DOT DASH vol.1を終えて


「え~・・・真面目なこと言いますよ。(世の中には)売れている音楽っていうものはあって。小4からスピッツとかミスチルとかずっと聴いてるし、でも最近は本当にそういうもの(売れている音楽とかもろもろ)がおもしろくないと思ってるんですよ。なにか起こさないと絶対何も変わらないって思うし、そんな時に自分には運良く信頼できる友達がここ吉祥寺にいて、2つ返事で絶対に出ます!って今回の企画に賛同してくれた。今ここにいる人達の中にもおれが知らないだけで絶対いいバンドをやっている人たちもたくさんいると思うから、出てくれたバンドともここにいるお客さんともみんなで、アツい感じでやっていけたら絶対何かがほんっとうに変わると思ってるんで。それの第一歩、基盤づくりが今日だと思ってるんで。今日はほんとうに来てくれてありがとうございます!」

先日のDogs on Acid来日公演では今回の企画「DOT DASH」の告知などをキャラに似合わずに真面目にしたところ、なんか「おぉー」とサムい反応になったことを笑い話にしながらも、主催者の一人であり発起人でもあるfalls山本将は今の気持ちをそう語った。そのまま披露された、彼らの最近のライブでの代表曲「DAWN」の間奏では「うだうだやってるだけじゃなんも変わんねーんだよ!!」と言葉通りアツい気持ちそのままに声を荒らげた。

falls、CARNIVAL、SUMMERMANという吉祥寺を中心に活動している3バンドが「今ここ吉祥寺に「も」確かにある盛り上がりを、自分たちの手できちんと見せていきたい」という思いで企画された「DOT DASH」。その第一回目は彼らのホーム吉祥寺warpにて盟友でありライバルと互いを認識するMORETHANとSleeplessをゲストに招いて行われた。

OPENと同時に地下のライブフロアではメンバーと関係者が乾杯の挨拶で既に最高潮の盛り上がりになっている様子がtoosmell recordsにいた自分の目にもモニター越しに確認できた。そこから現れた出演者はそれぞれ満面の笑みだったり、やたらと真剣に気合いが入った顔をしていたりと様々だったが、普段のライブとは少し違った雰囲気が既に会場を埋め尽くし始めていた。

お客さんも続々と集まり、この日はもちろん大入り。トップバッターは主催バンドのひとつ、SUMMERMAN。「これまでのライブ、すべて超えていきます!」と言い切って始まったが、1曲目が終わった時点で「すでにめっっちゃ楽しいですっ・・・!!」と、気持ちの高鳴りと興奮からくる満面の笑みで、あちらこちらから飛んでくる歓声と野次に応えるvo.たけしこ。夏の爽快な朝を思わせるショートチューンから、しっとりとした「New York」など、どんどん新曲がセットリストの中心になっている最近の彼ら。その中でも「バンドを始めた時のような雰囲気が詰まった曲で、大切にしているお気に入りの曲です」と真骨頂であるグッドメロディーがじわじわと染みて心地よさが行き渡るような「winter 2(仮)」がやっぱりグッときた。「ここから何かが始まるんじゃないか変わっていくんじゃないかっていう、そんな日です。」というものを全て吐き出して、しっかりとかましてくれたステージだった。

続くのはMORETHAN。曲のアウトロからドラムがそのまま軽快なビートを鳴らす中、「今日はアガッていくしかないでしょ!こんなにお客さん来てくれてやばいね!最高だね!」と「See you later」で疾走する。間髪入れずにbaricanとの名スプリットから「Wayout」など、5.6曲連続で熱気を覚ます暇を与えない。「ゲストのMORETHANです!」と自ら言いながらも「アツい思いみたいなことは後で主催者達に話してもらおうと思ってますけど・・・僕らは前からWARPにお世話になってるけどこんなすげー景色初めてだし、こうして一緒にやっているバンドやこうして天気の悪い中来てくれたみなさんの力だと思ってます。ここにいるみなさんが作りあげたイベントです!自信持ってください!おれはそれが言いたい!はい、何か質問ある人~?」とどこかの先生風のMCで周囲の笑いを誘いながらも、全員で乾杯の挨拶をしたりと、外のじめじめとした天気とは打って変わってカラっとした空気そのままに「Write out a foul」でのシンガロングまで会場の熱気を更に高め続けた。

