私は"推し"について語れない。

私は男性同士の恋愛を好んでいる、所謂"腐女子"だ。
腐女子を含め「オタク」と呼ばれる人間は、「好きな物事について考察したりよく語ってる」というイメージを持っている人は多いと思う。
Twitterやってるとさ、ひしひしと感じる。いやーみんなよく観察して考えては語ってるなー!って。「圧倒的共感」「ほんまそれ」だったり、「なるほどな」と考えさせられたり。
そんな人達を見てると、本当にその作品が好きなんだなと思わずにはいられないよね。
私もこんな風に言葉で感想を述べたいし語りてー!!って。

だけど、私は推しについて語れない。

少し前にTwitterで「オタクなら推しについて長文を書け」みたいなタイトルの記事を見た。
タイトルを見ただけで読まなかった。読んだら私の精神が死ぬと直感したから。

例えば、スラムダンクに出てくる仙道 彰。
私は彼が大好きでたまらない。愛おしくて仕方がない「推し」の一人なんだけど、「彼のどこが好きなの?」と聞かれるとあんまり言葉が出てこない。好きなはずなのに。
「なんか、ほら、頑張ってるじゃん…?顔もカッコいいしバスケ超上手いし、声は芳忠さんだし…」とかぐらいしか言えない。

お前それで本当に「好き」だと言えるのか?って思うよね。私も私自身に対してそう思っているよ。
私は本当に仙道彰が好きなのか?
オタクなら、腐女子なら、彼のことについて語れるのでは?
好きなところとかあるはずじゃん。きっかけがなきゃ好きにはならないからさ。

桜木花道に対してもそう。語れない。
彼は物凄く尊い存在で、彼の幸せを願わずにはいられないんだけど、なんか…こう…語れと言われると言葉が出てこない…。
山王戦での桜木花道の「こんな風に誰かに必要とされ 期待されるのは初めてだったから」っていう部分。
あのシーンが忘れられず読む度に胸が締めつけられるような気持ちになる。だけどその理由を私は言語化出来ずにいる。

本はそれなりに読んできたはずだし、二次創作の小説だってたくさんたくさん読んできた。
だけど「ただ書かれた文章を読む」のと「自分の頭で考えて書く」のとじゃあかなり違うんだよなって、今更ながら痛感している。
語彙力とはそういうことなのか。

私のオタクで腐女子である友人も、彼女なりに好きな作品について考え語る。
それが出来ることが羨ましくて仕方がない。

"好き"って一体何なんだろう。
彼らの人生に思いを馳せ、行動の意味を考え、それを言語化することが出来ないのがつらい。
それが出来ない私はまるで欠陥品の腐女子のように感じてならない。
自分の気持ちを伝える「言葉」を持っていない。それが今、こんなにも苦しくて恥ずかしくてつらい。

推しについて長文で語れって言うけど、「好き」「やばい」「尊い」「たまらない」以外の言葉が出てこない。
そんな私は彼を好きだと言う資格がないんじゃないかとふいに思う時がある。
ごめんな仙道。ごめんな桜木花道。私はあなたを語れない。

私は、推しについて語れない。

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マリグ

オタクな話

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