謎の捉え方が違ってた

小説を書くにあたって、自分の致命的な弱点を発見しました。その事と、気付いた経緯を自分用に纏めます。

「謎」というのは物語に絶体に入っていなければならない、ストーリーの中核を担うものだ。

という風なことを、以前兄から言われました。
純文学は抜きにして、物語は大なり小なり謎がその根底にあり、ストーリーは謎を解決しようとする力によって進行していくのだと。

確かに、この世にある物語にはほとんど謎があります。それは探偵小説に限りません。「ダース・ベイダーは誰だ?」とか、「壁の外から来る巨人の正体は?」とかも謎。勿論「犯人は誰?」が一番分かりやすい謎です。

でも、僕はその事を特に納得はしませんでした。
その通りだとも、間違ってるとも思わず、意見をスルーしていました。

何故か。

僕は小説の中の、謎というものの捉え方が、少し違っていたのです。

僕が小説というものに興味を持ったのは、紛れもなく兄の影響でした。兄が勧めてくる本を、とりあえず片っ端から読んでいたのです。
最初は多分、乾くるみ先生の「イニシエーション・ラブ」という小説だったと思います。兄に「これは凄いぞ!」と、激烈に勧められたので読むことにしました。中学生の時ですから、小難しい内容はほとんど頭に入ってなかったと思います。
その後も、読んでいる行為が楽しくて、学校の休み時間もずっと兄の勧める本を読んでいました。

そんな折、兄が自作の小説を書き、僕に読ませてくれたのです。
面白かった。作品の良し悪しなんか分かるはずもない中学生でしたが、初めて触れた生きた創作物に感じました(その当時の兄の小説が残ってたので、URLを貼っておきます https://ncode.syosetu.com/n7621bs/)。

その小説はとある新人賞に応募して、残念ながら落選してしまいましたが、中学生の僕に与えた影響は大きいものでした。僕も小説を書こう、と思った最初の動機だったのです。

最初に書いた小説――もどき、と言った方が正しいくらいの出来だった――は、ある重要なものを必死に探している主人公が、その無くし物の場所や何故無くなったかを必死に推理するという話で、結局その探し物とは最初から掛けていたメガネでしたというオチのショートショートです。
残念なことに(幸いなことに)僕のその作品は、パソコンのデータ整理と共に消え去ってしまったので、お見せすることは出来ませんが、まあそんなような話でした。

先日、僕は今書いている小説に躓いて、何かインスピレーションは無いかと、兄と電話しながら過去の自分の作品を思い浮かべていました。
すると自分の書くショートショートには、共通点があったのです。

そう、僕の過去の作品の投稿を読んでいただければ分かると思いますが、僕の小説は必ず「叙述トリック」が仕込まれているのです。
つまり、基本的な謎、「物理的トリック」は頭になかったのです。

これでは、いざ推理小説を書こうと思ったとき、完全に行き詰まります
はい、絶讚行き詰まり中です。ここを乗り越える方法を考えなければ。

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