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元気玉というコンテンツは何が素晴らしかったのか

ドラゴンボールの功績ってのは結構いろいろ取り沙汰されるところですが。
その発展形が現在のコンテンツにいろいろ受け継がれております。
特に、中でも元気玉ってやつはすげえなっていう話になりましてね。

アレです、危機に対して主人公が「みんな、オラにちょっとずつ元気を分けてくれ!」ってやつです。
それでみんなの善の心を集めて敵にぶつけます。

まあ、きっかけは、たまたま友人と、ドラゴンボールの元気玉について話す機会があったんです。
でも、その友人いわく「元気玉ってみんながもてはやすけど、何であれがあんなに受けているのかわからない」と言うんですわ。
なので、説明してわからせたんですが。

でも、よく考えたらこれ、みんな漠然とした理解しかしてないんじゃないかなーと思いまして。
とくに、創作関連の人間は、なぜ元気玉は良かったのか、このコンテンツの良さについて理解度をあげておくべきじゃないかなと。

なぜ素晴らしかったかといいますとですね。
元気玉は、コンテンツのあり方を変える素晴らしいアイディアだったんですな。

ドラゴンボールの数ある功績の中でも、これに関しては当時、非常に新しく、またそれまであまり存在しなかった漫画やアニメ作品などのあり方(たぶんまったくないわけでもなかったんじゃないかとは思うんですが)を有名な形にした、というのは非常に功績として大きいです。

現在も、有名作でいくつか同種の方法が取られています。

基本的に、作品、というのは作品に対して読者が読む、というコンテンツです。
作品に対して、読者が勝手に期待したりしなかったりしてアプローチするものでありました。

どんな強敵との戦いも、どんな友情も、師弟関係も、恋愛も、それは基本的に他人事で、それを応援したりしなかったり、共感したり、擬似的に主人公に感情移入したりするというのを読者がやるものだったんですな。

何を当たり前のことを、と思うかもしれませんが、それが普通の作品であり、その流れからは基本的に抜け出ることはないです。

そう、作品の中で、読者が当事者になることはないのです。

まあ作中で地球が消滅したりするドラゴンボールで当事者にされたらたまったものじゃないんですがw

そうした、いわゆる一般的な形での読者と作品の関係を変える、というのが元気玉の本当の役割です。

前置きしたように、通常、読者は作品に対して個人的に感情移入したりするのが基本です。神視点による第三者的な楽しみ方です。

元気玉はこれを参加型コンテンツに変えるんですな。

簡単にいうと、あなたが興味持ってる作品の主人公がクラウドファウンディングするので、みんなは感情を投資してくれっていうんです。

読者はもちろん「自分は善の心、要は主人公や作品への期待感を持ってる」と思うので、これによって自分も元気玉にパワーを与えられるんだってことになります。

で、自分が投資したクラウドファウンディングが成功したら、参加者全員が嬉しいし、それは作品の成功にも読者自身の成功にもなります。
(だから、特別な存在である発起人の悟空でなく、地球人代表であるミスターサタンが募る必要があったってことでもあるんじゃないかなと推論)

音楽のライブやヒーローショーなどにおけるコール&レスポンスなんかも、基本は観客の参加を募るモノです。
ただ、それを漫画っていう、リアルタイムで進行しない静的コンテンツでやったってのがデカイです。

有名作では、サマーウォーズや、少し変形ですがFGOなんかが同種のことをやってたりします。
やっぱこう、俺らの想いをひとつにー!みたいなのは盛り上がるんですよ、ええ。

そういう作品に、受け手であるユーザーが参加できるってすげえじゃないですか。

もちろん、それまでにある程度の仕掛けは必要なんで、どこでもできるってものでもないんですけども。
ただ、そういった参加型コンテンツとしての考え方が世間に知れ渡った、という意味ではやはり偉大な作品だなーと思います。

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