L'Arc〜en〜Cielアドベントカレンダー10日目「It's the end」

L'Arc〜en〜Ciel Advent Calendar 2017 10日目。10日間もよく頑張ってる。

アルバム「ray」収録
歌詞ここ

前日から引き続き、今回もアルバム「ray」から。

ものすごく「これがL'Arc〜en〜Ciel!」って思わせてくれるナンバーだと思う。

hydeの持つ音域の広さの中でも、そのちょうどかっこいいところだけを抽出したような音域となっている曲で、Aメロからサビまで流れるように歌い上げるかっこよさを味わって欲しい。

数ある楽曲の中でも、非常にシンプルですっきりしたナンバーではあるが、純粋に「かっこいいだけの曲」となると、この曲が浮かび上がってくるのも仕方のない話である。

L'Arc〜en〜Cielらしい楽曲というか、インディーズ時代のダーク系な曲調とメジャーデビュー後の明るい曲調のちょうど中間地点にあるような感じになっており、さらに3分程度の曲なのでイージーリスニングとしてもちょうどいいところに収まっている。

この頃にL'Arc〜en〜Cielでありがちだった「壮大な曲」「難解に難解を重ねた複雑な歌詞」という評判の中、ここまでシンプルな曲を平然と持ってくるあたりも挑戦的だなぁと思うのだけれども、これくらい色々削ぎ落とした方が、かえってかっこいいのでは? とも思わせてくれるくらいだ。

とはいえ、ギター音一つ一つもかなり重いし、跳ねるベース、打数の多いドラムなど、先行リリースされた「HEAVEN'S DRIVE」ほど攻撃的ではないが、「HONEY」ほど軽快でもない、この絶妙な着地点をぶれることなく完成させたところがすごい。

当時のL'Arc〜en〜Cielの曲としては華やかさの少ない曲ではあるが、rayというアルバムの方向性を考えるとこういう感じの曲の方が似合ってるんだと思う。L'Arc〜en〜Cielはアルバム1枚を通して一つの世界を作っているところがあるので、これが曲としての一つの正解なんだろう(アルバム曲で構築されていく世界なので、同時収録されるシングル曲がかえって浮いてしまうところは少なからずあるんだけど)。

同時発売されたアルバム「ark」とは対照的に、退廃的な曲が多く、ともすれば地味な印象もある楽曲の揃ったアルバムの中の一曲なので、さらに地味感はあるんだけど、人気的にはarkの方が上と聞いたことがあるが、流れとしてはray→arkとのことなので、そのあたりを意識して2枚のアルバムを聴いてみるのも面白いと思うし、その時にIt's the endという曲がどういう役割を持った曲なのかということを考えてみるのも一興かもしれない。

ただ、そういうことはお構いなく、「シンプルでL'Arc〜en〜Cielらしい」楽曲としてもがっつり聴き込める曲なので、ぜひ機会があればいろんな解釈を自分の脳内で繰り広げながら楽しんでみて欲しいと思う。

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