宇佐蔵べに(あヴぁんだんど)インタビュー


「宇佐蔵べに」という女の子がいる。アイドルだ。

アイドルという響きだけで嫌悪感を示すような人も、もうそこまで多くないとは思うが、対バンや楽曲提供、その活動姿勢などはもはやバンドのそれと大差も垣根もなくなっているのが現状である。実際に筆者はこれまで彼女の所属するグループ「あヴぁんだんど」「Feedback Friday」という曲の最後にルー・リード「Walk On The Wild Side」のオマージュが盛り込まれているなど、そういう音楽の話を作曲者としたり、メンバーとEnjoy Music Clubの話をしたり、E.S.Vの話をしていたり。好きなバンドを見るのと同じ目線でチェックをしていた。


彼女が、筆者が親交のあるバンドの曲も好きで、よくDJなどでかけていたのは知っていたが、気がついたらLEARNERSを観に、下北沢THREE/BASEMENTBARで行われた”ロックロールサプライズ”というイベントを訪れていた。やっぱり音源もいいけどその熱と音を肌で感じるライブに勝るものはないと個人的に感じているので、その事実に少し驚きつつも、いいアクションだな~と人知れず嬉しく思っていた。それに、ちょっと投稿した写真なんかを見ていたら、KiliKiliVillaのトートにおにぎりを入れて持ち歩いてるじゃないか(笑)!以前から面白い存在だなと思っていたけど、是非話を聞いてみたい。そう思い立って今回インタビューを敢行した。


まずは筆者なりにまとめた紹介文をどうぞ。




2014年結成のポップでキッチュなジャンク品、"見捨てられたアイドル"あヴぁんだんど。別グループのオーディション選考から漏れたメンバーで結成され、いつの間にか自然とセルフプロデュースになっていった、通称「見捨てられたアイドル」。現在のメンバーはグループ発足時から全楽曲の振付を担当する眉毛とランドセルがトレードマークの「宇佐蔵べに」と、フランス人とのハーフで母はあの"まめおやじ"の作者、そして無類のプロレス・ホラー漫画好きな「小鳥こたお」の2名。

詩人・最果タヒによる初の歌詞提供や、ノイズバンド・非常階段とのコラボ、初のアメリカツアー、GRMRN来日アクト、夏の魔物やぐるぐる回るなどのフェスへの参加、MOOSIC LAB 2016にてドキュメント映画作品上映など活躍の場は多岐にわたり、フジロッ久(仮)NDGハバナイVMO箱庭の室内楽POLTAテンテンコクリトリック・リスゆーきゃんなど、アンダーグラウンドなミュージックシーンとも節操なく積極的に対バンをこなす。


初期の楽曲では、ayU tokiOなどと同じレーベルから作品をリリースしている「アシモフが手品師」で現在活躍するteoremaaが楽曲を制作。最近の作品では、全員女子という前代未聞のレーベル「花とポップス」を立ち上げた音楽家「つるうちはな」や、海外でも高く評価される爆音インストバンドGAGAKIRISEの吉澤幸男が楽曲制作やバックバンドを務める。レコーディングエンジニアにはダブルオーテレサなどを手がけるタカユキカトー(ex.ひらくドア)を起用するなど、何を持ってそう言うのかは置いておいて、筆者的には完全にこっち側の畑のバックアップ体制である。また宇佐蔵べには、石川浩司(元たま・パスカルズ)と「BELLRING少女ハート」のカイと共に「えんがわ」という別ユニットでも活動している。


くまめでお馴染みのレーベル「並行」と原宿のSHOP「PARK」のコラボ、渋谷PARCO絶・絶命展、写真家・小野啓×KEISUKEYOSHIDAなどのモデルもこなしながら、自身のグループのアートワーク、キンコーズを訪れせこせことZINE作りをするなど、その文字面と活動だけ追いかけたらサブカル一直線な気もする宇佐蔵べにという女の子。しかし、手探りでアイドル活動を続ける中で、そのピュアな感覚とセンスで音楽やそれに付随する文化を純粋に楽しみながら吸収している様子が見て取れる。蛍光色とカラフルな原色で画面いっぱいに埋め尽くされて甲高いアニメ声で情報量詰め込み過ぎの歌を歌う子達も、叫んだりダイブしたり暴れたりする過激さでしかアピールできない演者も、もうお腹いっぱいだから。

