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競輪選手になった訳、そして競輪選手になるためには

「どうして競輪選手になったのか?」とよく質問を受けます。自分でもなぜこの職業に就いたのか、はっきりとした動機がないので答えに困るのですが、、、ただ、僕は子供の頃からあまのじゃくで、流行りものやみんなと一緒というのが苦手なタイプでした。簡単に言えばひねくれ者です。
ごくごく普通のサラリーマン共働き家庭で育ったということもあってか、サラリーマンではなく人と違う仕事をしたいという思いが常にあったのだと思います。

それに中学、高校時代所属していた陸上部では、常に自分で練習メニューを考え1人で黙々と行動するというスタイルが定着し、どうしても与えられること、指示に従うことに抵抗を感じていたんです。試行錯誤をし、なんども新しいことにチャレンジしては、失敗をし、その繰り返しの中で、自分のスタイルを確立していくことに充実感を覚えていくようになっていきました。
結果、陸上競技では大成はしませんでしたが、それはセンスがなかっただけで、自分の中ではやり遂げた感でいっぱいでした。

いよいよ進路を考えなければならなくなってきた高校三年生。とくにやりたいこともなく、みんなと同じような職業に就くのは嫌だと言い張っていた僕。さぞ担任の先生は困ったと思います。結局、高校を卒業するまで進路が決まっていないのは僕だけでしたからね。
そして、このままではヤバいなと自覚し始めたころ、「競輪でも目指そうかな」と頭の中でフッっと浮かんできました。なぜ競輪だったのか、なぜフッっと浮かんできたのかこれは今でも謎です。あれからおよそ四半世紀この道で奮闘しているというわけです。

ここ数年でガールズケイリンが発足し女子選手にも注目が集まっている競輪界。男子女子問わず、「どうしたら競輪選手になれるんですか?」という質問を受けることがあります。基本的に静岡県の伊豆にある日本競輪学校を卒業することは必須ですが、なによりもまず各地区にある競輪場に、「競技会」という部署があるので連絡してみてください。この競技会というところは、競輪選手を目指すために所属しなければならない「愛好会」を運営している部署でもあります。
まずは競技会に連絡をし、「愛好会」に所属してください。そして、師匠をみつけてください!実は競輪界にも師匠と弟子の関係があるんです!そして師匠は現役の選手。師匠とは、どの世界でも一緒だと思いますが競輪界でも、親と同等の存在です。弟子の責任は師匠の責任!というくらい師匠としては荷の重い役目でもあるのです。師匠は必須なので愛好会で探してくれます。

その昔、僕も何度も師匠に断られ、ようやく師匠になってもらった選手に育てて頂きこうして選手になり、自転車の面白さ競輪の面白さ、そして自分の好きなことを職業としてお金を稼げることが出来るようになりました。

今では僕にも5人の弟子がいます。僕がかつて師匠に教わったように、競輪の面白さ、自分の好きなことを職業として出来る喜び、その結果1着をとればファンの皆さんにも喜ばれる反面、お金を掛けてもらっている責任と重圧を背負っていることを常に意識してレースに臨むように指導しています。
今はこの5人の弟子が華々しく活躍することが何よりも楽しみでなりません。

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