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月夜牡蠣(Moon Night Oyster)@新木更津漁業協同組合牛込支所

2022/11/25 訪問

最近何かとメディア等で話題になってきている千葉県の養殖牡蠣ですが、東京湾の “江戸前の領域” で、2018年に養殖を始めた漁協は2つあります。

一つは『江戸前オイスター』を手がける新富津漁業協同組合さん。

前回のレポート↓

もう一つは東京湾アクアライン近くの海で『月夜牡蠣』の養殖に取り組む新木更津漁業協同組合牛込支所さんです。

今回はこちらへお邪魔させて頂き、前回の『江戸前オイスター』と同様、養殖方法含め色々とお話しをお伺いし、近隣で実際に食べる事が出来る飲食店を調べました。

↑先ず新木更津漁業協同組合さんの場所はこちら
↑アクアラインに繋がる金田ICと三井アウトレットパーク木更津が近くにあり、最寄り駅は袖ヶ浦ですが、歩いたら30分以上かかります。
↑木更津駅からの自転車ルート

この日は見学させていただく現場海域での潮の満ち引きの兼ね合いで11時に漁協到着のお約束をしまして、朝9時からやっている木更津駅前の観光案内所でレンタルサイクルを借りて行く事にしました。

ではさっそく出発しましょう。天気は快晴、寒くなく風もなくまさに日本晴れです😄
左側に海を眺め進みます
この画像正面の橋は『中の島大橋』
↑拡大すると

千葉の木更津からこんなにも富士山がよく見えるとは思いませんでした!あと写真は撮れませんでしたが、自衛隊の駐屯地が近くにあるので上空にオスプレイが飛んでるのも見えて更に驚きました!この時点で木更津最高!と思ってしまいました。

なにやらオシャレな場所が

しばらく進み、三井アウトレットパーク木更津横を過ぎたあたりにこんな場所がありました!海岸沿いなので観覧車のトップから東京湾の眺めは良いはずですね。

さて、時間通りに新木更津漁業協同組合牛込支所さんに到着しました。今回現場を案内して頂ける支所長の千手さんにご挨拶し、さっそく『月夜牡蠣』養殖現場への船着場へ。
船着場に到着。すぐ側の海岸は夏は海水浴場になるそうです

余談ですがこの画像右側に映る電柱は、かつてこの海域がアサリ漁全盛期の時、密漁者を監視する為に沖合いに設置された有人監視棟に電気を送る為に作られた物だったそうです。マニアの間ではフォトスポット『牛込海岸海中電柱』として人気があります。


そして、船着場横で作業をしているスタッフさんがいましたので、早速今何をしているのかお話しを聞いてみます
これは牡蠣に付着した異物を電動ローターで削り取ってるとの事でした
どんな付着物が付くかと言うと牡蠣が多いとの事です。牡蠣に牡蠣がつくなんて驚きですね。
では船に乗船します
↑こちらの胴長靴を装着させて頂きました!
出発前に船着場から月夜牡蠣の入ったバスケットを取り込んでます
バスケットを取り込みました。では行ってみましょう!
船は沖に進み養殖現場が見えて来ました!
到着です!
天気はよく、凪なので穏やかな海です
海中に浸かるバスケットが見えました!

このバスケットを使った養殖はゆりかご方式とテレビでは紹介されてました。この様子をFacebookで海外の牡蠣好きなコミュニティへ情報発信したところ、オーストラリアでは『BST Adjustable Longline System(BST調節可能長縄方式)』と呼ばれており、この方法が日本で使われている事にオーストラリア現地で牡蠣養殖を営む人が驚いてました↓

↑私が発信した海外への投稿。すぐにイイネがバンバンつきました!

↑オーストラリアのBST養殖方の詳細はこちら(何故かタイトル未設定となってますが英語のサイトです)。この養殖方法を開発した3名の頭文字を取ってBST(BakerさんSchutzさんTurnerさん)方式となったと書かれてます。

さて、このバスケットにはそのようなオーストラリアでの養殖方法のルーツがあります。

日本では『シングルシード方式』と呼ばれ、牡蠣1つ1つがバラバラの状態で育てることができ、身肉の入りが良くなると言われています。

↑バスケット内の月夜牡蠣を見せて頂きました
このエリアは『盤州干潟(ばんずひがた)』と言う海域で、ここでの養殖は、潮が引く時にはバスケットが海面上に露出し、満ちると海面下に入ることを繰り返します。

潮の満ち引きによって空中に露出すると、カキ達は乾燥してしまう危険性にさらされますが、そうならないよう殻をギュッと固く締めるため筋肉(貝柱)を発達させ、摂取した栄養を生殖ではなく成長のためのエネルギーに振り分けます。そのために牡蠣全体として身肉が良くなると言われています。