足し算だけじゃなく、引き算もできるような彼女。アイドルとして、表現者として、そして音楽を好きになり始めた時のドキドキがまさに今継続中な多感な10代の女の子として今回話を聞いた。肩書きに関わらず、おもしろいことを考えていたりやっている人にスポットライトを当てたいのです。


【2016.Dec. text & interview:よこちん photo:ウエモトリエ】

早速なんですがインタビューされるのって得意ですか?苦手ですか?

べに:最近やっと喋れるようになったかなぁ。緊張はしちゃうんですけど。

自分の言葉で話すこと自体は好き?

べに:いや、でもまとまらないことが多くて自分でも話してる最中に何言ってるのかわからなくなっちゃうこともありますね(笑)。

どっちかと言えば話すよりは書いたり、別のことで表現することのほうがいいのかな?

べに:そうですね。でも、自分で書いたものを後から見返したくはないんです。恥ずかしくなっちゃうんで・・・。でも表現すること自体は好きですね。

このインタビューを読んでくれる人はもちろんファンの人もいると思うんだけど、媒体的にそれ以外のライブハウスにいるバンドマンや他の音楽ファンも多いと思います。べにちゃんは「あヴぁんだんど」として普段ライブ活動をしているけど、ステージに立つようになってからどれくらい経ちますか?

べに:2014年7月にデビューしたので、2年半くらいですかね。わたしはあヴぁんだんどが初めての活動なので。

それまでに人前に立つような経験は?

べに:あ!ダンスを習っていたので発表会のようなものは経験あるんですけど、それも年に1回くらいだったし、ダンス自体もガチガチのヒップホップみたいなものじゃなくて、なんていうかエアロビクスみたいなものだったので(笑)。選択間違えちゃったかな? 高1の文化祭まで部活でもダンスをやってましたね。

ステージに立つ経験をこれまでしてきて、率直な感想はどうですか?始めた頃と比べての気持ちとか。

べに:楽しいです!最近、初めてデビューした頃のことを思い返していたんですけど、当時は無理にかっこつけて自分を作っていた感覚があるんですけど、今は逆に「自分がいちばん楽しんじゃえ!」って気持ちでやってます。

当時かっこつけていたっていうのは例えばどういうところ?

べに:デビュー当時のプロデューサーさんの方針が今のグループの雰囲気と違う感じで、カバーしていたのもAKB48さんの「制服が邪魔をする」(※援助交際をモチーフにしたような歌詞やPV)とかだったので、なんかセクシーな感じとか制服の危うい感じがどこかあったんですよね(笑)。そういうのもあって、当時は変なプライドを持って振り付けやダンスをやっていたな~って今振り返ると思います。

今はそういう変なこだわりみたいなものから解放されて、楽しんで自由にやれてると。

べに:はい、そうですね!

今回、なんでべにちゃんに話を聞かせて欲しいと思ったかというと、ひとりの表現者としておもしろい人だなっていうのは前々から観ていて知っていたけど、さらに昭和のポップスやバンド界隈まで音楽が好きっていうことと、そのセンスがいいなって思ったことが大きくて。そんな中で自分にとって意識的に音楽に触れた原体験っていつ頃になるんだろう?

べに:小5~小6位の時期にインターネットにどっぷり使っていた時期があったんですよ。その時にYouTubeとか動画サイトで音楽を聴き始めて、ハマったのは女王蜂さん。ボーカルのアヴちゃんに強いあこがれを抱いてました。中学生とかだったからライブには行けなかったんですけど、家でライブのDVDを観たりしてましたね。

なるほど。アイドルに関してはどこから好きになっていったんですか?

