私の卒制 〆 / michi no oto

卒業校であり、現在専任講師として勤務してる多摩美術大学 情報デザイン学科の卒業研究制作展が3/3で最終日です。3/3は、トークショーやパーティがあるので、是非、多くの方に足を運んで楽しんできてください◎

さて卒業研究制作、学部の卒業研究制作はちょうど10年前のことだ。
10年前に作った私のを紹介してみる。

作品タイトルは、「 michi no oto 」簡単に言うと車の動きを音に変換した映像作品だ。(簡単に言っても、全く簡単ではないわかりにくさ)

👇映像を見た方が早いのでご覧ください。

システムと外観とバリエーションを解説。

1-システム
高層ビルから、高速道路を撮影。その映像をFlash AS3にて画像解析。
色のRGBを覚えておいて、それ以外の色が来た時を判定して、リアルタイムに音が鳴ったり、アニメが動くプログラミングを古堅真彦先生の多大なるサポートを受け作成。(感謝...!😂)

2-外観
高層ビルから、高速道路を見下ろすような位置関係で映像を見る空間を作成。リアルタイムで変換される動きと音のリンクを楽しむ。

3-バリエーション
3つのアングルと音を用意。オルガンとパーカッションとピアノ。
窓から街の風景を眺めるように3つを聴く。

なぜ、michi no oto を作ったか?
当時、学生だった私には『「情報デザイン」って、誰かのために、わかりやすく、使いやすくすることだけが正解なのか?』という疑問があった。わかりやすい組織のシステム、わかりやすい道案内、わかりやすいパンフレット。そういった優等生的な課題解決のデザインが世の中に必要とされているのは解っていたが、どうしても自分の情報デザインの答え(集大成)をそこに集約したくなかった。もっと情報の複雑さを示したかった。例えば、日常の中にある、ふとした全く意味のない風景(情報)が、誰かの解釈次第で、何か意味を持つかもしれない自由さ。そんな未知の可能性を示唆したかったのだと思う。

この作品はメディアアートとして、アルスエレクトロニカに応募したが、特に何にも引っかからず、アートにはならなかった。(ちなみに、同ゼミで現Takramナリタくんは、テンキパンで賞を取ってた!すごい!)  当時はその結果に、地味に落胆もしたが、今思うと、自分はガチアーティストになりたかった訳ではなく、"わかりやすい答え" に流されないデザインスタイルを探求するデザイナーになりたかったのかもしれない。(たぶん、その姿勢は、ある意味ではメディアアートから学んだ態度なのだけども。)  "わかりやすい答え" に流されないスタイルは、 "わかったふり" をさせないためのデザインファシリテーションや、ミーティングデザイン、グラフィックレコーディングなどなど。今の自分のデザインスタイルにも生きている。

よく大学でグラフィックレコーディングを習ったのか?と聞かれるけれど、1mmも習っていない。結局、習得した大きな学びは、何に違和感を持って、どう表現するかの2点だけだったように思う。その集大成としての全くロジカルな言葉にできない卒業研究制作。その曖昧に見える〆が、思わぬ所に私を運んでくれている。きっと今年の卒業生も10年後に思わぬ場所にいるんじゃないかな、と今から楽しみにしている。

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最近すっかり "グラフィックレコーディングの人 " という風に見せてるし、見えてるけど、実際の問いはもっともっと違う形として、いつも存在していることを思い出した。

"わかりやすい答え" に流されないデザインスタイル、
ここを軸にまた全く違うアプローチをしてみたいな、と思った。

人生の途中でこういう発見に出会えるので、
〆ってのはところどころで必要なのかもしれない。


追記




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清水淳子 / @4mimimizu

Design Researcher / 対話の場 / 議論の可視化について研究してます◎グラフィックレコーディングの教科書 発売中 https://amzn.to/2Frt8OC |多摩美情デ専任講師

デザインの学び方の研究

デザインはどのように学ぶことができるのか?多摩美の情デでの教育やワークショップでの実践を記録していきます。
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