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【リスキリング(研修)疲れしてませんか?】

リスキリングは国が主体となって取り組んでいて岸田首相は今後5年間でリスキリングに対する支援を1兆円投じるとしています。
政府の目的は「リスキリングで新しいスキルや知識を習得することで生産性を向上させ社会全体の賃上げをするため」です。えっ、賃金引き上げに貢献しろと、、つまり、もっと働けと、、みたいな捉え方をするとゲンナリしますが、一方で日本は52.6%が読書すらしない…世界一学ばない国という調査結果もあるように、講師をしていると、ほんとに学んでない社会人の多さを実感しています。いまさら「学び」、、と思うかもしれませんが、社会人の学びは大学受験や国家試験とは違い社会の変化や新しい価値観を知ることで変化の激しい社会での判断基準や生きる工夫につながります。会社にやらされていると思って学ぶか、自分の将来のために学ぶか?今の学びが自分の生き方を左右します。

出所=パーソル総合研究所「グローバル就業実態・成長意識調査(2022年)」

リスキリングブーム?のおかげでお仕事をたくさんいただいている自分が言うのもなんですが、、
ちょっと疑問に感じていて、例えば海外でMBA(経営学修士)を取ると確実にキャリア(給料も)が上がります。
自己投資額でいえば、アメリカMBAの相場は1300〜2000万円だそうです。
それでも1年間に10万人のMBA取得者を輩出し、上場企業の部長職の6割がMBA以上の学位を保有しているそうです。
つまり、キャリアに直結するというインセンティブがあるわけです。ところが日本ではどうでしょう?
「学ぶ」つまり知恵をつけても使う場所がない、使い方がわからないのに「学ぶ」価値って本当にあるでしょうか?

自律的に「学ぶ(知る)」→「行動する」→「スキルアップ」→「キャリアアップ」→新しい価値(報酬)を生み出す。この構造が希薄な日本にリスキリングの意味ってあるでしょうか?学んだことが自分のキャリアとなり、自社のあるいは個人の豊かさ(報酬に限らず)に繋げられるのだろうか?
そういった日本の環境では学びが経験に結びつけられないままメソッドだけ、つまり知識は豊富だが、経験に乏しいビジネスパーソン、または経営者が量産されると言うことになります。これは悲しい結末しか見えてきません。
MBAの取得者数は、本場アメリカでは10万人、日本では2,500人程度。環境が違いすぎるとはいえ、リスキリングしたところで、、、となってしまう可能性が今後さらに露呈してくるのではないかと思われます。

つまり、学んでどんなインセンティブがあるかを明確に示すことができなければ意欲も自律もあり得ないと思います。短期的な学習や覚え込んだだけの知識はほぼ使い物になりません。

雇っていただいた企業では言いずらいことですが(思いっきり言ってますが)、自律的に本気で学んで行動してこの会社ではない!と気づいたら、どんどんジョブホップして自分が本気でやりたい仕事に就けば良いと言っています。
 幸運にも、本気でやりたい仕事が自社の中にあれば、あなたが属する企業の生産性は向上し、結果として新規事業=新たな価値創造につながり、自己実現=幸福度にもつながります。

そのためには、まず組織が今までのようなカルチャーを革新(リノベーション)して、意思のある働きたい人を活かせる環境を作っておくことが前提条件になります。

学ばせる制度だけ作るのではなく、人才を活かせる環境を作り、学びの先をしっかり実現できることを前提としてください。それが理解できない企業とお仕事をしても退職者を増やすだけなので私を起用するのはやめた方がいいです。
と、クリエイティブ・マネジメントの伴走支援の提案をする時に経営陣にご説明しています。


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