3番手はSleepless。メキメキとライブでの評判を上げ続けているバンドだが今日はまた少し違った心意気で望んでいたと思う。現にSUMMERMANを序盤は笑顔で見ていたのに途中からは真剣な面持ちで眺めていたメンバーの様子を目撃している。それは前回の「DOT DASH」開催記念インタビュー内での発言によるものからだろう。「あの、ほんとに、この5バンドって僕らが今年1番一緒にやったバンドで、単に楽しかったねで終わるのもいいんですけど、こうやって一緒にやってきてるからこそ、今日みたいな日はバチバチにやり合いたいなって思いました。かとぺさんのインタビュー(での発言)を見て。あれはどストレートにおれの中に入ってきたし、おれもそういうことだと思ってるんで。」

「おれらもなにか起こしたいと思うし、WARPに出てるバンドは他にもかっこいいバンドたくさん知ってるんで、ここからWARP超やべぇっていうのを世界まで飛び出して、超ほんとオールオーバーザワールドな感じでいきたいっす。よろしくお願いします。」いつも通り顔には大量の汗を纏い、息を切らしながらも、感情先行の自分の言葉でそう気持ちを語ると、思わず会場からは温かい笑いがこぼれる。「そういう始まりを歌った曲を」と続けたのは1st.demoから久しぶりの「Small Shake」。「来年もバンバン飛ばしていくんでみなさん是非ライブハウスに足を運んでください。・・・音源も出してます。Tシャツもあります。でも・・ライブを見て欲しいです。(ひと呼吸おいて)・・・ライブに自信があります!」この裸一貫の心の叫びに呼応して盛り上がるフロア。「Remember The Day Vividly」で”あの数分間を僕は知ってしまった”と歌い、”周りは気づかない一歩”をSleeplessは確かにまた歩み、”笑った日々”を更新していた。

イベントも終盤になり、各バンドのライブが終わるたびに音源を求めて物販も賑わう中、fallsがバトンを繋ぐ。冒頭に記したMCが全てだとも思うんですが、自分にとって何年も前に吉祥寺によくライブを観に通っていた時のようなワクワクと同じような感情をもたらしてくれて、こうやってまた頻繁にこの地を訪れるようになったのはきっとfallsのおかげ。純粋な気持ちでね。だからきっと吉祥寺のヒーローでもある。前くんが最近着替えよりも人形をライブに持ち込むようになった話やその持ち込んだメソ(漫画すごいよ!!マサルさんのキャラクター)を獲得するのにゲーセンで7000円かけた話などいつものライブの雰囲気もありつつ、

Gt.のGMO氏が弾きながら客の上に乗ったり、最前にいたSUMMERMANたけしこの頭をはたくなどのとにかくアガりまくっていた部分も見受けられた。珍しい。覚醒している。。。ライブは先日のBIG DISHのメインステージ大トリ、最後の曲で山本将が男泣きした後のアンコールでも披露された名曲「in the way back」からスタートしたまま最後まで走り抜けた。・・・走り抜けたがライブ終わりの前くんのダイブは前方で落下し、ぬるっとしたまま終わった。不器用な彼ららしい。いつも素晴らしいけど個人的にはここ最近でベスト。

最後は念入りなサウンドチェックから、待ってましたとCARNIVALの登場。インストバンドながら歌いまくりで、そのアンサンブルは大爆発という言葉がバチっとくるようなほど前へ前へ躍動していく。「TRAIN」~「CRNVL」という鉄板の組み合わせでフロアの拳は上がりまくり、かとぺも(マイクがないので)それに呼応するように声にならない声で力いっぱい叫び、江頭2:50の「ドーン!」というタイツの中で拳を突き上げる動きかと思うくらい力が入った拳を掲げていた。(終わった直後の感想も「薬指が痛い」との一言が出てきたように)圧巻のステージで燃え尽きヘトヘトになりながら「早く終わらせて飲みたい・・・」と言いながらも、アンコールに応えみなさんお待ちかねの「IMPULSIVE RISING」にて「ワンツー!」で大団円。家に帰って気づいたら、スピーカー脇最前でCARNIVALの”歌”を爆音で浴びすぎて懐かしの耳キーン状態になってました(笑)。