胸まで浸かり作業を進める千手さん

しかしながらこの養殖方法は非常に手間がかかります。定期的に養殖現場へ向かい牡蠣の成長に合わせバスケットを変え、付着物を取り除き、何よりも上記画像のように人が海に入って作業出来る干潮のタイミングでないとダメです。水が引き過ぎても水深が浅すぎて船が現場へ行けません。更に海が時化たら何も出来ません。

↑沖合いの海上には海苔養殖の現場も見えました

このように、バスケットを使いこの海域で美味しい牡蠣を育てると言うことは養殖業者さん達のたゆまない努力に裏打ちされていると言う事実を、正にいま目の前の現場で実感しました。

では港へ戻ります。奥に沖合いまで伸びる牛込海岸海中電柱がよく見えます。
そしてすぐに牛込漁業協同組合事務所へ移動。いよいよ先ほどの現場で丹精込めて育てられた『月夜牡蠣』を試食します!
漁協事務所へ到着
来ました!東京湾江戸前の領域で育てられた、木更津のブランド『月夜牡蠣』です!

当たり前ですが、漁協事務所内での試食ですので、ポン酢など調味料はありません。私的にはむしろそんな物は必要ありません!先ほどじっくり視察させて頂いた現場で育った牡蠣の味を確かめるには、その物を素で口に運ぶのがベストだからです(*^_^*)

いや旨い!やはり貝柱の厚い歯応えがあり、噛み締める毎に、牡蠣の身肉から牡蠣その物の旨さと、木更津の海が脳裏をよぎりました!これが潮の満ち引きで育てられた東京湾木更津の牡蠣!私的に非常にビールが欲しくなる旨さ!(T_T)。しかしここにはビールがありません(>_<) そんな訳で次に後日訪問した、木更津駅周辺でこの月夜牡蠣を食べる事ができる場所および飲食店をご紹介します😄↓


1.木更津『すし処 つどい』

木更津ブランド『月夜牡蠣』&富津ブランド『江戸前オイスター』食べ比べセット

なんと!こちらでは千葉県内房江戸前の領域で育てられた上記2大ブランド牡蠣が1度に食べられます!余談ですが、大将は釣りキチでイケメン、女将さんも長身で美人です!😄
※事前に月夜牡蠣の入荷があるか要確認です。


2.木更津『さかなとおでん うおべぇ』

メニューに『木更津ブランド 月夜牡蠣』と表記されてます

牡蠣もそうなんですが、とにかく地元木更津の食材にこだわっているのがメニューから分かります。ここへ来れば間違いなく千葉県木更津の味覚が色々と堪能できます😊
※事前に月夜牡蠣の入荷があるか要確認です。

3.木更津市公設地方卸売場内『うお屋』

↑うお屋さん公式Instagramより

こちらは木更津公設市場内にありますが、隣の海鮮食堂と同様、漁業関係者でなくても誰でも入る事ができます。

そして江戸前オイスターも置いてます
私が訪問した日は残念ながら月夜牡蠣の入荷はありませんでしたが、江戸前オイスターはあったのでその場で開けてもらい即食いしました

隣のカフェダイニングみたいなおしゃれな海鮮食堂『Kutta(くった)』にも江戸前オイスターはありましたので食べました😊

※事前に月夜牡蠣の入荷があるか要確認です。

さて、今回レポートさせて頂いた『月夜牡蠣』ですが、その後Nスタでテレビ放送されました↓

この放送後、月夜牡蠣を取り扱う木更津の飲食店から注文が殺到し現在出荷が困難になってきているそうです😅

もともと富津の江戸前オイスターと比べまだ生産量が少ない月夜牡蠣ですが、テレビ放送、新聞メディア、そしてSNSの情報拡散で一気に需要が増えた感があります。

私が実際に訪れた月夜牡蠣取扱店も、もし皆様が行く場合は絶対に前日電話で『月夜牡蠣ありますか?!』と確認したほうが無難です。

さて、今回月夜牡蠣の取材で初めて木更津に訪問しましたが、港の景観、富士山、オスプレイ、観覧車、牛込海岸海中電柱、地元食材にこだわる飲食店など、見て驚く物が多く観光的な視点からも非常に楽しく勉強になりました😊

月夜牡蠣はまだ生産量が少ないにも関わらず、各メディアでの影響で早くも需要が増え入手困難になっている感はありますが、先ずは首都圏の寿司屋、居酒屋、オイスターバーなどで千葉県江戸前の海で育てられたブランド牡蠣として知名度が上っていく事を願ってやみません。

新木更津漁業協同組合の皆様ありがとうございました!

今回の動画はこちら↓

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