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【教室にもらえなかった中学生】企画者コメント

このノートは2020年10月16日に行われた「教室に入れてもらえなかった中学生」のレポート記事です。
今回は「企画者コメント」ということで、五十嵐が、イベント企画に至るまでの経緯や、イベントそのものについて振り返ろうと思います。

【「教室に入れてもらえなかった中学生」とは】

「髪が長い」ことが、校則に違反するため、「教室に入れてもらえなかった中学生」ビキくん。校長が変わったことで、教室に入れてもらえるようにはなりましたが、一定期間、別室登校を強制されていました。そんなビキくんの事例から校則について考えるオンラインイベント。
約40人ほどの学生、教員、保護者、YouTuberなどの方々にご参加いただきました。


【経緯】

今年の2月。神保町付近の楽器屋さん。

ビキくんも僕も、同じ記者さんに取材をしてもらったことがあったので、その記者さんに紹介してもらって、会わせてもらうことになりました。

ビキくんは「ビキジョー」というユニットで活動していて、今までに100本以上のライブを経験し、CDも出しているスーパー中学生です。

この日は記者さんと一緒にビキジョーのライブを見にきていました。
ライブ前に少し時間をもらって、「教室に入れてもらえない」現状を聞きました。

その直後のライブ。
学校の外で、精力的に活動しているビキくんを見て、なぜ学校がこの活動を応援できないのか。憤りを感じました。

子どもの頑張りたいことを、全力で応援できるような教育だったらいいのに。

そんな教育を実現していくために、今自分ができることはなんだろう。

「僕に今の教育を変える力は無いけれど、未来の教育を担う若者と一緒に、この問題を考える場所を作ることはできる。未来を変えよう。」

そんな想いで、教員志望者や学生に向けた、校則について考えるイベントをやろう、と思いました。

「教室に入れてもらえない中学生」

今回のイベントは、もともとオフラインで5月に開催する予定でした。

↑もともとのリーフレット

・「先着15名
・「埼玉大学
・「教員になりたいあなたへ

ビキくんが活動する埼玉や東京の学生が来ることを想定して、場所は埼玉大学。
「子どもの権利」についての関心が高く、埼玉大学を拠点にしているTeacher Aide埼玉支部にイベントの共催を依頼しました。
そこでコロナ。
オフラインのイベント開催は難しく、延期。
それで10月16日の開催でした。

「教室に入れてもらえなかった中学生」

延期での開催をビキジョーに依頼した時、「教室に入れてもらえるようになった」と嬉しい報告をいただきました。
校長先生が変わったから、だそうです。
(それでイベントのタイトルが変わりました。)
しかし、これはこれで問題です。
校長先生の価値観ひとつで、1人の子どもの人生がここまで大きく変わってしまう。
今の仕組みの問題を顕著に表していますね。
この時、オンライン化にあたり、「運営が足りない!!」ということになり、この「よんはち」との共催イベントになりました🎉

イベントを終えて

校則は、特定の人のアイデンティティを否定することがあります。
「髪は黒髪にすること」
「女子はスカートを履くこと」
「寒い時に着るコートは学校指定(高額)のものを着ること」
全て、このルールがあることで疎外感を感じ、「否定された」感覚を覚えるものです。
今回のビキくんの事例はまさにこれです。

このルールによって「否定」される人達は、ほとんどの場合マイノリティです。
日本で、地毛が黒髪じゃない人。
女性身体を持ちながら、スカートを履くことに違和感を覚える人。
寒くても学校指定の高額なコートを、親に「買って」と言えない人。
自分の音楽のために、髪を大事にしている人。

まわりに同じ状況の人は少なかったでしょう。
肩身が狭かったでしょう。
「嫌だ」「辛い」「変えて欲しい」
なんて、言うのにすごく勇気が必要だったでしょう。
なかなか言い出せないよね。
「自分が我慢すれば」
「こんなふうに生まれなければ」
そんなふうに考えてしまった人も知っています。
校則はそういう問題なんです。

自分にとってすっごく大事なものを否定されながら、その辛さを言い出しにくい。
これが問題なんです。

今まで、たくさんの人が我慢してきたはずです。
こんな我慢。未来に残さないようにしたいです。

セクシャルマイノリティの問題では、セクシャルマイノリティの当事者ではないけれど、当事者に対して理解を示す人のことを「アライ」と言うらしいです。

僕は校則問題の「アライ」になりたい。
一生、仲間を募集しています。

反省

イベント後に、参加してくれた方々に「ダメだしフォーム」をお送りさせていただきました。
いただいたダメだしは2つ。
原文は長いので要約すると
「メールが来るのが遅くて参加できなかった。」
「内容がもの足りなかった。」
とのことでした。
ごめんなさい。
僕の不手際で、最低でも2人の人に、不快な思い、我慢をさせてしまいました。
誰かを否定する空間を作るから、校則が問題だと言いながら、そんなことを考えるイベントでも参加者全員を包摂することはできませんでした。
たった40人でもです。

しかし、これらは改善ができます。
次は前日までの参加者で一度確定のメールを送ってから、当日参加者は別で検討します。
もの足りなかった人のために、もっとガッツリ掘り下げる企画を別でつくります。
これからも、「誰も否定されない」を目指します。

ガッツリ掘り下げる企画

ということで、「ガッツリ掘り下げる企画」やります。
今日の21時半からです。
興味のある方は、よんはちのTwitterのDMか、僕のTwitterにお願いします。
レコーディングして、後日YouTubeに上げるので、興味がある方はそちらでもどうぞ。
もの足りなかった人、ぜひお越しください。

長々と駄文失礼しました。
ここまで読んでくれた人。
ありがとうございます。

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