個人的レトロなビデオゲーム良作13日目「ロマンシア」

個人的レトロなビデオゲーム良作 Advent Calendar 2017 13日目。
12日目はmck421さんの「初めてのPRGはドラクエ4だった。RPGとの出会い、ドラクエとの出会いからドラクエ遍歴を綴ります」でした。2回目のご参加ありがとうございます!

さて、今回も日本ファルコムのゲームになるのだけれども、ドラゴンスレイヤーシリーズの番外編的な作品であるロマンシアである(後に正式にドラゴンスレイヤー3となったらしい)。もともとはパソコン用のゲームだったのだが、何を思ったか、パソコン版レベルの高難易度のままファミコンに移植したという、なんとも無茶な横スクロール型のアクションRPG風だ。

風の伝説ザナドゥの記事にも書いたが、当時のパソコンゲームは「難しければ難しいほど良い」という作品が非常に多く、特に日本ファルコムは、どう考えても今時のユーザー絶対クリアできないだろみたいなゲームを数多くリリースしていた。

ロマンシアもその系譜を受け継いでおり、世界観としては女子受けしそうな、イケメン王子が王女を救い出すために戦う愛とロマンのうんぬんかんぬんファンタジーという趣だが、その難易度は極悪である。

まず、ゲーム進行のかなりの多くの部分がノーヒント、もしくはノーヒントに近い。主人公はとりあえず短剣じみた短いリーチの武器をぶん回して戦うことになるが、序盤はその出番はほぼなく、むしろ、敵を倒すと不都合なことになるケースも多く、何も知らずに敵を倒しまくってると早々に詰む。

序盤はお使いゲーの要素が非常に強く、教会で手にはいる薬を病気の人に配り周り(一度薬を渡すと、また教会に戻って薬をもらわなければならない)、井戸にも薬を入れて綺麗にし、ノーヒントで水中の杭を踏んだり踏まなかったりし、ほぼノーヒントで天上界に行き、ほぼノーヒントでアイテムの呪いを解き続けるという、言葉だけでみると、なんか拷問みたいなゲームだ。

また、このゲームはそこそこのボリュームがありながらセーブ機能もパスワードも存在しておらず、電源を入れれば、一度でクリアするしかない。そのくせこの難易度だから、一旦始めると数時間余裕で飛んでいってしまうあたりも極悪である。

とにかく、ヒントが乏しい。全くないわけではないが、あっても相当頭をこねくり回さないと分からなかったり、ちょっと行動ミスすると簡単に詰むので、これを最後までクリアなんて、よほどのヘビーゲーマーでもない限り無理なんじゃないだろうかと思う。

ちなみに僕は小学生のころ、攻略本片手になんとかしようと試みたが頓挫し、高校生になって、攻略本を部屋から見つけたのと、まだ実機があったしゲームも残っていたので、今度こそはという感じで、10年越しくらいの感じでようやくクリアの目を見ることができたくらいだ。

上記の通り、最初からひたすらノーヒント高難易度のゲーム進行だが、後半になるとバトル中心になっていくものの、難易度は限界突破の様相を見せ、ラストダンジョンともなると、攻略本なしではまずクリア不可能なほど難解なものとなってくる。

どんなダンジョンかというと、同じ画面でありながら、上下左右の道を選んでゴールまでたどり着く というだけのものなのだけれども、どこ進んでもほぼ同じ画面なので、自分がどこにいるか全く分からない。そしてそれを1枚マップにして見ると30画面以上あるので、攻略本片手に進んでも、ちょっと場所を見失えばもうゴールにたどり着くのは絶望的といった具合だ。

そんな無茶苦茶なゲームではあるのだが、パッケージは少女漫画風ファンタジーで見た目はいいし、可愛らしいキャラクターも揃っていることから、割とジャケット買いしてしまった人も多いようで、日本中で阿鼻叫喚の声が聞かれたことであろう。

ただ、クリアした時の達成感は半端無い。攻略本片手で、どれだけのネタバレがあっても、クリアできた時の達成感だけは強烈だし、高校生当時は暇でゲームばかりしていたとはいえ、よくこんなゲームクリアできたものだという記憶が鮮明に残っており、「クリアまでの道筋さえわかっているのであれば」結構面白い作品だったのでは無いかと思わせるほどだ。

まぁ、もう二度とやりたくねぇけど。

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