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だし巻き玉子とビストロと私

皆様、いかがお過ごしでしょうか、バクです。
ところでだし巻き玉子どうですか、好きですか?
私は知らなかったのですがどうも私は

だし巻き玉子大好き

らしいです。指摘されるまで知りませんでした。

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画像は一般的なだし巻き玉子の美しい姿です。
達人が作るとトロトロふわふわプルプルです。
うちは基本卵焼きも関西風のしょっぱいものだったので、
東京で何も考えず卵焼きを食べて甘くてビビりましたが、
「だし巻き玉子ください」
と言えば東京でも安心して甘くないものが頂けます。

さて私は木屋町という少しだけガラが悪いかもしれない土地でお酒を嗜むことが多かったです。(マジで少しだけしか悪くないですよ)
昔は割と重低音のウーハー付けてるヤンキー車が河原町とか夜はゴロゴロしてましたが、一回ヤクザが一般人を刺殺した事件が起こってからは警察が頑張って治安が維持されてる気がします。

ね?少しだけガラが悪いということがお分り頂けましたよね?

で、私は基本的に焼酎飲みながらダラダラ〜っと木屋町の行きつけのビストロで晩飯を食ってることが月に1.2回あったのですが、ある日店長と楽しい会話を楽しんでいたところ突然電話が入りました。どうも出資者の社長から今から行くとの連絡だったようです。

店長が「先生、ちょっと社長来るから騒がしいかも」と私に言ってくれました。
まぁ社長は出資者です。よくここの食材チョロまかしてタダ飯食ってる私からしたら、感謝の対象でしかありません。

ほどなくして「あ!もしかしてアウトレイジに出ておられましたか!?」みたいな風貌の社長が既にかなり酔った状態で乱入して来ました。
どうみてもカタギではありませんが、「人は外見で判断してはいけない」と私の大好きな漫画家の中川ホメオパシー先生も漫画で伝えてくれています。


*なかよし番外地めちゃくちゃ好きなので強引にリンク貼りました(アフィじゃないです)

社長はどう見てもかなり酔っているのに、更にその後カクテルを10杯くらい飲みつつ、店長にも「俺の酒が飲めないのか」攻撃をかまし、店長もかなり酔い出しワーワー言い出しました。

騒がしい発信源が店長になるとは聞いてなかったぞ。

とりあえず社長は普段来ても1時間くらいで帰るらしいのですが(事前情報)、その時点で2時間は居座っていました。夜中の2時です。もう帰りたいけど2時間我慢していた私は酔ってる店長に「ごめん、だし巻き玉子だけ食ったら帰るわ」と紳士的に伝えました。

店長「先生分かったよ、ちょっと待ってもらえる?」
「は?はい?はい」
店長社長!!実はうちの店の中田(仮名)が●●(違法行為なので書けません)をやってましてーーーーー!!!!
何この人このタイミングでタレコミ始めたんだよ?????

ブチギレる社長。当たり前です、社長は一回違法行為の摘発にあい、今はちょっと個人の名前でお店をやれない囚われの身なのでなるべく違法なことは避けたい正義の心の持ち主なのだから。

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社長「おう、お前ちょっと席外してくれるか?」と社長は丁寧に私に伝えて来ました。しかし私のオーダーのだし巻き玉子が気になります。
「あの、さっきだし巻き玉子注文したんですけど、食ったらダメなんですかね?」
社長だし巻きぃいいい?
多分私も黒霧島が回ってたと思います。

社長「おう、ええぞ、だし巻きさっさと作ったれ店長」
社長は優しい人でした。神かな?
店長「中田(仮名)はこうこうこういう手口でー!」
店長!!!なんでお前は今卵を割ったのにその話を再燃させたんだ!?

社長「はぁああああああ!?中田(仮名)ぁあああ!!!何してくれとんや!」
社長もそれは怒るよ…という非道な話が一般人の私の目の前で暴露されていきますが、だし巻き玉子が気になって帰れません。
というか店長の席が一番出口に近く、私は店長の裏を通らないと店から出られない配置。今思えばこの時点で帰るべきでした。

社長は素早く中田(仮名)に直電です
社長「おう!お前今すぐ店に来い!五分じゃ!!ボケ!!!」
流石に2時に突然呼び出して五分でこれないでしょ…その間に私はだし巻きを食べたらさっさと店を出ればいいです

中田(仮名)「お待たせしましたぁああ!!!」
マジで5分くらいで中田(仮名)が来店。めちゃくちゃゼエゼエ言うとるやんけ…

中田(仮名)イメージ↓

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中田(仮名)にいきなり社長の張り手が炸裂。
結構酔ってるのに的確に頬を張り倒したから凄いぞ?社長。

社長「お前何してくれとんやぁああああ!!!」
中田(仮名)「社長!すみません!!」
      張り手の反動で二人とも椅子から落ちる惨事!!!
店長「辞めてください!」と店長も止めに入っていいの食らってるけど

辞めてってお前が暴露したからこんなことになってるんじゃないのか店長

数発殴ってから血圧上がりすぎてこのまま死ぬんじゃないかって顔色となった社長が私にも怒鳴ります。
社長お前いつになったら帰んねん!!!!!
わかる、私も同じこと言う。しかしもう引けないんですよ!
「だし巻き玉子注文してるんですけど出てこないんですよ!!」
社長早よ作ったれやぁああああああ!!!!!
え?まだ作ってもらうのは許されるんだこの段階で

店長は何故か一気に作りゃ良いのに、卵を混ぜます、喧嘩の間に入ります、卵焼き器を火にかけます、喧嘩を止めます、卵焼き器に十分に油を引きます、口を挟みます、を繰り返し全然話が進みません


早くだし巻き玉子を焼けやこの野郎!!!!!!!!

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なんやかんやしててもう四時でしょうか。
遂に社長がキレました。
社長お前良い加減に出て行けや…頭おかしいんか…
中田(仮名)「…(多分こいつマジで何?って思ってたと思う)」

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「わかりました!!!持ち帰ります!!!!店長取り敢えず焼いてくれ!」


頭おかしいの私だよコレ。

結局店長はその後手がブルブルに震えながら何と焦げひとつないだし巻き玉子を完成させました!流石!プロ!!取り敢えずもう綺麗に巻き簀で形を整えなくて良いから早くこっちに物を渡してくれ!


…その後、私は卵を片手に店を後にした。
後ろを通る時、社長と中田(仮名)が椅子を引いてくれ、お互いにちょっとだけ頭を下げ、黙礼をし合った。中田(仮名)の両頬は赤く腫れ上がっていたが、私にできることは何もない。ただ私は早く帰宅して3時間か4時間待っただし巻き玉子を食って早く寝たい、それだけしか考えることができなくなっていたのだ…

帰宅して疲れ果てた私はおもむろにだし巻き玉子をタッパーから取り出す。
近所とはいえ急速に冷めつつあるだし巻き玉子を早く食べないと、出来立ての美味さがどんどん失われてしまう(祖熱取ってたと思えば良い気もするが)…

店長!!!コレ出汁入れ忘れてんよ!!!!!!!

終わり

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