まめみBox_LzQi

サツカレファン、殺彼を読め

 最新話(2019年5月25日現在)が激アツすぎた、そのことでこの記事を書くことにしました。

※この記事は殺彼のコミックス未収録分のネタバレを多大に含みます。ネタバレが嫌な方は今すぐコミックス3巻までとweb公開分のお話を読んでからスクロールしてください。
(この記事にアフィリエイトはないので、ここから飛んでもわたしには1円も入らないのでご安心ください)

 サツジンカレシと殺彼

 ファンの方にはもはや当然と言えることだが、殺彼はオリジナル同人誌から商業化されたコンテンツ。その同人時代のタイトルが『サツジンカレシ』である。
 オリジナル同人誌にしてかなりの愛されコンテンツだ。本編3冊、番外編が7冊以上(頒布既刊が短かった本を含めるともっとある)と非常に厚いシリーズ。当然Pixivでもかなりの人気であったが、当時サツカレを読んでいたor気になっていた人、ちゃんと商業化を知っているのだろうか?
 ていうか、みんなは追えてます!? ついて来てるのか? この俺たちの大好きな激アツ展開に!!

 サツカレと殺彼は、ほぼ同じキャラだが、スターシステム的に多少キャラの年齢が異なったり、人間関係にそれぞれ違いがあるのが面白い。
 これは「商業化で捻じ曲げられた」というより、元々スピンオフや番外編でよく見られた変更なので、殺彼のコンテンツそのものの特性としてわたしは捉えている。格ゲーの新作が出ると微妙にキャラ造形やバックグラウンドが変わっていたりするアレだ。
 だが安心したいことに内面はほとんど変わらず、もっとも変化しそうだった景楽ちゃんと園六さんがまったくあの感じで商業版でもフルスロットルなのが本当にありがたい。
 同人版でイイナと思った部分がよりシャープに表現されている箇所もあり、商業化にありがちな「丸くなった」印象よりも、よりブラッシュアップされた感が強いのが『殺彼』のいいところだとわたしは思う。

 殺彼の「今」

 そんな商業版、商業に移行して、もう少しで2年になる。ちょっと商業版がご無沙汰な方に説明したい。
 最新・33話(2019年5月25日現在)、景楽&記知VS望月&九条のガチンコバトルに急展開!?という感じ。
 同人版を読んでいた方は「おっ!」となったのではないかと思うが、同人版サツジンカレシ2巻の巻末にあった記知VS九条のバトル展開の増量版ともいえる内容。その上、タッグバトルになった影響で各々前衛と後衛が揃ったリアルな充実バトルが繰り広げられている。
 といっても殺彼はバトル漫画ではないので、技名が出たり華々しく血が出たりはしない。なにしろ、そこが良い!!!!
 日常生活で起きてもおかしくない喧嘩レベルだが、お互いに人を殺すことに躊躇のない男たちなので本当に殺すつもりでナイフを向けてくるし、それにスチールの椅子で対抗しなければならないというヒリつき感の演出があまりにも……うーん好き……

 同人版は殺人鬼同士が仲良しで、互助会のようなわちゃわちゃ関係であったが、商業版はお互いにまだ知り合っていないキャラや、底が見えていない、お互いに「こいつ何だ?」って思っているような状況なので、その部分も楽しめるのがいいところだ。
 同人版の前日譚のような楽しみ方もできるかも。

 なお商業では九条・園六・西園寺の一人称回まだ出ていないのも楽しみで、特にわたしは西園寺メイン回が楽しみでたまらずずっと待っている。みんなはどんな風になると思う!?

 などとキャラ路線の話をしたけど本題はこっち。
 33話の死体、見た?

 こういう圧倒的な死体の描写、大好き!
 ドラマ版ハンニバルの死体描写とかもすごく人気があることだし、、やはり人間の死体という禁忌そのものを綺麗に加工した何かっていうのは強く印象つけられるものなのでは。

 個人的には、わたしが同人版のサツカレ「いいなぁ!!」となったのは、一巻で出てきた西園寺謹製「玉座」のせいで。
 もちろん寿兄弟の仮面や景楽ちゃんの作品、望月から九条先生への女トスも好きだが、西園寺製品のやらかしきった感があまりにも好みだったせいだと思う。

 今回の33話は景楽ちゃん製だが、あまりにも怖くてすばらしい。
 多分元々両親の顔がけっこうよかったのもあり、親の頭の真上に性器を貼るというあまりにもひどい仕打ちもすごかった。子供にされたくない弔いNo.1という感じ。
 作中では九条先生が「呪い」と表現していたが、冒頭で「僕達を護ってくれる」「だいじなばしょ」と言われていたことから、神棚や仏壇のような「祭壇」としての意味合いを感じられるのがとてもすごい。そのためかなり残忍な処置をされているものの並べ方が精緻なこともあってかなり美しい印象があるのも良い。
 とにかくすべてに意味合いが詰められていることが最高で、作者の旭さんの配置メモからもそれがよくわかるのでまだの方はぜひじっとりご覧ください。

 サツカレは遠くへ行ってしまったのか

 よく言われる話。
 応援していたバンドがメジャーデビューして、段々遠くへ行ってしまうような気がして気持ちが冷めてしまった、というやつ。
 気持ちはよくわかる!
 殺彼はコミックスも出るし、店舗別特典もある。ドラマCDやグッズも出て、かなりメディアミックス優良案件。みんなは知ってたかな?初めて知ったお友達は今すぐ検索!

 これを「遠くへ行ってしまった」ととるのはかなりわかるが、個人的には「近くへきた」という印象がある。

 何しろ同人誌はとらかイベントでしか手に入らない。前述の通り本の冊数がかなり多く、またグッズ制作もされていたので個人が在庫管理のできるような量ではなく、売り切れもやむなし。これは本当に仕方がない。何しろ同人なので。
 だが商業誌というのはアマゾンや書店予約で手に入れやすく、電子書籍なら待ち時間もない。

 そして、安い
 同人誌は個人製作の本であり、手間の割にはかなり安い価格で取引されているとは思うが、原価が違うので商業の本は確実に安い。ボリュームもある。これが同人誌の新刊と思うとあまりにも豪華すぎるのがお分かりいただけると思う。
 流通・金額に鑑みても、我々は今までより簡単に殺彼を手にとれるようになった。だから、遠くへ行ったのではなく、近くへきたと表現したいなと思っている。
 あと、殺人鬼が近くに寄ってきたと思うと怖いので、似合うし。

 かくいうわたしも一時期から殺彼の二次創作などしなくなったので、人から見ると「は? オメーもそうじゃん! 今さら何?」ととられると思う。気分を害されたらすみません。でも更新分はチェックしているしコミックスも買っているから一応……うん……まだ好きなんです、お金ドシドシ使わなくてすみません。

 ただ、せっかく近くまで寄ってきている殺彼をみすみす買わない手はないと思っている。特に同人版が気になっていたorちょっとだけ買ったけど揃えられなかった人たち。
 オタクだからそろえられないと気持ち悪い、とてもわかる! だが、商業版はそろえられる。
 また、商業1巻は買ったけど、続刊そういえば買ってなかったなぁという人たち。最近の盛り上がり、続けて読むとより楽しいのでイッキ読み、すべき!
 もちろんリアルタイム感というのもあるし、毎度更新を見るのは楽しいが、今回のガチバトルは新宿で記知が刺されたところからずっとひとつながりになっていると思うので、まとめて読むと余計に最高になれる。

 そういうわけで、これからも最高な殺彼を読みたいみんな、これを気に激安でどこでも買えちゃうコミックスをぜひ手に入れてみては!?



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