そんな当日のライブの様子は、会場の雰囲気をうまく切り取っていた写真を公開していたカメラマン大野さん(twitter:@_prehistoric)に協力頂き、今回使わせてもらいました。ありがとうございます!(http://shunonoworks.tumblr.com/services)
また、当日本人もアツい気持ちでカメラを回し続けた自称プロのお客さんのハブランチョさんが雰囲気の伝わる動画を編集してくれました!大感謝!(冒頭で書いた内容も全部ばっちり収められていて、さすがわかってる!という思いと同時に必死にメモったり記憶した苦労(笑)!!とも思いましたが、あの場所にいなかった人に雰囲気が伝わるのが僕らの一番望むことです。そしてなにより動画でも文字でも写真でも、それだけで伝わることはほんの一部だと思ってます。肝心なことは現場で肌に触れないとわからないことも多いですからね。)

これひとつで十分疑惑の世界一親切な8分40秒


そして主催者達にも企画を終えての感想や今後について聞いてみました。


たけしこ(SUMMERMAN) 


とにかく今はクタクタで、余韻野郎と化しています…そんな余韻の中で思うのは、あの日は特別な感じがたくさんあったなーという事です。 

リハをじっと見つめるユウジ(Sleepless)の目、クージーの段ボールをみんなで開けた時のワクワク感、めちゃくちゃ盛り上がったオープンと同時の乾杯、ぶち上がるゴムさん(falls)…。

当日、イベントで漂ってたヒリヒリとしたあの特別な感じから、いつも通りじゃ見れない様な景色も見れたと思うし、今後、あの特別な感じを色んな人と共有出来たらもっともっと面白くなるんじゃないかと感じてます。
楽しいだけじゃなくて、興奮と感動もあるのが最高です。Dot dashの次の日程が告知された段階でイベントに漂うあの感じを思い出して、みんなワクワクするってなったらもう本当嬉しい限りです。とにかく楽しかったし、最高でした! 

KTP(CARNIVAL) 

楽しさと緊張感が入り混じってるイベントはバンドを1upさせてくれるなーと実感しました!そういうイベントってなかなか出会えないと思うんだよね。

ただ「楽しい」だけじゃなくて「やるかやらないか」を全バンド感じて体現したからあの絶妙な空気感が生まれたんじゃないかなと俺は思います。

「やってる」奴らは絶対にかっこいい!
ホント出演者もお客さんもみんなピュアだった!0から1を作り出すってすごく大変な作業だけど、あんな興奮したり感動できるイベントをfalls、SUMMERMANと一緒に開催できて良かったな!と。そしてゲストのMORETHAN、sleeplessに多謝!

次回「DOT DASH vol.2」もさらなる事件を起こして、いろんな人を巻き込んでいきたいと思います! 

山本将(falls) 

まず、無事にイベントを迎えられた事への安堵感。 そして出てくれたMORETHAN,sleeplessの二バンド。green leaf curry川本くん(szkn)。クージージャパン大澤ヒロキ(THE SENSATIONS,I HATE SMOKE),来てくれたお客さん、そしてもちろん吉祥寺warp。関わってくれた全ての人達への感謝が絶えません。ひとまず本当にありがとうございました!! 

今回こういうメンツでやる事に意味がある事、その意味もよこちん君のインタビューで話させてもらってるんだけど、いくら話したところでやっぱり仲良しだし、「はい身内ノリっしょ。」って意見も、見る人が見れば多分あったと思う。 でも俺は身内ノリは絶対に大事だと思っていて。(もちろんそれだけしかない場合はクソだと思うけど) 

各々歳を重ねながら成長していって、聞く音楽だったりやる音楽だったりが変わっていく中で、それでも今仲良く友達としてやっているのは、やっぱりカッコいい事やってるってところで尊敬できるからだと思うんです。
そしてそれが内側だけでなく、外にも向かっていける事が出来れば、それは俺にとって最高の身内ノリであり、それがもっともっと広がって、色んな人とそのノリを共有出来れば、その時には見えるものも見ている人もきっと変わってるだろうと、そう思っています。