べに:ももクロから入って、でんぱ組.incと私立恵比寿中学を好きになりました。そこからスターダスト(ももいろクローバーZなどが所属する事務所)のアイドルさん全般好きになったり・・・色々好きですね。

それは周りの影響からなのかな?

べに:いやその時は周りは誰も好きじゃなかったです(笑)。

そうなんですね。その時ってアヴちゃんに対してとかスターダストのアイドルの子とかに対してどんな気持ちでした?漠然と憧れを持っていたのかなって。

べに:純粋にファンとして「がんばれー!」って応援してた気持ちもあるし、音楽もすごく楽しい感じだったから好きだったんですよ。でもスタダの子たちって結構同い年の子たちも多くて、どこかで「いいなぁ~、うらやましいなぁ~」っていう気持ちはあったと思います。

そういうステージに立つ側への憧れは好きなバンドやアイドルを通してやっぱり芽生えてたんですね。その中でSSWやバンドなどの他の形じゃなくてアイドルっていうやり方を選んだのはどうしてだろう?

べに:もともとダンスがすごく好きで、暇さえあれば家で踊っている子だったので、当時から好きだったアイドルを見るうちにアイドルとして輝いている自分になりたかったっていう気持ちが強かったんだと思います。

うんうん。自身のグループの楽曲も新曲が生まれるたびにべにちゃんが振りを付けて、曲の中でストーリーが展開したり、メンバー同士の動きの重なりや振りのおもしろさなど、他にはない魅力が出ていると思います。

べに:わ~嬉しい。ありがとうございます。

自分ではダンスに関してどういうことを意識してますか?

べに:絶対に観ている人を飽きさせたくないっていう気持ちが強いです。あとは振り付けの使い回しもなるべくしたくないので、無意識に出ちゃう部分はあると思うんですけど、そういうところ以外は常に何か新しい動きを取り入れて新鮮な振り付けにしようって。立体的に動きがあるようなイメージは心がけています。

どういうところからインスピレーションを受けていたりしますか?

べに:あヴぁんだんどの最初の頃はでんぱ組さんの振り付けの凄さに感動して、そこから影響を受けた部分が大いにありますね。ほんとすごいんですよ!見たことあります!?

ありますあります(笑)。他には日常生活の中での影響とかもあるのかな?気になった動きとかを取り入れたり。

べに:それももちろんありますね。あとは80年代のアイドルの振り付けもおもしろい動きばかりなので参考にしてます。ミュージカルからもいいなと思った動きを取り入れてみたり。

そんなダンスの他にこれまで夢中になったことや続けてきたっていうことは何かありますか?

べに:そうですねあとは・・・うさぎの絵(笑)。

お馴染みの。

べに:くだらないことですいません(笑)。ずっとうさぎばっかり描いてて。

あれはいつから描いてるの?

べに:中学の頃からですね。美術部に入っていて・・・ていうよりおしゃべり落書き部って言ったほうがいいくらいゆるい感じのところ。そこが自分にとって居心地がよくていつも暇だったので、その時に描いてたのが今も続いています。そう、暇だったので(笑)。

ちなみに忙しいのと暇なのはどっちが好きですか?

べに:えー・・・楽しいことならたくさんしたいからお仕事とかも忙しい方が好きですね!

(ここでべにちゃんの頼んだビストロカレーが届いたので、しばし雑談しながらお食事休憩。「わたし、ご飯食べるの下手くそなんです」という発言に、同行した女性カメラマンが「かわいい・・・!」と萌える場面も)

そう言えばDJをやっていた時のセットリストを前に見かけたんだけど、T.Vとか好きですよね?

べに:ティービー・・・?

