・前節終了間際にＰＫを与えるという形で引き分けという厳しい結果に終わったエスパルス。乾選手、北川選手という攻撃のキーマン（カルリーニョス選手は後半復帰）が不在の中で前半は攻守ともに安定したものの追加点は奪えず後半は相手の修正に合わせられず最後まで守備が持たずペナルティエリア内でのファウルという残念な結果となりました。

・長いシーズン、主力が最後までフル出場と言うのはまずありえない事ですし、戦い抜くにはチーム全体がそのチームの特徴を出せるようでは到底目標であるＪ１昇格は成し遂げられません。

・そういう意味では前々節より前線では千葉選手や郡司選手や西原選手が起用されたりとこの部分においては昨シーズンのメンバー固定よりかは未来を見据える事も含めた選手起用も考えられているのではないかと感じますが良い部分も観られながらもまだまだ試合を決定づけるプレーは見せてくれていません。

・今後北川選手や乾選手が帰ってきた場合もそのレギュラーの場所を奪うくらいの活躍を見せてくれなければ現時点で２位ではあり、その点も昨シーズンとは違い前向きになれますがシーズン通して結果を出すのは難しくなるのではないでしょうか。

・スタメンはカルリーニョス選手が先発復帰を果たし矢島選手がリーグ初先発となった以外はメンバーは変わらず。ポジションで言えばカルリーニョス選手がワントップ、白崎選手がボランチで中村選手がトップ下、両サイドハーフをルーカスブラガ選手、矢島選手が担う方でしょうか。

・そしてベンチには前節ベンチ外であった蓮川選手、秋田戦以降ベンチ外であった北川選手、乾選手がベンチに復帰となった。主力が戻ってきた事は嬉しいけれど千葉選手、郡司選手、ドウグラスタンキ選手が外れたのは少し残念、短いながらもチャンスをモノに出来なかったのは残念。

・後は原選手の復帰はまだなのかも気になる。公式では全治の情報は無く細かな事情は明かされていないので重症ではない事を祈りたいが何分２節愛媛戦以降出場がない・・・、今はそこに吉田選手が入っているが北爪選手以外サイドバックに名乗りを上げる選手がいないのは少し残念。

・エスパルスは去年同様、戦力的に言えばＪ１で戦えるチーム、昨シーズン昇格出来なかったのは全てにおいて勝ち切れなかったわけだが主力の底上げが出来なかった事もある。そこは秋葉監督のインタビューからも感じられるところなのでリーグは勝ち点を積み上げつつ、若手の活躍も観たいところ。

・対戦する甲府は昨シーズン１分１敗と負け越して相性が悪いチームでもあり監督がエスパルスのコーチも監督も経験のある篠田監督、昨シーズンアウェイーで負けた事によりエスパルスが監督交代に踏み切ったというある意味では因縁のような相手。

・試合は前半からエスパルスがボールを持つ流れではあるが前線で中々収まらない為、ボールを持たされているという印象、相手は守備ブロックを敷きプレスをキッチリかけてエスパルスが躱せば早く戻るためやはりチームとしてしっかりしている。

・エスパルスは決定機を作れないまま、中途半端なパスを引っ掛けられ相手のカウンターとなるが何とか防いでいる状態、やはり前線で収め、ポストが出来る北川選手、アイデア豊富な乾選手がいないのでどうも攻め手が出来ないと思う。

・後半はメンバー変わらずも選手の立ち位置を変えて前半よりもボールをゴール前に運ぶことが出来たがそれでも相手の粘り強い守備によって膠着とした試合展開となった。

・そして交代で入った北川選手、乾選手によって少しずつゴール前での決定機も作れるようになっていったがやはり甲府の守備は全員守備という感じで最後はやらせてくれない。

・これは引分でアウェーで勝ち点１を持ち帰れれば上等かなという試合終盤、山原選手のコーナーを相手が弾いたところを乾選手が優しく折り返したところを住吉選手がヘディングで押し込み先制！これが決勝点となり見事３試合ぶりの勝利！

・やはり北川選手と乾選手が入ると違ってくるというのが良く分かる試合だったなと。乾選手・・・ちょっとＪ２の中でも明らかな違いを出してくれる。テクニックは勿論、状況を考えながらのポジショニングや判断など昨シーズン同様乾選手が入る事によってチームの底上げが出来てしまう。

・もちろんこの試合は守備では住吉選手が相手の前線をキッチリ抑え最後には得点を決める等守備陣の奮闘も大きかったのだけれどやはりラストパスは乾選手だし「戦術乾」の脱却も図っていると思うけれど試合を決めるとなると乾選手の存在は大きすぎるという事も分かった試合で少し不安の残る試合でもあった。

第９節終了時点での順位

６勝　２敗　１分　１３得点　９失点　得失点差４　勝ち点１９　１位