Fishmans「宇宙 日本 世田谷」について

Fishmans「宇宙 日本 世田谷」は遠い昔、大学受験の日の帰り道に神戸の六甲道駅のCD屋でこう入し、多分人生でいちばん聴いたアルバムである。
「宇宙 日本 世田谷」が良すぎて他のを聴いてがっかりしたら嫌なのでフィッシュマンズのアルバムはこれしかもっていない。

画像のとおり紙アルバムはボロボロになっている。

僕とフィッシュマンズのストーリーは高校生のときに始まった。前の席にいた小中高同じのn君が僕のノートの名前欄に「宇宙・日本・(僕の実名)」と勝手に書いたのだ。ちなみに彼は僕の別のノートの名前欄に「電影少女」と勝手に書いたこともある。卒アルに残った彼のメッセージは画像のとおりである。

当時僕は長崎にいて日曜夜9時のハードボインというラジオが好きで録音して聴いていた。そのラジオの「生温かい部門」の曲として、フィッシュマンズのWALKING IN THE RHYTHMが流れてこれかとおもった。僕が録音して何度も聴いたテープの所在は不明であり遺憾である。ゆらゆら帝国とか遠藤賢司とかもそのラジオで知った。

以下に各曲の感想を記載する。
全曲書いてもいいが手間なので全曲は書かない。
手間だからだ。

IN THE FLIGHT
4月の冷房も暖房も要らない休日の昼間みたいに優しい雰囲気。
「ドアの外で思ったんだ
あと10年経ったら
なんでもできそうな気がするって
でもやっぱりそんなのウソさ
やっぱり何もできないよ
僕はいつまでも何もできないだろう」
この歌詞から分かる通り、核心的名曲である。

WEATHER REPORT
外は悪天候だけど休みで家にいてもいいときの本質的名曲。「まるで水槽の中の魚」の部分の説得力。

バックビートに乗っかって
「世田谷の空はとても狭くて
はじけだすには何か足りない」
わかる。
世田谷に住んだことないけど分かる。

WALKING IN THE RHYTHM
初めて聴いたとき、当時はプログレ等知らなかったので「WALKING IN THE RHYTHM」は長いなと思った。12分ある。わかる人にしか伝わらないが初めの1分程度の緊張感と5:45くらいからの音がたまらない。涙が出そうになる。
「歩くスピード落として
いくつかの願いを信じて
冷たいこの道の上を 
歌うように歌うように歩きたい」
圧倒的名曲である。

DAYDREAM
アルバムの締めにふさわしい、核心的名曲である。これを最後に聴くために前の7曲はあったのかもしれない。静かな青空の下自分ひとりしかいないようなそんな感じがする。横になって聴くと何故か眠ってしまう。

いいときもそうじゃないときもフィッシュマンズのこのアルバム曲を聴いてきた。いろんなことを思い出したり思い出さなかったりみんな元気にしてるかなと思ったりする。
果てしない大陸を移動する中国の鉄道の人民の喧騒の中でもこの部屋でも愛知県でもフィッシュマンズを聴いていた。

これが俺の世田谷の空だ

10代の時と今とでは聴いた印象が違ってくる。

亡くなったひとの声をこうしていつも聴けるのは不思議なものですよね

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