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【空間コンピューティングからテレパシーへ】

SFみたいなタイトルですが、実はここ1週間の話です。

2024年2月2日AppleのVision Proがついに発売になりました。
なんと日本円で50万円以上!さらに購入のハードルが高い。アメリカ発行のクレジットカードが必要。店舗受け取り必須、さらに購入にあたり、フィットさせるためFace IDで顔のスキャンが必須、メガネの人はアメリカの医師が出した処方箋が必要、より正確な空間コンピューティングを実現するために厳密に工学設計されており、個人個人に対し最大のパフォーマンスを出せる環境の設定も含めてかなりハードルが高い。これを一般のユーザーが娯楽のために購入するとは思えない、、、日本には当分入ってこないですが、再来週にはいち早く実際にデモンストレーションをして、こちらでお知らせできると思います。

現状では一般のユーザーには全く手が届かない。その間に、アプリの制作ベンダーがVision Proを手に入れアプリを作り始めます。実際、今Vision Proを買ってもアプリの数も限られています。これから各ベンダーがアプリを制作して、XRの世界が拡大した後で一般向けの手頃なVisionが発売され市場が拡大広するのではないか、、、と想像しています。iPhoneもいってみればアプリがやりたい、ゲームがやりたい、から広がったと、、すればVision も良いアプリが市場拡大の起爆剤となります。

ところザッカーバーグのやらかしたメタバブルのおかげで投資家や企業の過度なVRに対する期待の反動でメタ離れが起きている様にも感じます。ザッカーバーグのMeta が持っていたのは開発途上としか言えないVRゴーグルMeta Questと誰も使わないバーチャル会議システムHorizon Workroomsです。Meta Questを使ってバーチャルオフィスでミーティングしたことがある人はわかると思いますが、アバターになって会議する意味がわからない。

結構つらっかった

これで世界が変わる?到底思えません。
Meta社の営業損失は約37億ドルで、約2万人のレイオフを実施、さらにウォルト・ディズニーは、自社のメタバース構想を進める部門を解体しています。日本の「メタバースビジネスの実態調査」によれば「事業化の成否が判明した取り組み」のうち、91.9%が事業化に失敗したというレポートもあります。

「メタバースビジネスの実態調査」を実施(出所:プレスリリース、以下同)

収束気味なメタバースですが、そろそろ次の一手が出始めます。

随分と延期になり、やっと発売されるApple社のVision Proですが、冒頭のハードルの高さもあってAppleは何やってるんだ?と思う方も多いでしょう。そんな背景もあってかVision Proに対する注目度はそれほど感じません。
本当にXRデバイスと空間コンピューティングの時代が来るのか?私は必然的にそうなるのではないかと考えています。
だからこそ今やっておくべきなんです。
次なるイノベーションは”空間コンピューティング”になるでしょう。これはどういうことか、、、

猿から人への進化とは何か?
約600万年前にヒト科の猿人が四足歩行から二足歩行へと進化したとされる過程があります。
二足歩行の進化は生態学的な適応として始まり、知的発展や文化の形成など、さまざまな進化的変化を引き起こしました。以後、文字を書くことを覚え、さらに手先の器用さは進化し、繊細な絵画の表現技術や様々な精密機械を生み出し、工業化の時代を迎えます、そして、近年パーソナルコンピューターが一般化しキーボードとマウスによって入力するオペレーションが一般化します。次にスマートフォンの出現で指一本の入力が一般化しました。

ペン→パソコン→スマートフォン→XRゴーグル

猿が人に進化した様に、デバイスと人間の間にあるオペレーションシステムの進化自体が次なる人類の進化(イノベーション)ではないかと思っています。
Vision Proでは視線の動きがカーソルとなり、指でクリックします。新しいオペレーションシステムが生活を変えていくということです。

これから数年でスマホはXRデバイス、PCは空間コンピューティングに移行していくのではないでしょうか。

10年しないうちに、電車の中でスマホを見ている人は、みなゴーグル(もっと軽くなってサングラス程度)をかけている人に変わり、その頃にはキーボードとマウスは無くなるでしょう。メタバースではAIの従業員、もしくは店員が業務を行い、動画のような通勤もなくなるかもしれません。

さらに、イーロン・マスクが脳へのデバイスのインプラント(埋め込み)を最初の被験者に実施したと発表しました。その名も”テレパシー”です。これは、人間の脳にチップを埋め込んで人の脳とコンピューターを接続する技術です。2023年5月にはアメリカ食品医薬品局(FDA)による人間を対象にした臨床試験計画の承認を得ました。そして、2023年9月には臨床試験の被検者を募集開始。2024年1月30日最初の人間の被検者がNeuralinkのインプラント手術を受け被検者は順調に回復しているとイーロン・マスクが発表しています。
文字通り手を使うことなくテレパシーのようにオペレーションする時代がほんの少し見えてきました。

想像以上に、テクノロジーの進化速度が速い中で新しいものを生み出すには、常に変化に気付き、未来を妄想しながら現在をバックキャストする必要があると思います。SFの様だと思っている世界も5年後の未来かもしれません。


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