あ、T.V.not januaryのことです。

べに:あ、そうやって略すんですね!好きです!すごい良いですよね、落ち着きます。

DJ宇佐蔵べにのこれまでのセットリスト

よく下北にもいて(この日の取材場所が下北沢)、メンバーの池ちゃんがソロでやっている「おれ、夕子」とかは下北沢threeでも弾き語りをたまにやってたりするからぜひ見て欲しいな~。T.Vの昔の作品も聴いたこと無ければ是非。

べに:わー!聴いてみたいですー!下北沢やっぱりなんかいいですよね!あそこのライブハウスで企画してみたいな~とか思うんですよね。

TA-1さん(KONCOS/LEARNERS)もこれからスタッフに加わるっていう告知もさっきされてたから、threeで企画やったらおもしろそうですね。

べに:え!そうなんですか?あの方すごいですよねー!ライブスケジュールとか見ててもすごい毎日いろんなところに飛び回っているし、尊敬です。

そのLEARNERSに最近ハマっていて、ライブにも遊びに行ってますよね。知ったきっかけはなんだったんだろう?

べに:移動中の車で流れているのを聴いてだったかな?あんまり覚えてないんです(笑)。

常にそういうアンテナは張ってそうですもんね。

(あヴぁんだんど)スタッフ:昭和歌謡とか大瀧詠一太田裕美吉田美奈子・・・元々はそこ辺りから派生したような時系列じゃなかったっけ?

べに:そうだったかな~。いま名前を挙げたどの方の音楽も良い歌詞と良い曲ばかりですよね。そういうものをどんどん好きになるので振り返ると何がきっかけだったかあやふやな部分もある・・・。小5~中学生にかけての引きこもりインターネット時期に(笑)、調べたり聴いたりしたものが今また自分の中に改めて入ってきている感覚なんです。・・・あーそうだ!クレージーキャッツを好きになったんですよ、ある時期に。その後にLEARNERSさんの存在を知って、カバーしている元の楽曲を調べていくうちにオールディーズも好きになっていきました。紗羅マリーさんももちろんすごく好きなんですけど、完全に曲が最高すぎて虜ですね(笑)。

(あヴぁんだんど)スタッフ:紗羅マリーさんについてはおもしろい話がありますよ(笑)。

べに:あぁ、恥ずかしいなぁ(笑)。えぇっと、LEARNERSのVo.の紗羅マリーさんの旦那さんの山本海人さんのブランド(SON OF THE CHEESE)が手がけているサンドウィッチ屋さん(BUY ME STAND)があるんですよ。紗羅マリーさんが好きすぎて、そこに前から行きたかったんですけど一緒に行ってくれる友達もいなくて、一人で思い切って学校帰りに行ったんです。お金がないので一番安いメニューを頼んだんですけど、厚い食パン4切れだったかな?それくらいボリュームたっぷりのアメリカンサイズなものが出てきてしまって(笑)。たぶんあれは2人で食べるやつですね・・・。ちょっとだけ後悔しました(笑)。濃厚なチーズが凄く美味しかったので今度は誰かと一緒に行きたいです。

いいエピソードですね(笑)。

LEARNERSの楽曲は、ドゥー・ワップ、ロックンロール、ロカビリー、スカ、パンクなど、それぞれの時代を熱狂させてきたダンスナンバー達を、今の時代にフレッシュに蘇らせたカバーが中心。その中でも「TEENAGE KICKS」が1番好きだとべにちゃんは明言していますよね。


べに:メロディーももちろん好きなんですけど、歌詞がとにかく最高で。特にズキュンときたところがあるんですけど、「金曜日の憂鬱~」って歌っている部分。自分なりにどうして金曜日が憂鬱なのか考えてたんですけど、よく考えたら、主人公の男の子は同じ学校に好きな子がいて、そこでしかその子に会えないから金曜日からは土日を超えないとその子に会えない時間が続く・・・そう考えたら、なんて甘酸っぱくていい歌詞なんだろうって思ったんです(笑)。

永遠のティーンネイジャーのCHABEさんらしい歌詞の意訳ですよね。(原曲はアイルランドの70's PUNKバンド、UNDERTONES)自分の場合は少しづつ遠ざかっていく青春やその時代のやるせなさみたいなものを引き寄せてくれるのでグッとくるけど、まさに今多感なティーンネイジャーであるべにちゃんがこの曲にグッときているのがすごく素敵だと思います。

