練習メニューの組み立て方 ~その1~

教室へ初めてご参加いただく方やクリニックへ初めてご参加いただく方から、「どうやって練習をしていけば良いのでしょうか?」と相談を受けることがあります。
簡単に「こうですよ」と説明をすることもできますが、それだと誤解を招いてケガをする人が増えてしまうので、たくさんの人に実践してもらえるようにわかりやすく説明していきます。練習方法に困っている方や記録が伸びないとお悩み中の方は参考にしてみてください。

▼ これから始める方・始めた方へ

これからランニングを始めようという方は「どうやって練習したら良いのか」という問題に大きく振り回されているのではないでしょうか。
例えば、大会へ初めてエントリーをした方とお話すると「エントリーをした距離を走り切れないといけない」という想いを強く持っているようですし、「制限時間が〇〇分だから1kmあたりのペースは〇分なんです」と考えている方もいます。

これからランニングを始める方に大事なことは「運動を始めた」という事実を踏まえた上で、「自分がどれだけ走れるのか」ということを最初に考えるべきです。
すでに走っている周りの方々が誘ってくれるのはありがたいことですが、周りの方々が走る距離やペースが運動不足の自分自身にとってできるほどのレベルなのか、その前にまずはやらないといけないことがあるのではないかと考える必要があります。
すでに走っている周りの方々にとって少ない距離や遅いペースでも、運動不足の方や体力のない方にとっては身体を痛めてしまう大きな原因となってしまうので、仮に一緒にランニングを行ったとしても途中で終わらせてもらったりペースを落としてもらうべきです。そう考えるとすでに走っている周りの方々とのランニングは大きな危険を伴います。

「自分がどれだけ走れるのか」を考えた場合、まずは短く感じるかもしれませんが1kmほどのランニングと自分自身が走るであろう時間分のウォーキングをすると良いかもしれません。
そのランニングの中で自分自身がどれぐらいの距離までならのんびりと長く走れるのか、どれぐらいの速さなら長く走り続けられるのかを知ることが大切です。

そうやって自分自身の走れる力を見極めながら「今日は1km走れたから次に走れるときは1.5km行こう」とか「今日は1kmを〇分で走れたから明日は5秒速く走ってみようかな」など、その日の反省を活かして次の練習へとステップアップしていくことが良いでしょう。
もし課題がクリアできなかったとしても「次の練習の時には!」と翌日の練習はお休みにして疲労を取って、次の練習に好調の状態で挑めるように体調を整えましょう。

始めて間もないからできなくて当然。焦りは禁物です。
下のリンクの日誌(僕の練習日誌です)を最初から読んでもらうとイメージしやすいでしょう。

▼ ランニングが板についてきた方へ

ある程度の距離が走れるようになってきた方はマラソン大会等へも参加し、いろいろな失敗を積み重ねたり足を痛めてはいませんか?
周りのランニング仲間達と一緒に練習をすることが増えたり、大会の結果から自分自身に足りないと思う点を補おうと無理をしていませんか?

例えば、(距離を問わず)マラソン大会で中盤から終盤にかけて失速をしてしまった経験がある方は「走り込み不足だ」と、これまで以上に走っている距離を増やそうとする傾向にあります。
しかし、大会出の反省をもっと冷静に振り返ってみてはいかがでしょうか。
ほとんどの大会では完走証を発行してくれますし、そこには5㎞毎のラップタイムが印字されていることが多くあります。そのラップタイムを改めて確認してみるとどこかで失速しているのが一目瞭然(走ったのは自分自身なのでどこからペースが落ちたのかは理解しているはず)だと思います。

完走証を冷静に見直すことができるのであれば「もう少し遅く走りだした方が良かったのかな…」と感じるはずですし、何度も同じようなラップタイムを刻んでいるのであれば現実をしっかりと受け止めるべきです。自分自身の走り切れるペースがどれぐらいなのかを考えるべきですし、これまでの反省を活かして次の大会へと備えるべきです。

