。

以上

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