なんか普通の事言ってるだけな気がしてきた。

でも、それが今回本当に感じられてグッときまくった。 そういう自分達の友達と自分達だけで、どんなもんが見れるのか、っていう事に対して、嬉しい感想だったり、素晴らしい景色が見れて本当に嬉しかった!!なので、第1回目として本当に良いスタートを切れたと思います。 

反面、色々自分達に足りないものだったりもしっかりまた再確認出来たとも思ってます。だけど全くマイナスベクトルな話は無くて、もう既にvol.2をどうしようか、どんな風にしようかという話し合いも行われる予定で、モチベーションはどんどん上がる一方な感じです。まだまだ攻めますし、またまだ楽しいものを作っていきますので、よかったらチェックしていって欲しいです。DOT DASH。そして吉祥寺warp。toosmell records。 

楽しいだけでもダメ、ガチ過ぎてもダメ。 やっぱいいとこどりしながら、今後も最高を模索して、全てを更新していければ、と思ってます。とにかく今回は、皆様俺たちに関わってくれて本当にありがとうございました。今後ともガンガン関わって欲しいです。よろしくお願いしまーす!

アツ過ぎ?


あとがきのあとがき

もともと足繁く出演バンドの普段のライブに通い、企画前にインタビューをお願いされ、その心の内を知った身としては、今回の感想で言えばほんとうに楽しかったに尽きる。そして、口だけじゃなく何かが始まる予感というのはあの日の空気でビシビシと感じることができた。そうは言ってもそれはこのミュージックシーンをひっくり返すとかそんな大それたものではなくて、でも普段からアンダーグラウンドな世界や音楽やバンドが好きでライブハウスに足を踏み入れたことのある人ならなにか感じれるようなまだまだ始まりのかけらのようなもの。

コメントにもあるように近くに身を置くものとしては「どうせ身内ノリっしょ?」って見られてしまう側面については深く同感で、それについては同様に否定するものではないと思う。ただ、そこにあるのはそれだけではなくて、他者から見ても確かにある盛り上がり。人が我を忘れるくらいアガっていたり、笑っていたり、感動している姿は確実にその一歩だけ周りにいる人たちにも伝染するし、その空間を共有した人たちは言ってしまえば次期身内というか気持ちひとつでどうにでも巻き込まれたり巻き込んだりできると思うから。

実際自分はひとりで勝手に気になるライブに行って、すみっこでライブを観て、楽しかったな〜と帰るだけの人。全然積極的に誰かと交流しようなんて思ってなかった。それが長いことこういう場にいるおかげで顔見知りも増えたけど根本はなにも変わらない。ただ、自分も感化されておもしろいことは自分で動いて作って遊べたらいいなと思うようになったくらいです。前回のインタビューにもあったようになにもしないと目の前の楽しいことっていうのは油断しているとすぐに無くなってしまうから。

今でも身内ノリしかないところは大嫌いだし、お客さんに感謝もせず、バンドマンか関係者か友達かそうじゃないかとかくだらないことで人を区別してるやつはクソだな〜って思ってますしね。ははは。

今後もこの企画は続けて、最高の日をいくつも作ろうって思惑のようなので、次回開催される際はその熱を是非感じてみてほしいと思います。誰でも関係なく。ほんとうにみんないいライブをします。そしてインタビュー等ではアツいことを語ってますが、ライブに遊びに行っても余計な暑苦しさみたいなものは皆無だと思うのでご安心ください。

こういうイベントが各地でいろんな音楽や人の手でどんどん出てきたら確実に少しずつなにかが変わると思います。点々としたそれぞれの気持ちがが繋がり線になって走り出した”DOT DASH”と、その周りのバンドの動きをこれからも観ていきたい。

最後に、実際に「インタビューを読んでこのイベントに来てみた」という嬉しい声が聞けて、少しはバンドのみんなの起爆剤にもなれたようなので、自分もただただこの日を楽しんだだけなのに、ピカピカのお釣りまでもらった気分です。ありがとうございます!


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kyo-teki

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