個人的レトロなビデオゲーム良作3日目「オホーツクに消ゆ」

個人的レトロなビデオゲーム良作 Advent Calendar 2017 3日目。
初日、2日目に続き、またしてもアドベンチャーゲームである。

オホーツクに消ゆについては知ってる人も多いことであろう、ドラゴンクエストシリーズの生みの親である堀井雄二原作によるアドベンチャーゲームで、「ポートピア連続殺人事件」「オホーツクに消ゆ」「軽井沢誘拐案内」の3作品を総じて「堀井三部作」と呼ぶこともある、そのうちの一つである。

蛇足だが、ポートピア連続殺人事件はファミコンレトロゲーの中でもトップクラスで有名な作品であり、ファミコン初期からリリースされているので誰もが知っているところだろうが、軽井沢誘拐案内については、一度ガラケーのゲームアプリ(僕もこれでプレイした)で移植されただけで、コンシューマー機の移植はされていない。

物語は、東京で起こった殺人事件の手がかりが北海道にあることを知った主人公こと「ボス」が単身北海道へ乗り込み、相棒となる「猿渡シュンスケ」とともに事件の全貌を暴く というものである。結構本格的。

ゲームシステムは当時のファミコンAVGでありがちな「コマンド総当たり」でクリアできるようになっているが、途中でミニゲームである「ブラックジャック」で遊んでシュンスケからヒントを得なければならなかったり、一度ゲームを終了し、パスワード入力で再開しなければフラグが立たないといった、ちょっとした壁要素もあったりするので、そう簡単にはクリアさせてくれないところも素晴らしい。

ちなみにファミコン版しか知らない(最初はPC-98とMSX版、のちにウィンドウズ版、アプリ版がリリースされている)のだが色々と遊び心が多く、どう見てもファイナルファンタジーのプロデューサーである坂口さんがグラフィックだけ登場していたり、ポートピア連続殺人事件や当時のジャンプ作品のパロディネタを散りばめていたり、頑張れば温泉で登場キャラの女の子のタオルを取ることができたりと、変なところでニヤニヤしてしまう要素もあったりするのだが、このころになるとファミコン作品も容量に余裕ができてきてるなぁと。

あと、多くの地名が実際の北海道の地域なので、小学生だった僕はこれで北海道知識をつけたものだ。どうでもいいことだが、僕の東京知識は大体が探偵神宮寺三郎経由だから、歌舞伎町マジやばいところ。

難易度自体はそんなに高くなく、ちょっと頑張ればクリアできるが、パスワード制ということもあり、地味に長編だし、北海道やっぱり広いので活動エリアも多く、コマンド総当たりでクリアできるにしてもなかなか厳しいものがある。小学生だったんだからなおさらなんだけど、なんで小学生時点こんな人が生き死にする題材のゲームやってんだ。

ストーリーも本格ミステリというか、フラグ管理してさっくりクリアするというにはちょっともったいないくらいの(当時としては)重厚な作りになっており、手がかりを集め、時に関係のない事件に巻き込まれつつも、徐々に話が収束していく流れは一種のカタルシスがあると思う。

3日間連続でアドベンチャーゲームを紹介してきたけど、なんでこんなアドベンチャーゲームが好きなんだろうってなったとき、やっぱり理由としては「手がかりが集まり、確実に物語がまとまっていく流れを実感できるから」ってのがあるんだと思う。

このオホーツクに消ゆは、僕がアドベンチャーゲームにどハマりさせたきっかけの作品でもあるし、子供ながらになかなか理解が追いつかなかったところも多々あれど、今思い返してみれば、当時のファミコンゲーム事情において、よくここまでまとまったストーリーのゲームができたな! という感慨深さでより強く心に残ってしまったゲームでもある。

残念ながらこのゲームはバーチャルコンソールなどでは配信されていないため、プレイするなら実機か、Windows版を使うしかないのだけれども、僕の環境ではどちらも叶わずで残念。機会があればまた新版でも出してもらいたいものだと切に願う。

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