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69. 壱


異常、本当に異常な人氣を博している『鬼滅の刃』なるアニメ。
絵柄がいまひとつ響かなかったからスルーしていたのだけれど、映画公開前のタイミングで2週連続一挙に放送するというので録画したら、何故か、 初回放送から中盤までの前週分の録画をミスり、主人公のフルネームさえ知らず、前情報を何も持たない状態で中盤から見ることになったが、何となくでも分かればヨシぐらいのノリでうっかり見てしまったら思いもしない角度から電撃を食らうことになってしまった。

人間を鬼から守るために作られた鬼殺隊なる組織で奮闘する主人公を通じて
ストーリーが展開していくようだ。
隊員それぞれの性質によって使えるエレメントがあり、『型』なる技を
繰り出し鬼退治をする。

かりそめの家族を形成している蜘蛛の鬼が棲む那田蜘蛛山(なたぐもやま)へ
鬼退治の使命を果たすため主人公が一定の熱量を帯びて向かっている後を
ナンダカンダと言い訳しながら引き返そうとする全身黄色いキャラクターが登場。キャラバリの定番とスルーして見ていたが、かつて、ここまでのヘタレキャラはいただろうか?と思うほどの桁違いのヘタレで女好きキながら、澄んだハートの持ち主という好感を覚える一面も持ち合わせた何とも憎めないキャラクターの名は、我妻善逸(あがつまぜんいつ)。
蜘蛛山での毒蜘蛛との対戦時、「雷の呼吸 壱ノ型」しか出て来ないので不思議に思って見ていたら、捨て子だった彼は、じいちゃんと呼ぶ師匠から剣を学ぶも、六つの型がある内の一つ、『雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃(へきれきいっせん)』以外は努力を重ねてもマスターできなかったようだ。
自己肯定感が低く、劣等感を抱え、底なしの臆病者で鬼との戦いをひどく恐れている鬼殺隊員‥
ちょ‥っ‥‥
この子まるでわたしだ。キャラだだカブリじゃん‥
これまで自分なりに真面目に取り組んではみたけど、結果を出せなかったことがパラパラ漫画のごとくドゥラララララララぁーっと思い返され、目の前では善逸が師匠との修行の中でヘタレっぷりを披露し「泣いてもいい、逃げてもいい。ただ、諦めるな。」と諭されている。


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華々しいバリエーションを持ち得ないのは興味が持てないからで、
カードバリエーションもビジョンクエストほど響くものがない。
あれこれやってみた結果がこれなら、基本、響く『1』があれば良い。
かといって、その『1』を極めたいとも思わないのは、自分の内側で
「極めるもまた幻想の内」と、かすかに聞こえているからだ。
これが自分と諦めて楽になろう‥‥
善逸が撃たれた雷の如く、心のどこかにあったそれに師匠の言葉が刺さった初老は大号泣。泣き虫なところも善逸とダダカブリだ。(苦笑)
ダダかぶらないのは、善逸がただのヘタレではない点。
氣絶し、眠ったまま極め技の『雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃』を六連、八連、神速とグレードアップさせて繰り出すらしいが、眠ったまま戦っているその時こそが自我が入り込む余地もないほど真に覚醒している時だ。
雷の呼吸と言いつつ、抗うことなく氣流に乗って素早く動く彼の型には風を感じて心地良い。


物語が終わる頃には、イラッとくるヘタレキャラの善逸が、ネイティブアメリカンのシャーマン『ヘヨカ』と重なり、自分の中の印象もまるで違うものになっていた。
善逸のポテンシャルもさることながら、雀と仲良しな所が壱番好きだったりする。

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そして、『諦めるな』というメッセージは、つい先日も録画していたドラマを見ている際に内なる声として響いてきたので、よほど諦めちゃいけないらしいから諦めないと宣言しておいた。

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