(あヴぁんだんど)スタッフ:(べにちゃんが)大好きな紗羅マリーさんじゃなくて、あの曲はCHABEさんがメインボーカルですけどね。

べに:CHABEさんのことももちろん好きですよ!CUBISMO GRAFICO FIVEも聴きましたし。

LEARNERSのライブにて、紗羅マリーとCHABEとうさべに

最近、レゲエをやるキュビズモも動き出していて、CAFROM(Cubismo Grafico Caribbean Ensemble改め)っていうんだけど、ゆるい感じでそれもおもしろそうですよ。何かの機会に一緒にやっているところとか見たいですね。

べに:へぇー!知らなかったです!観てみたいですね。でも一緒にやるなんておこがましくて「ひぃ~!」って感じです(笑)。

これまでYouTubeで音楽を覚えたり、好きなものから派生していったりっていう話は聞かせてもらったんだけど、今はどうやって新しい音楽やお気に入りの音楽を見つけたり聴いたりしているのかな?レコード屋さんに行ったり、Soundcloudを聴いたり・・・今の時代いろいろあると思うんですけど。

べに:うーん、そうですね。そのCHABEさんの影響で「ロンドンナイト・ディスクガイド」(1980年から現在まで続く伝説のロックイベント「ロンドンナイト」の歩みを語るレコードたちを主宰の大貫憲章らがまとめた1冊)っていう本を読んで自分好みのものやいろんな知識を知りましたね。トレイシーウルマンもそうですし、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドも。ヴェルヴェット・アンダーグラウンド自体はCDをだいぶ前にファンの方から頂いていて知ってはいたんですけど、単純にお気に入りだった「Sunday Morning」っていう曲が、ロンドンナイトでもよく流れる曲だってその本で知ってからさらに好きになりました。ここで「繋がった!」って(笑)。



他にもヨシノモモコさん(Momo-Sei/the AUTOMATICS/SUNNYCHAR/Tirolean Tape/Tiger Shovel Nose)もチェックしているみたいですよね?

べに:はい、そうですね。好きなんです。きっかけはなんだったけな~。

the AUTOMATICSやチロリアンテープでカバーアルバムも出しているし、LEARNERSに通ずるところもあるかもしれませんね。


べに:みんなが一度は聞いたことがあるような耳に残る曲や歌声が好きなのかもしれないですね。だからわたし自身、割と昔の音楽が好きなところはあるのかもしれない。坂本九さんも好きで、自分のソロライブで歌ったこともあります。

うんうん、そう言われるとわかる気がしますね。さっきの話の続きで、そういうものは実際に買ったり手にしたりするのかな?

べに:レコードにはまだ手を出したことがないんですよ~。興味はあるのでいつか手にしたいっていう気持ちは満々なんですけど・・・。だから好きすぎるものはCDで探して買ったりしますね。あとはアイドルをやらせてもらっていると、気になっているものを発言したりすると、けっこうファンの方がすぐに用意して渡してくれたりするんですよ。それもすごい早さで(笑)。ほんとそれに関してはすごいなぁっていつも驚きとありがたさを感じてます。あ、最近だと私がモッズにハマっているって言ったら、「モッズの精神とは」みたいなことを自らまとめた資料みたいなものをくれた方もいるんです(笑)。

それはすごい(笑)!

べに:そういう熱量に感化されて、色々なものを見たり聴いたりしてさらに好きなものが増えていくのは楽しいですね!

そうかぁ~、そうなると気になってからハマり始めるまでもすごい勢いで加速していきそうですもんね。ただでさえ、お店に足を運ばなくてもApple MusicやSpotifyみたいな音楽配信のサービスで気になったものを簡単にチェックできる時代になってきてることもありますし。使ったことはありますか?

