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高校進学を親子で考える

発達障害児に特化した通信制高校があると知り、娘を連れて個別相談に行ったのは7月だった。久しぶりの外出で、初めて会う人に相対して話をするというシチュエーションに、本人はガチガチに緊張して顔面蒼白。話半ばで帰らざるを得なかった。
その学校を嫌だとは言わないが、かといって行きたい風でもない。「そこでイイんじゃね?」という雰囲気が気になる。

昨日の外出のかいあってか機嫌の良い娘に、数日前に予定していた通り、色々な高校の情報収集を一緒にしようと声を掛けた。他の学校をいくつか選んでホームページや送られてきた資料を検討し、興味を持てる学校が他にないか探してみようというわけだ。

娘は途端にしかめっ面になり、
「あーっ、嫌だ!見たくない!めんどくさい!しんどい!」
と、案の定連呼し始めた。
私「めんどくさいと言われても、あんたのことだしなぁ」
娘「それ、今、考えなきゃダメなの?」
「タイミングとしては、今だよね・・・」
「・・・それはそうだけど、考えたくない!もう私中卒でいい!」
「高校には行きたくないの?」
「中卒でいい!中卒!中卒!中卒!」
「そうか・・・。じゃあ卒業したら就職する?」
「いや、ちょっと待ったっ。こわっ。そこは止めるところでしょうよ」

おっ?この展開は初めてだぞ。てっきり娘の態度が硬直して、話が終わるものと思ったけど・・・

「あんたの人生だからね~。お母さんは高校に行った方が良いと思うけど、それはお母さんの考えだから、むやみに押し付けるのもどうかなと思って」
「いやいや、高卒資格は取らないとダメでしょって、親が言うところでしょう。ここは」
「高卒資格は取りたいんだ」
「卒業資格は取りたいけど、高校には行きたくなーい」
「残念ながらそれはムリー(笑)」
「だから、高校には行かなきゃ仕方ない」
「そうか。高校に行きたいとは思わないけど、高卒資格は取らなきゃだから、仕方なく高校に行くしかない、と思うんだ。」
「あぁ~・・・もう一生ここでお母さんと暮らしたいよ」
「一生一緒に暮らすにしたって、お母さんどんなに頑張っても65歳位までしか雇って貰える所無いからね。その先は、悪いけど自分のことで精一杯。あんたの食い扶持は自分で稼いで貰わないと」

ここで、中学卒業で立派に仕事している人は沢山いること、ただしそれは並大抵の苦労ではないことを説明すると、娘はそれは自分には難しいと理解した様子で、目が覚めたようにこう言った。

「今考えてる高校の体験授業を受けて、合わないと思ったら他の学校の事を調べるのではダメ?」

もちろんOK 。
実は私は別の日に、その学校の体験授業を一人で少しだけ覗かせてもらっていた。
そのときの様子や、一日の大体の流れを話して聞かせると安心した様子だ。

よしよし。自分から体験授業に行くと言ったぞ。当日は、きっとまた「怖い、しんどい、めんどくさい!」と吠えながらも、参加するに違いない。
いずれにしても、不登校を貫いている中3の子に選択肢はほとんど無いのが現実。願わくばその学校に行こうと、腹が決まりますように。

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