このシューズは大会用?練習用?

スポーツショップで開催しているランニングクリニックの講師をしていると1度は質問されることがあります。
シューズの試履きもできて大会や練習の他に生活においても「パフォーマンスを向上させる」ことをテーマにしたクリニックは、ありがたいことに参加していただく皆様に毎回好評をいただいているとお聞きしています。
そのクリニック中に受ける質問は下記のようなものです。

・ このシューズは大会用ですか?練習用ですか?
・ 大会や練習によってシューズを使い分けたほうが良いでしょうか?

近頃は大きな大会でトップ選手が履いているシューズの割合をデータ化したり、世界記録や日本記録が更新されるとシューズにフォーカスして特集が組まれたりして、「あのシューズを履きたい」「あのシューズを履くと速くなれる」と想いを馳せてショップへ来店する一般ランナーが増えているそうです。
(シューズのみならず走り方もフォーカスされますね。)

その際にスポーツショップやあちこちでランニングクリニックが開催されると案内されると、シューズの話を聞いたり試しに履いて走ることができるため来店されているのだと思います。
だからこそ「このシューズは大会用?練習用?」といった質問がされるのではないでしょうか。

トップアスリートが使用するアイテムはトップアスリートが最高のパフォーマンスを発揮するため、発揮させるためのアイテムであることを前提にこれから説明していきます。
このことをしっかりと念頭に置いたうえで読んでくださいね。

シューズ本来のスペックから考えることが大事

これはシューズ選びの時に必ず考えないといけないことで、自分自身の走力で履きこなせるほどのモデルなのかどうかということです。
ただし、履きこなせるという言葉だけで表現すると誤解を招いてしまうので、「自分自身の走力で履きこなせるほどのモデルなのかどうか」の後に付け加えたい言葉があります。

その前にシューズ本来のスペックを考えてみましょう。

近頃のフルマラソンや駅伝シーンでは優勝する選手や優勝するチームの多くの選手が厚底シューズを履いていることもあり、皆さんの頭の中に「やっぱり厚底シューズっていいのか」という思いが浮かびます。
もちろんこれは悪いことではありません。ランニングを楽しんでいる方のみならず、レース観戦を楽しんでいる方でも同じように感じているようで、円実行った楽しい観戦講座でも質問をいただきました。

さて、トップ選手が履いているランニングシューズ(厚底・薄底関係なく)は1kmを3分を切るようなペースで走ったり、もしくはそれに近いペースで走ったりする選手が走りやすいように設計されています。そうすると速く走ることができるトップアスリートや一般ランナーは問題なく履くことができるモデルと言えます。

しかし、上記のようなパフォーマンスを発揮することができない方々が、「このシューズは大会用ですか?練習用ですか?」という内容の質問をされているように感じます。

僕はランニングクリニックをしている際に同じような質問を受けると「今はレースで使用することができないかもしれませんが、練習で使用して体力をつけてレースで使用できるようにしましょう!」と必ず答えるようにしています。もしくは、質問をされた方との距離感によっては「トップアスリートや学生ランナーのようなスピードで走れませんよね。同じスピードで走れる距離までなら使用しても問題ありませんよ。」と答えています。

この内容で返事をする理由の一つに、数年ほど前にフォアフットを推奨しているメーカーのシューズを試し履きする機会があった時に担当スタッフから「どんなに走れる方でも、いつもの1/10の距離から履き慣らしてください」というアドバイスがありました。(実際には1日中履いていたのでいつも通りの距離を走りましたが…)
というのも、足にかける負担が非常に大きく履き慣れるまでには回数と時間が必要だということや、実際に履き続けられるようになるには身体を作り変えないといけないことを説明してくださいました。

そういった経験やトップ選手が履いているシューズと同じものを使ってみたいという一般ランナーの気持ちも合わせて考えた結果、「大会用ですか?練習用ですか?」に対して2つの選択肢で答えるのは良くないと思い、「履きたいと考えている方が【履いても問題がない距離】もしくは【履いていても負担をかけすぎない時間】であれば使用してもらってもいいのかな。」という思いから「自分自身の走力や体力レベルに合った距離で使用してください」という返事をしています。

わかりやすい答え方に表現すると「トップアスリートと同じスピードで走れる距離までなら大会での使用をお勧めしますし、その距離が出場しようと考えているマラソン大会の距離に満たないのであれば履いても大丈夫なように練習で使用してもらいたい」ということです。

いわた的考え…おまけ

各メーカーが競って独自の研究結果からシューズを生産し、たくさんのモデルを展開するようになりました。これまでは「どのシューズにしようかな」で済んでいたシューズ選びも、多種多様なシューズが店頭に並ぶようになった今では以前のように見た目などだけで選ぶというのは問題がありますし、各メーカー独自の技術がソールに採用されていたりするので、自分自身にとって合う合わないという問題が非常に大きな問題となっているからこその質問だと思います。
これまでのシューズ選びの方法から考えるのではなく、これからは「シューズに合わせた走り方や使い方を自分自身で見つけていく」ということが大事になってきたのではないかなと感じています。


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いわたごう

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