L'Arc〜en〜Cielアドベントカレンダー12日目「The Rain Leaves a Scar」

L'Arc〜en〜Ciel Advent Calendar 2017 12日目。序文すらしんどくなってきてるぞ!

アルバム「heavenly」収録
カシココ

L'Arc〜en〜Cielのアルバムは定番でいえば、最後はほぼ必ず壮大なバラードで終わるんだけど、heavenlyに限り、最後はハードナンバーで締めている。

それがまた強烈にかっこいいんだけど、これは当時スタッフとの関係性に苦しめられてきたL'Arc〜en〜Cielの抵抗だったのだろうか。今となってはわからないが、9曲目の「静かの海で」で閉まるかと思いきや、突如としたハードナンバーに面食らったファンも多いのではないかと思われる。

この頃はいわゆる「初期L'Arc〜en〜Ciel」と呼ばれている頃で、メロディアスな曲調にインディーズ時代のダークさを潜め、「明るい曲調のロック」を押し出していた頃のようにも思えるが、これまでここまでハードな曲をCDで出したこともなく、ただただ「ラルクってこんな曲もできるんだかっこええ…」という感じだった。

それだけにインパクトが強く印象に残る一曲なのであるが、珍しいハードナンバーにもかかわらずきっちり仕上げてくるあたり、強烈なバンドだなぁと。

いつもの(といっても、まだこの時点では3枚目のアルバムだけど)L'Arc〜en〜Cielであれば、壮大な雰囲気のバラードを最後にかけてくるところ、最後の最後でテンションをぶっちぎり上げてくるところや、なぜ今回はこんな感じに!? ってなっちゃうところも相まって、なんとなくボーナストラックを聞いているような気もしてくるんだけど、10曲目です。

さらに、何度となく書いたが、L'Arc〜en〜Cielは意外とハードナンバーってのは出していない。ハードナンバーというより、テンポが相当早めの曲という方が正解かとは思うが、メロディーラインを重要視しているところもあって、疾走感のあるナンバーでも、実はそこまでスピードのある曲というわけではなく、しっかりと聴かせにかかる曲調のものがほとんどで、DUNEからheavenlyにかけてのリリース音源でここまでハードな演奏をしているのは地味にこれが初めてじゃないだろうか。

が、ここがL'Arc〜en〜Cielらしいというか、ハードな演奏の中にあって、ボーカルはとてもしっとりとしており、その対比でメロディーラインはしっかりと抑えられている。ただ攻撃的なだけじゃないというところがラルク流といったところだろうか。

また、9曲目の事実上ラスト曲扱い(主にライブなんかでは)される「静かの海で」とのコントラストによるインパクトの大きさも重なって、余計にかっこよく聴こえてしまうから凄まじい。いつもはラストの曲でしっぽりしてたのにね。

そんな感じの、従来のラルクのあり方とはまた違う曲ではあるが、純粋にハードナンバーが好きという人も、メロディーライン重視という人も、どちらが聴いても評価されることの多いこの曲。さぁ旧作と言わず、今すぐheavenlyを手に取ろう!

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