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「オンゲ経由の直結」以外で恋愛対象になる相手とつながれないフレがつらい

 数ヶ月ぶりに、別ゲーのフレから連絡がきた。

 彼からひょっこり知らせがくるときは、十中八九なにか面倒ごとがあったときだ。「げんき?」という一見控えめなLINE、言い換えるとこれは「いっぱい話したいんだけど今時間ある?」だ。長年の付き合いで意訳できる。「今は忙しいけど、夜にはレスできる体勢つくる」と伝えておいたところ、いつもながら、1つのふきだしに3スクロールぶんくらい必要な長文が届いていた。断続的に、こういう話をする間柄なのだ。

 もう、直結厨・出会い厨界隈にはよくある(よく聞いてきた)風景なのでフェイクの入れようもないからざっくりまとめると、

 「オンゲでいつもパーティを組んであそんでいる女キャラがいる。ネカマだろうとおもって対応していたが、向こうがやたら女だと主張してくるので証拠にTwitterのDM経由で顔写真を送ってもらった。それでもあやしいとはおもったが、どうやらリアル女なのだなと判明したついでに胸がなさそうな件に触れたところ自撮りの乳が送られてきた。巨乳だったのでどうせネットで拾ってきた画像でしょ、と言うと激怒された、ぼく、どうすればいい?」である。

 逐一指摘しないでおくが、まずい点がありすぎる。ことばのニュアンスの節々が、全方位に「撃ってこいよ!」と乱射してるようにみえる。ヤバい。というか、それこそ全体的にどっかから拾ってきたネタじゃないの?とすらおもったりもした。うそをつくメリットが彼にまったくないので、ほんとうのことなんだろうけど。

 「本気でソコに悩んで、正解がほしくて相談してきてんの?」

 珍妙なネタをしょってくればわたしが構ってくれる、とでもおもってるんじゃないだろうか?と、不安になったのだ。日々の順調さをシェアしてくれないのは、そういうのをしていたい相手は件の女だったからだろう。冗談だとか、だいぶ話を盛ってるとかのほうが、まだマシだった。でも、彼はガチで、恋愛指南的なものを求めていた。

 猥談バーのマイクパフォーマーならめちゃアゲでハッピーなネタに仕立てられるだろし、週刊文春の長寿連載「淑女の雑誌から」なら受け入れられそうだけど、もう5年以上も似たようなパターンで失敗談を耳にしてきた身としては、なんかもうさすがにしんどくなった。

 うまくいかなくなってる内訳を解体してはその先を前向きにみられるよう粛々と整えてきたはずなのに、またかよ、と。絶対ここで行き止まりになるよね?っていう道しか進まないかんじだ。いっつもそこでUターン(問題を見て見ぬふりしてエセ回避)するどころか、マップごと放棄(フレを切ってなかったことに)するじゃねーかおまえは!と。

 ↓ 彼の、オンゲの元相方たちに対する感情がつまった曲

 彼のオンゲ恋愛にうんざりしてしまうのは、あいてとどうにかなりたいという気持ちは常々あるくせに「欲望のはけ口」として完全に割り切れるような純度の高いゲスさがない点も、大きくかかわっている。チャットの発言に傷ついたり、プレイスタイルのすれ違いに悩んだり、声をかけられる頻度をあげるための貢ぎ具合だったり、ひじょうになよなよしい。

 とにかくじぶんをゲーム上で束縛してくれるひとがほしくて(絶対ソロになりたくなくて)2ちゃんねるで晒されている注意人物の相方募集にあえて応募したり、ニコ生主の実況イベントに顔をだしてじわじわなかよくなりつつ固定パーティを組んでもらえるようになりリアルでも会ったが………とか、複数のプレイヤーと肉体関係をもっていて誰とも途切れていない相方持ちの女とか、「特別な存在になることを望んでいるはずなのに、なぜそこに突っ込んでいくの」とおもうほうにばかり行ってしまう。

 つらい。

 自称コミュ障で「いや、あの…ぼくなんて……」とうじうじしていた頃からすれば、好奇心がでてきたぶん良い傾向だとおもいたい。けれど、わたしに連絡をよこす時は楽しさ絶頂期でなく、なにかがあって精神的にヤられてる場合がほとんど。向こうがハナから落ち込んでいるため、こっちもダウナーになる。

 以前、こんなことを書いたわたしなので「ゲームにひと肌を求めたくなる感覚」は今でもわかるし、特定のゲーム(趣味)で誰かとリアルでつながることにひどく抵抗感を示すこともない。ただ、さすがに今日は「オンゲ経由の直結」以外で恋愛対象になる相手と(5年以上が経っても)つながれないフレがつらい、とおもった。


 くり返しになるが、

 LINEでよこしてきた相談の件、彼としては「せっかくなかよくなった女の子にこんなこと言っちゃって怒らせちゃったけど、どうやったら許してもらえるだろうか」という素朴な疑問に答えてほしかったらしい。

 わたしもだいぶ麻痺ってるので、はじめの2レスくらいは、「実はネカマだと思ってた、だけは絶対言わないほうがいい」とか、ズレたレスしてたんだけど、ああもうそこじゃねーわ、と。

 彼が5年以上もこんな状態をリピートしてひきずって抜けだせないのは、わたしのこれまでの言葉かけにも問題があったのかもしれない。オンゲ上での「こなれ感」が、増していっただけのような気がしている。もう響かないかもとおもいつつ、(知り合った時すでにワケわかんない悩みの最中にいたけど)「何年もこれだともう笑えないよ」と伝えた。


つらい。つらい。つらい……