クリニックでこの説明をすると質問をしてこられたほとんどの方から「前半を抑えても後半がしんどくなる」や「どれぐらいペースを落とせばいいのか」という返答があります。
ですが、これらの返答の多くの原因は「ある一定の距離をどれぐらいのペースでなら走り切れそうだ」ということを自分自身でイメージができていないからであり、普段から自分自身が走り切れるペースがどれぐらいなのかを考えていないからと考えられます。
この説明をするとムッとした表情で「自分自身が走り切れるペースがどれぐらいなのかを考えていないわけではない。考えている。」と言われることがあったり、この文章を読んでいる方にも同じように誤解を招いている恐れがありますので補足です。
走っているペースが「どれぐらいの力加減」で「どれぐらいの距離なら走り切れそうなのか」をランニング中に考えながら走っているのかどうか。
この太字にしたことを普段のランニング中に考えることができていないケースがあるので、「自分自身が走り切れるペースがどれぐらいなのかを考えていないことがある」という説明をさせていただいています。
(ご理解いただけたでしょうか?)

まずはどのような距離でも大丈夫なのでいつも通りにランニングを行い、その時のペースが「自分自身にとってどれぐらいの力加減なのか」「その力加減であれば何kmぐらい走れそうなのか」をイメージしながら走るだけでも練習の効果は変わってきますし、そのイメージが身に付いてくるとマラソン大会でどの距離を走るにもペースのイメージが湧いてくるはずです。

▼ 計画的に練習をしている方へ

ランニングが生活の一部となり大会で上位入賞を果たしている方や、記録が伸び悩んで本格的な練習メニューを取り入れ始めた方は、どんな練習が良いのかとインターネットや雑誌で調べる機会が増えているはずです。
しかし、どれを見ても読んでも「◯◯をすると効果的!」「誰でもできる!◯◯」などとあり、どのタイミングでどれをやればいいのか、同じような内容なのに一緒なのか違うのか、その種の説明はあったとしても情報として何か欠けているように感じます。
(僕が読んだのは「坂練習でびわ湖毎日マラソンへ出場できた」です。その方は箱根駅伝で5区を走った僕より少し上の実力派。引退して何十年と経つけど一般市民ランナーとは土台が違う気が…と思いました。)

紹介されているどの練習メニューもそれはそれで間違いはないのだろうし、メリットばかりが説明されていてデメリットが説明されていなかったり、その全部を取り入れたり一部を取り入れようとすると身体のどこかに無理が生じます。

あるサイトで紹介されている練習メニューや、ある雑誌に掲載されていた練習メニューは、それぞれを紹介したそれぞれのランナー達が速くなれた実績であり、同じチームにいて同じメニューを消化したわけではないので、それぞれを取り入れようとすることによって効果を打ち消しあっている可能性もあります。
僕には僕のやってきた練習パターンがあるので、すでに紹介されている方々のメニューを否定するつもりはありませんが、混同させることによってデメリットとなるかもしれないということを理解しておいたほうが良いでしょう。

本格的な練習メニューを取り入れている方は、自分の長所は何なのかということや大会で足りていないと感じたことが何なのかを見つめ直し、自分の長所を伸ばしていくメニューなのか短所を補うためのメニューなのかを考え、同じ系統のメニューを繰り返さないように気をつけていきましょう。

▼ 練習メニューを組み立てるには

ここまで初級・中級・上級と分けて説明をしてきましたが、初級・中級クラスには「自分自身が走り切れる距離やペースがどれぐらいなのかを把握する」こと、上級クラスには「自分自身の長所や短所を理解し、長所を伸ばしつつ短所を補うこと。同じ系統のメニューを繰り返さない。」ということを説明してきました。

