個人的レトロなビデオゲーム良作22日目「ラグランジュポイント」

個人的レトロなビデオゲーム良作 Advent Calendar 2017 22日目。

コナミがファミコンにFM音源を搭載させ、当時ファミコンキッズたちを熱くさせた雑誌「ファミリーコンピューターマガジン(通称・ファミマガ)」とコラボすることによって完成したSFな世界観のRPGだ。

当時はドラゴンクエストを筆頭に、ファンタジー世界を題材にしたRPGが圧倒的に多く、SFを題材にしたものはRPGよりもアクションゲーム、シューティングゲームの方が主流だった時代だ。

一応SFを題材にしたRPGはすでに登場してたのだけど、未来神話ジャーヴァスなのでこの話終了な。

で、このラグランジュポイントなのだが、すでに荒廃した地球から、宇宙に点在するサテライトベースや生活居住区を持つコロニーへ拠点を移している世界となっており、つかの間の繁栄の後起こったバイオハザードにより、バイオ軍団との戦争が始まっているという設定だ。

バイオハザードによって生まれた化け物を相手にするだけと思いきや、人間ドラマも結構濃く、人間軍を裏切ってバイオ軍に与する存在も現れ、いつしか人類同士の戦争へと発展していく…というアウトライン。

ゲーム自体は従来のファミコンRPGによくあるエンカウントバトル、4人編成のパーティで少しずつボスのところへ近づいていくというものだが、世界観がSFなため、武器も当然重火器やレーザーサーベルのようなものになっており、仲間の種族もエルフやドワーフ、ホビットではなく、人間、サイボーグ、ロボットとなっている。

サイボーグとロボットは同じではないか? というツッコミもあるかもしれないが、サイボーグは人造人間、ロボットはメカなので、かなり明確に戦い方やビジュアルなんかも違う。
ちなみにロボはレベルアップやステータス上昇がなく、装備品も限られているが、ステータス異常が効かない、装備次第で化けるという特性がある。

特徴的だったのは、武器は初期は購入によるものだが、サテライトベースという拠点に移動できるようになると、以降は武器は購入に加えて「改造」を行うことができるようになる。

今時の「〜の剣+3」とかのようなものではなく、武器と武器を組み合わせて新しい武器を作るという仕組みになっており、武器の持つ属性などの兼ね合いや、最強装備は改造でしか手に入らないなど、奥が深いというわけではないが、シンプル故にわかりやすく、必ずお世話になることだろう。

ストーリーはかなり重めになっており、トラウマシーンも結構多い。バイオ兵器との戦いがメインではあれど、要所要所に人間ドラマが挟まれており、様々な葛藤の上で進まなければならないという、ちょっと子供向けの話ではないような気がするが、当時のゲームはえっちぃの以外レーティングがなかったのだよ。

全体的にサイバーな雰囲気があり、当時のRPGとしては本格的かつ異端なところもあるが、RPGとしてのバランスは非常によく、かといって簡単すぎるわけでもないくらい。難を挙げるなら、乗り物に乗っていない時は徒歩移動(あんまり多くないけど)になるのだが、キャラが小さい割にフィールドマップが広大なため、結構迷子になりやすいくらいか。ゲーム進行のほとんどがダンジョンなのであまり気にはならないが、そこだけちょっと難易度が高い。

ちなみに、この「ラグランジュポイント」、言葉だけではあるが、名作「ポリスノーツ」でもちょろっと使われていたり、このゲーム以降のコナミRPGの基礎を担っていたりと、コナミにとっても重要な作品だったんじゃないかなーとは思っていたりする。

また、音源もFM音源(要するに、当時の低スペック機では実現の難しい音をできるだけ再現するやつ。任天堂はファミコン内にその機能を搭載してないので、ゲームカセット内に搭載されていた)を採用していることから、ファミコンにありがちなピコピコ音の響くBGMではなく、ファミコンながらも聴かせるちゃんとしたBGMとなっており、またサイバーな雰囲気に合わせた音楽なので結構かっこいい。

ファミコン時代のRPGといえば、ドラクエシリーズはもちろん、3以降から急速に注目を集め始めたファイナルファンタジーシリーズが代名詞みたいなところがあるが、ラグランジュポイントもその名作の一つに加えてもなんら遜色はないと思っている。世界観がまるで違うので比較しようがないのだけれども、ファンタジーはドラクエやFF、SFはラグランジュポイントやメタルマックスなんかが代表になるのかな?

残念ながら、僕の中では名作だが、売り上げは芳しくなかったようで、当時のスタッフもいないことから、リメイクやバーチャルコンソール化も絶望的なようである。実機でプレイするしかないのだけれども、どうかなー。スマホアプリでもいいからリメイク作って欲しいのだけれどもなー。

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