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【メタフィジカルの両義性】

久しぶりに地域デザイン学会に登壇します。
本来なら自分が関わっている「逗子アートフェスティバル」や江ノ島の野外フェスのプロデュースなどリアルな事例や考察を話す場ですが、今回はリアルとバーチャルがテーマなのでバーチャルな世界の話を中心に「メタフィジカルの両義性」という何やら難しいタイトル(一応学会なので)で話そうと思います。学会というと大学の先生方がお堅い研究発表するイメージですが、自分は学者でもないのでSF的マッドサイエンスな10年位先の話をします。

「メタフィジカルの両義性」
メタフィジカルは"非物質の、霊的な、現世から離れた"といった物理学の範疇を超えた形而上的、または神の領域や感覚を超越した世界を意味しています。私が超能力研究所で働いていた時、現代科学では説明できない事柄に何度も遭遇しました。いくつかの実験で超能力者の能力によって被験者に身体的変化が現れたのは確かですが、そこに一体どんな作用があったのかは当時の科学では証明できませんでした。また、被験者の未来を予測する透視能力なども同様になぜ未来が予測できるのか?は現代科学では説明できない領域でした。

一方、テクノロジーはメタフィジカルの対極にある物理領域です。0か1の計算によって生み出される定量的で正確な世界のはずです。ところが、計算=プログラミングで成り立つテクノロジーがメタフィジカルな世界になっている。。。
という仮説です。

例えば
・見えない線が張り巡らされ音や画像が瞬時に移動する=Wi-Fi
・地上にない世界へテレポーテーションできる=メタバース
・人間の数十倍の知能を持つ全能な神のような存在=AI
テクノロジーは私達が気が付かないうちに神の御業とも言える領域に至り、AIが膨大なデータを学習し未来予測を行うことはもうすぐに可能になっていくでしょう。

『十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない』
”Any sufficiently advanced technology is indistinguishable from magic”

アーサー・C・クラーク

20世紀を代表するSF作家であり『2001年宇宙の旅』の作者でもあるアーサー・C・クラークの言葉です。既に私たちはデジタルな魔法使いになっているんです。

今までのメタフィジカルは「物理学の範疇を超えた世界」でしたが、テクノロジーの急速な進化によってバーチャルの世界に身体を超えたバーチャルな身体性を得るという意味でのメタフィジカルが存在しているのではないか、さらにバーチャルの世界ではリアルな世界では魔法とされていた様々なことが実現し、霊的、神的世界はテクノロジーによってサーバの中で展開され始めているのではないか。。という仮説です。

両義的なメタフィジカルはSF映画の金字塔『スターウォーズ』の中にも描かれています。C3-POやR2-D2といったアンドロイドが普通に生活の中に溶け込んでいて、巨大な星自体がテクノロジーでできているデススターなど、高度なテクノロジーを持つ文明が最後に頼るのがフォース(理力)です。つまり、テクノロジーと超能力が共存するメタフィジカルな世界が描かれています。

『あらゆるメディアは人間の身体的な感覚を拡張したものだ』

マーシャル・マクルーハン

かつての新聞、ラジオ、テレビは完全にクラウド上にあり、リアルな店舗やお金、組織はDAOに、将来的には国(「Network State」(Balaji Srinivasan))までクラウド上に存在し始めるでしょう。

そんな10年くらい先におとずれる、身体拡張のメタフィジカルがどうなっているのか?
アートやフェス(コミュニティー)はどうなっているか?を妄想した話をしてみたいと思います。

一般社団法人地域デザイン学会
【第2回地域アート&フェスフォーラム】
11月18日(土)13:00~16:40(参加費無料)
テーマ「アート&フェスにおける、リアルとバーチャルの身体」

事前申込先
 以下のURLよりお申し込みください。
 □対面参加 https://kokc.jp/e/dd0a9984968f471eaec4bc4e7f00a5b5/
 □オンライン参加 https://kokc.jp/e/386e0d533c32007ae2d2a33a72da480c/
事前申込期限 2023年11月16日(木)17:00


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