べに:いや~ないですね。まだ年齢的に使えなかったりするので(笑)。クレジットカードが必要だったり。だから便利そうだな~って思っても昔の曲もYouTubeで調べるしかないんです。

失礼しました(笑)。他にはあると言ってもbandcampとかになっちゃいますしね。昔の曲って言ってもmyspaceはまた時代が違うし・・・。

べに:あ!でもmyspaceは知ってます!中学生の頃にネットでgo!go!vanillasのmyspaceにたまたまたどり着いて、バンドのことも何も知らずに「いい曲だな~」って聴いてましたね。それっきりでそこから何も派生してはないんですけど、気づけばgo!go!vanillasがすごく有名になっていて驚いた記憶が今蘇りました(笑)。

べにちゃんは他のアイドルさんや若い女の子のいわゆる「自撮り」とは、少し違う雰囲気の写真も多く撮っているな~と昔から感じているんですが、今現在も自身で製作を続けているZINEはいつ頃から作ってますか?

べに:え~っと、2015年の6月に初めて作って、それからも2.3ヶ月に1回、作り続けてますね。

いろいろ便利なやり方もある中で、なんで手作りのZINEっていう形がいいなって思ったんだろう?

べに:紙で見る写真とインターネットを通して画面越しに見る写真って全然違うなって自分の中で思ったんですよ。それにZINEだとページを開いた時の見開きの2ページをどう使おうかっていちいち構成を考えることも、作業自体も楽しい。

ZINEのアナログな感触や、実際にページをめくっていくっていう見方の中でどう見せるかっていう部分も、ただキレイな画像をキーを叩く指一つで見るのとは違った楽しみ方がありますよね。一方ではライブやイベントで販売するZINEと違って、tumblrやInstagramでもべにちゃんの世界観を感じられるような写真を日々更新していると思うんだけど、それに関してはどんなことを思いながらやっていますか?

べに:tumblrを始めて1年ちょっとなんですけど、初めは写真だけを残すものがやりたいなって単純に思ったからなんです。

twitterだと他の人とのやり取りやライブの告知も全部一緒になっちゃうし、流れていってしまうもんね。

べに:そうなんです。私の写真がすごく良いって褒められたのも、当時は自分では何もわからなくて。でも写真を投稿したり、自分で撮ることを続けていくうちに自分の味というか良さ、自分がどんなものを良いって思うかの感触みたいなものがわかってきたんですよね。

アサヒカメラ.netのショートインタビューを読ませてもらったんですけど、そこで「カメラマン宇佐蔵べにが得意な被写体は宇佐蔵べにで、宇佐蔵べにが撮られてていちばん自然になれるのはカメラマン宇佐蔵べにの前」という発言があって。その感覚は最近芽生えてきたっていうことですか?

べに:いや、それは最初からそう思っていて。ただ単に被写体として慣れていなくて緊張してしまうからっていう部分もあるんですけど、自分でセルフタイマーの5秒後のシャッターに合わせてあれこれ撮影することや、自分で色々と想像しながら撮ったり撮られたりすることで、100%自分の思う通りにならない部分も楽しんでいるところはあります。そもそもセルフタイマーも意図的にしたわけではなくて、iPhoneにする前の携帯のインカメラの画質が悪すぎて、外側のレンズで頑張って撮るにも腕が疲れるので、仕方なく選んだ方法なんですよ(笑)。

そうやって他とは少し違うテイストの「自撮り」作品が産まれていったんですね。納得しました。

べに:今流行っている顔が動物になるsnowとか、いろんなフィルターがあるじゃないですか。「も~・・・なんでなのーっ!?」って女子高生とかの写真を見ているとつい嘆いちゃいますね(笑)。変なピンクのモヤモヤが写真にかかってたり・・・。絶対そのままの写真の方が私は素敵だと思うのになぁ~。全然いいんですけど、もったいないって個人的には思っちゃうんですよ。

それはめちゃくちゃわかります(笑)。確かにあれは楽しいだろうけど、でもその人の魅力が出ているかとは別だと思いますしね。あ、あとべにちゃんは撮影場所にトイレが多いことでもお馴染みですよね。

べに:ふふふ、多いですね(笑)。それもたまたまなんですけど。授業の合間の時間が暇だったんですよね。でも休み時間までそんなに教室に居たい気分でもなくて。代謝がいいんでトイレも近かったり(笑)、ひとりの時間が好きなのでよく個室にこもってたり。自撮りをしたくてもなかなかみんながいる教室で撮るわけにもいかず・・・。そういう成り行きで自分としては自然なことだったんですけど、こんなにファンの方とかにウケるとも思わなかったです。

不思議に思ってましたね(笑)

べに:えー!別に・・・最中とかではもちろんないですよ(笑)?

