見出し画像

ピルグリム・ファーザーズとしての箕輪編集室。あるいは陸イグアナと海イグアナの話

たまには箕輪編集室のことを書く。僕はよく箕輪編集室メンバーに対して「箕輪編集室はピルグリム・ファーザーズだから」というようなことを言う。

ピルグリム・ファーザーズとは、弾圧を恐れてメイフラワー号に乗り、アメリカに渡ったイギリスのピューリタン(清教徒)たちである。まあ、いわゆるアメリカをつくった最初の移民たちですね。(厳密には違うけど)

大学の授業で、アメリカ政治文化学の授業で担当教授の言っていた言葉が忘れられずにいる。

アメリカは「子どもの国」だから。社会において「子ども」性が異様に重要視される。子どもが神聖視される。それはつまり常に発展途上だということ。常に失敗をする、そこから立ち上がる国であり、そういう文化であるということ。だからあの国は失敗には寛大なんだよ。そこから立ち上がるということがすごく重要視されているし、そこに価値を見出している。歴代アメリカ大統領の演説はみんなそう。「私達は未熟である。だが・・」という文脈だ。それはアメリカの建国の精神がそうだったから。建国者であるピルグリム・ファーザーズが脱落者・失敗者の集団だったからに他ならない。

アメリカを建国したピルグリム・ファーザーズたちはイギリスで弾圧された人々。つまりは脱落者・失敗者の集団だ。イギリスで多数派になれず、仕方なく、新天地(アメリカ大陸)を目指した人々である。結果として、彼らは世界最強の国家を作り上げた。

似たようなエピソードで、思い浮かべるエピソードがある。僕がインタビュー・ライティングをし始めて間もない頃、上司のつてで、某大手外資系損害保険会社会長のインタビューをする機会があった。すでにプロ経営者として複数の会社のCEOを歴任しただけあってクセが強い。僕は彼に当時の悩みを打ち明けることにした

柳田:あの・・周囲と考えが違くて上手くコミュニケーションがとれません。どうすれば彼らと上手くコミュニケーションをとることができるように・・・
某会長:無駄!(食い気味に)合わないやつはいつまで立っても合わないよ。そんな奴らとコミュニケーションとるなんて言う非建設的な努力をしている暇があったら、話の会うやつを”seek”する努力をしたまえ!そっちのほうが遥かに建設的だ!
柳田:・・・・ほう(目からうろこ)
某会長:柳田くん!君はガラパゴス島の陸イグアナと海イグアナの話を知っているかい?
柳田:はい(「・・ワクワク動物ランドを毎週欠かさず見といてよかったぜ・・)
某会長:イグアナは陸でしか生きられない生物だったんだ。でも陸で食い物がなくなったから海に進出した。そして、海に進出したイグアナは手足にヒレがついて海に適応した。そこでだ!柳田くん。最初に海に飛び出していったイグアナってどういう奴らだったと思う??
柳田:陸で負けた連中ですね!
某会長:そうなんだよ!陸での生存競争に負けたイグアナがしかたなしに海に進出して種のさらなる進化に貢献したんだ!この話面白くないか!

某会長は少年のように目をキラキラ點せながら僕に熱弁を奮った。だからこそこのエピソードは強烈に覚えている。

ピルグリム・ファーザーズも海イグアナも、既存の集団の中で負けた集団だ。しかし、結果的に、一方は世界最強の国をつくり、一方は種のさらなる進化をもたらした。これはなかなか示唆に富むエピソードであると思う。

箕輪編集室はオンラインサロン。オンラインサロンはここ数年で多少認知されたとはいえ、まだまだ世間で一般的な存在になったとは言い難い。

箕輪編集室のメンバーと話していると、いわゆるリアルでうまく言っていないメンバーも多い。なぜうまくいっていないのか。それはまあ色々あると思う。

で、僕が「箕輪編集室はピルグリム・ファーザーズだからな」というときは決まって、誰かからメンバーに対する愚痴や不満を聞いているときだ。

そりゃオンラインサロンに入る連中なんて世間でマイノリティなんだからクセがあって当然じゃないw。欠点が多くて当然じゃないw。そのくらいは大目に見ようよ。ということを言いたいのだw。

きっとピルグリム・ファーザーズもそうだったと思うんだよな。でも彼らは世界で最強の国をつくったんだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?