洗濯乾燥機を使おうと思って洗う服を中に入れて、料金支払い用のカードを入れようとしたらね、2,600円分の残額表示…「え？まだ入れてないのに」と思ったら、誰かの忘れ物のカードが挿しっぱなしに。

　とりあえずフリーダイヤルに電話してみたら、コールセンターに繋がって、状況を説明したら、なんかすごく感謝されたのね。

　普通にさ、コインランドリーを習慣的に使ってる人からしたら、2,600円てまぁまぁの金額。ほぼ４回分に相当するのね。

　忘れた人がきっと困ってるだろうなと思うから連絡するやん。

　これは偽善かね？オレは金額に関係なく、そういう行動をする。もしかしたら、普段生活に余裕がない人が忘れてるかもしれないって思うから。

　このご時世、数千円、数百円、簡単に消し飛ぶ時代じゃん。それがわかっていてネコババなんてオレにはできない。

　それはね、生活が苦しい時にたくさん支えてもらって今があるから。そんな卑しい気持ちで生きていたら、自分以外の誰かのためになんか生きられなくなると思うんだ。

　他人から盗んだり奪ったり騙したりしてまで生きたいかと問われたら、オレはきっとこう答える。

「そうまでしないと生きられないなら、そうなる前に自分以外の人たちのために、その時々で自分にできる範囲でできることをしてあげたい。」

　情けは人の為ならず。すぐに報われないことのほうが多いかもしれないけど、いつか自分がした善行で誰かが喜んでくれているのなら、時を経て、別の形で自分の元に返ってくるって信じてるから。

　残りの人生、そうやって生きていきたい。