わかってます(笑)。そんなトイレが特別な場所であるべにちゃんも普段はアイドルとして精力的にライブ活動を行っているわけだけど、自分にとっての「アイドル」って改めて言葉にするならどういうものかを教えてください。

べに:最近そういうことを色々と考えていて、アイドルにこだわっているわけではないけど、「なんでわたしアイドルをやっているんだろう?」って。こういう言い方をするとどうかとは思うんですけど、アイドルっていろんなことをやっても許される部分がどこかあると思うんですよ。

今の時代、これまでの「アイドル」っていう定義では当てはまらないことのほうが多いですもんね。

べに:はい。定義もなくなってきているし、ありがたいことにわたしを見守っててくれる人もたくさんいてくれるので、今のわたしにとっての生きる上での実験の場だと思ってます。これからもできる限り続けていきたいなって思いますし。

普通に暮らしているだけでは体験できないことがたくさんあるだろうし。

べに:そうですね。なんか、最近毎日感動してるんですよ!空に星が浮かんだるだけで感動したりしちゃって(笑)。

突然、感受性が豊かに(笑)。

べに:きっとモラトリアムなんですよね。自分が何をやりたいのかまだ明確じゃなくて。だから今、なんでもやれるうちにいろんなことをやりたいと思ってます。

そういったアイドルとしての音楽活動やZINEや写真などでの表現に関して、自分らしさってどういうところだと思いますか?

べに:うーん・・・、「真摯さ」ですかね。なんていうか難しいんですけど、軽い気持ちでアイドルっていうものをやっていないんですよ。これしか今のわたしにはないから。

みんなが観ているべにちゃんの活動そのものが全てだよっていうことですかね。

べに:そうですね。今のわたしの人生はこれだ!って言えるくらい。全力でやってます!

ありがとうございます。そんな毎日の合間に、最近時間があればこんなことをしているとか、このことばっかり考えているとかはなにかありますか?

べに:最近は振り付けの本を読んでいるか、イギリスの本を読んでますね。『イギリス「族」物語』っていうモッズについて書いてある本です。LEARNERSさんもカバーしている「恋はヒートウェイブ」はモッズの人たちもカバーしてるって知って、モッズやイギリスの歴史なんかに興味を持ち始めたところです。

宇佐蔵べにの本棚

なるほど。最後に今後の展望みたいなものがあれば聞きたいです。あ!もちろん、「KiliKiliVillaからリリースしたい~!」とかそんなことでもいいですよ(笑)。

べに:あ~出したーい!!本当に出したいんですよ~!! どうしたらいいだろう(笑)?

アハハ(笑)。その声が届いたらおもしろいことになりそう。それと、パンクやライブハウスが好きな人が多くなるのかな~っては思うんだけど、どんな人までがこのKYO-TEKIのサイトを見てくれるのかわからない部分もあるので、こんな人ですよっていう紹介もできれば。

べに:はい。いろんなことに興味があるので、音楽でも写真でもアートでも色々と教えて欲しいです・・・(恐縮そうに)。それを自分の中でうまく消化して、また吐き出しておもしろいことができるように頑張ってますので、あヴぁんだんどと宇佐蔵べにに注目していてください。・・・今見ておいたらきっと・・・自慢できる存在に・・・なります。

声がボソボソとどんどん小さくなってる(笑)。

べに:あぁ・・・!めっちゃ素が出てきてしまってますね(笑)。暗いんですよね~わたし!アハハ。

でも心の中にはアツい熱量を秘めてますもんね!また好きな音楽が鳴っているライブハウスで会えたらいいなと思います!ありがとうございました!


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kyo-teki

宇佐蔵べに(あヴぁんだんど)インタビュー

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