練習メニューの構成に大事なことをまとめると次の通りです。
①距離に対して走り切れるペースか
②ペースに対して走り切れる距離か
③そのペースが自分にとってどれぐらいの力加減か
④足りていないものは何か
⑤同じ系統の練習メニューに偏っていないか
この5つのポイントに気をつけながら練習メニューを構成していくと良いでしょう。

【 ちょっと頭の運動 】
自分の目標とするゴールタイムが仮に4時間だったとします。1kmあたりのペースは5分40秒から5分41秒です。
Aさんは1kmを走ると5分をギリギリ切れるほどで、Bさんは1kmを走ると4分45秒で走れる。AさんとBさんはどちらが余裕を持って5分40秒ペースで走れるでしょうか。
Aさんはペースに対して対して余裕がないのでスピードを出せるような練習を、Bさんにスタミナがないのであればペースに対して余裕があれば距離に対しての練習を中心に練習メニューを構成していくと良いかもしれません。
(AさんとBさんのスタミナは度外視で説明をしています。また、これは僕自身の考え方でもありますのでご理解ください。)

練習メニューの構成は下の日誌(僕の練習日誌です)から、練習メニューの構成を読み取ってもらうとイメージしやすいでしょう。

上記のことに注意するだけでも結果は少しずつですが上向きになっていきますし、少しずつでも長い距離を走れるようになってきたりスピードを上げられるようになってくると練習も楽しくなってきます。
練習が楽しく感じられているときは練習の効果が身体に表れているときであり、どんどん走れるようになっている証拠です。逆に、どれだけ練習をしても走れるようにならなかったときは練習のメニュー構成を工夫してみたり、楽しく感じないようなときは身体に疲れが溜まっている時かもしれませんので練習量を下げてみたり、身体のケアをするために接骨院等でマッサージを受けて1日でも早く体調が良くなるように努めましょう。

▼ 注意点

教室やクリニックでは「メニューを組んでください」とお願いされることがありますが、集団に対してのメニュー編成はそれなりのリスクがあるので皆さんも理解しておいたほうが良いと思います。
近頃ではいろいろな場所で練習会を開催しているクラブチームが増えました。きつい練習をするには一人だと大変厳しく、仲間がいたらできるという心理を利用するのであれば練習会はすごく良いものです。
ですが、そこに集まった全員が同じレベルではありませんし、グループ毎に分けたとしてもグループ内で短い距離をスピードに乗って走るのが得意な方や長い距離を淡々と走ることが得意な方がいるので、体調の良し悪しなども含めると同じ距離やペースで練習をすることは足を痛めるリスクもあるということを理解しておく必要があるでしょう。

さて、ここからは実際に僕が大学時代に練習をしてきたパターンを参考に説明していきます。
これまでも長い内容となっていますが、「もっと速くなりたい!」という方や「とにかく今よりも良くなりたい」という方、「どんな内容だったのか気になる!」という方はご購読ください。

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周りにいる走るのが速い人達や雑誌やWEB、テレビなどでは練習方法の説明があったとしてもメリットやデメリットの説明など「本当に大事なこと」が伝わっていません。 「走った距離は裏切らない」やその他、巷でいわれる練習方法の本当の意味を理解し、楽しくのんびりやっていても本質さえ理解していれば身に付いていきますので、練習の一つ一つを理解して身体を痛めず、時間を有意義に使ってパフォーマンスを向上させましょう!

各種練習メニューの説明や練習の組み方をまとめています。 僕自身が強く・速くなれたのはもちろんのこと、当時の箱根駅伝出場が精一杯だったチ...

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いわたごう

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いわたごう

誰も教えてくれない本当の練習方法

各種練習メニューの説明や練習の組み方をまとめています。 僕自身が強く・速くなれたのはもちろんのこと、当時の箱根駅伝出場が精一杯だったチームに変革をもたらしたのは、練習の一つ一つを理解したことや選手一人一人の意識改革を浸透させたからです。 その秘訣をコソッとお伝えします。
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