個人的レトロなビデオゲーム良作11日目「風の伝説ザナドゥ」

個人的レトロなビデオゲーム良作 Advent Calendar 2017 11日目。

8日目はSEO_Tさんの「ぷよぷよは娑羅双樹の花だったのか
9日目はysztnk4さんの「ぼくと3DOとの思い出 ~3DOを簡単に紹介します~ -
10日目はkmhiyoさんの「サンサーラナーガ2について書きますです!

でした。ありがとうございます!

ではでは、今回はPCエンジン SUPER CD ROMROM DUO-R「風の伝説ザナドゥ」について行ってみよー!

風の伝説ザナドゥはまだファミコンが生まれるか生まれないかくらいのころに大流行した、高難易度2Dダンジョン探索ゲーム「ザナドゥ」シリーズの亜種(?)であり、キャラクターに個性を加え、声優さんを起用するなど、CD ROMの機能を存分に生かした大作アクションRPGとなっている。

パソコンユーザー向けのめちゃくちゃな難易度というわけではなく、コンシューマー向けにアレンジされており、どちらかといえばイースシリーズに近いかもしれない。やはりメーカーが日本ファルコムなだけあり、最強の武器はドラゴンスレイヤーだったり、所々で日本ファルコムのアクションRPG的な要素が加わっているため、「アニメ好き向けのザナドゥ」といった趣か。

ゲームシステム自体は旧作のイースなどのファルコム作品を一度でもプレイしたことがあればだいたいわかると思うけれども、フィールド上に点在する的にぶつかることで自動的に攻撃になるため、最初は弱い的にちょこちょこぶつかりながら敵を倒し、目的地に向かっていくという非常にシンプルなもの。

ちょっとだけ違うのは、レベル制ではなく、ダメージを多く食らうことでHPが上昇していく。HPが0になると体が半透明になり、移動しかできなくなって復活ができる教会に自力で戻らなければならないという面倒さはあるが、それ以外特にペナルティもないこと、その後復活すればHPが大幅にアップするなど、特に序盤はわざと強敵にぶつかってHPを0にし、先に周辺エリアのマップを把握してから教会に戻ってHPを増やすみたいなことをひたすら繰り返していた記憶がある(2では変更され、HPが0になると速攻で教会に戻される)

ザナドゥシリーズといえば超高難易度で「ゲームは難しければ難しいほど良い」とされていた時代から存在しているゲームなので、相当難しいのでは? と思いがちだが、風の伝説ザナドゥについては大幅に難易度が下げられており、ある程度アクションRPGのプレイ経験があれば難なくクリアできる難易度となっている。

が、ステータス関連なんかは結構ガバガバというか、いい加減というか、このゲーム、最大HPが「99万9999」まで上がる。
そこまで上がるとめちゃくちゃ強い! って気にもなるが、ラストダンジョンは敵の攻撃、一発食らうとHP30万くらい持っていかれる。だからHPが99万あっても、3〜4発食らったら死ぬ みたいな。

例えばドラゴンクエストだとHPは上限3桁、ファイナルファンタジーだと4桁だが、たとえ6桁あっても敵の攻撃力のバランスがそれに合わせてあるなら、なん桁だろうが関係ないんだなという無駄な悟りを得た思い出。
極端な話、敵の攻撃バランスが最大2桁なら、最高HPは99でいいわけだ。RPGの楽しさって、上がっていくステータスにカタルシスを覚えるところもあると思うんだけど、なんだかんだでバランスだよなー。

まぁそんな、ともすれば大味なゲームではあるが、ストーリーはしっかりと練りこまれており、イースシリーズの系譜とも言える重厚な物語に加え、従来のザナドゥとは違う軽快な世界観と、「これイースとして出しても良かったのでは…?」という疑問を噛み潰す必要はあれど、いい感じの遊べるゲームだった。

また、当時はまだCD ROMのゲームなんてそんな出回ってなかったし、ましてやRPG。しかも音声付きなんていうのはプレイステーション以前のゲームとしては非常に珍しい部類に入るのではないだろうか。
まぁその後、秋にセガサターン、プレイステーションと連続で次世代機が登場したのでそのお株はあっさり奪われてしまうことになるのだが、旧世代機としての最後のあがき的なゲームとしては佳作というに十分なものであったと思う。

ちなみに最後の最後の悪あがきで、1995年に次作「風の伝説ザナドゥ2」が出るのだが、時は既に次世代機の時代へと進んでいってしまったため、本当に知る人ぞ知るゲーム的な存在になってしまっていた(取り扱ってるお店もほぼ見かけなくなったし)

そんなこんなで、正直、リリースするタイミング、ハード共々間違ったような気もしており、これがプレステやサターンでリリースされてたのなら、また何か違ったのかなーって思いもするものだが、PC-Eを最後の最後で盛り上げてくれた名作として、僕はこのゲームをずっと語り継いでいきたい。

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