性いっぱい展袋とじ

#性いっぱい展 小学生の子ども(男子)連れで行ってみた/サンシャイン水族館

1、大人向け?アダルト指定?いいえ、子どもOK

 ネオンサインを掲げる歓楽街、あるいはラブホテルをにおわせた内装などで、めちゃくちゃR18指定な雰囲気をかもしだしている!とネットで噂の『夜のサンシャイン水族館・性いっぱい展』に、小学6年生の息子を連れて行ってきたぞ~!
 性教育的にアリなんじゃないかとおもった上でのレッツゴー心理だけど、正直どっきどき。だって、展示のなかでどんな表現や知識が飛び出してくるか、まったく分からなかったから。わが子はひじょうに無邪気なので、反応に困る艶っぽい質問をガンガンしてくるかもしれない。わたし、耐えられるだろうか?

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 『夜のサンシャイン水族館・性いっぱい展』は、Twitterのタイムラインに流れてきて知ったものだった。わたしはエッチそうなものが大好物なので、どんなものだろう?みんなの反応はいかに?と、わくわくして好奇心の赴くままTwitterでキーワード検索をしてみた。こういう、一見変わったイベントにとても敏感で接触・発信したがりなひとの多いところなので、なにかしら情報が得られるとおもったのだ。
 結果、分かったのは「子ども、子連れ、キッズ、娘、息子、我が子、うちの子、小学生」といった低年齢層をあらわすことばと一緒に語られることがあまりないということだ。
 しかし、『夜のサンシャイン水族館・性いっぱい展』の公式サイトでは、幼児(4才以上)から入場チケットの案内がある
 つまり、アダルト向けや18禁などの指定はされていない!連れてきても大丈夫だよってことだ。見たかんじ、カップル指向だと謳っているわけでもない。そのほうが盛り上がるのかな?というイメージはあるけど、いちおう誰でもウェルカムなはずだ。
 わたしとしては、こういう(あえてのイメージ戦略とはいえエッチで卑猥な方向にばかり流れがちな)きわどいものこそ、「子どもの素の反応をみてみたいな!」と、おもう。だって、いきものの「性」って、間違っていなければどんなふうに語られてもきっと正しく着地するはず……だから(自信はない)。もちろん、見方によっては、いくらでもいやらしくなるだろうけど。
 そして、運営側も、レアケースになってしまうかもしれない親子の感想を知りたいのでは、などと、勝手におもったりした。

2、「性いっぱい展」をTwitterで検索すると?

 さて、もう少しTwitterで「性いっぱい展」をキーワード検索してみよう。みんなそこで受けた驚きや衝撃をどう伝えているのだろうか。
 評判や感想をスクロールしまくってながめてみたが、「行こうとしているひと」と「すでに行ってきたひと」で、けっこうニュアンスが異なってくるのが分かる。このあたりは、ぜひご自分でタイムラインをさかのぼってみてほしい。他人の共感を得ていいね!リツイートが多数されているものには、どんなものがあるか?じぶんもそれに共感しそうか?事前の情報収集はこういうところがたのしい。
 わたし自身がおもっていたのは、ド直球でエロい表現が含まれていそう、見方次第でむらむら要素がありそう、誘う相手を選ばないとまずそう、よこしまなきもちがうまれそう、カップルだとラブホに流れ込むかも、などで、まったくもって一言も息子には告げられないものばかりだ。
 そんなんで子どもを連れていくなよ!と、呆れられそうだが、学校の教科にある「理科」とか「生物」のジャンルから外れていないかぎり案外まじめなんじゃないかな、とも予想していた。じゃなきゃ、さすがにキッズOKにはならないだろう、と。

3、「好奇心の塊」という点で年齢差、なし!

 よし、行くのは決まった。息子には「池袋に誰も子連れで行きたがらない年齢制限なしのイベントがあるから行くぞ」と伝えた。「は???なにそれぼく勇者じゃん」と言われたのでスマホで即チケット購入をした。
 あまり帰りが遅くなると困るので、毎日の時間帯ごとによる混雑状況を、『性いっぱい展(サンシャイン水族館)』公式Twitterであらかじめチェックしておいた。わたしが見たかんじだと、昼の部がいったんおわる18時過ぎにはもうフロアで待機しておき、待ち時間なくサッと入場するのが無難という印象だった。

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 「ぼく勇者じゃん」発言はあったものの、実は、小6息子は、ノリノリで来たわけではなかった。「行く」と決めたその日、わたしには池袋で仕事があり、諸々を済ませるまで息子はベンチ待機する予定だったのだ。お留守番でもよかったのだが、せっかくの休日だし親心でなにか一緒にしたかった。彼は、手持ち無沙汰の解消にDS3とタブレットと充電器を装備。「ゲームできるならいいよ!」と、ついてきてくれたが(小3娘は習いごとがあって夜まで別行動)、これで終わるのはしのびねえ……!と、おもったわたしが「異次元ワールドをのぞいてみようぜ」と誘ったのだ。
 とはいえ、まわりにまったく子どもがいなくて(もっぱらわたしが)不安になるおそれがあったので事前にいくつかポイントを伝えたわけだ。息子いわく、「……あぁ!精一杯展じゃなくて、性、いっぱい展なのね!」それですべての雰囲気を察したかんじになっていたのがこわい。

 大人の男女カップル、男性あるいは女性同志のツレ合い、複数のお友だち同志、もしかするとベビーカーをひく夫婦とかも……?
 サンシャイン水族館のある屋上フロアまで上がると、18時の時点ですでにぼちぼち人の影がみえる。定位置を決めず、ぶらぶらしているかんじだ。正直、「どんな人がくるのだろう?」と、誰よりもわたしの目が光っていたとおもう。まわりのようすが気になる。うーん、キッズ感なし
 でも、そんなわたしでもけっこう驚いたことがあった。性別年齢を問わずソロでコンテンツ突入するひと(特に、高年齢のご婦人)が、しばしばいたのである。しかも、単独のひとほど展示物をみて「へえー!」「うわー!」と、小声だけれどすなおなリアクションをしていたようにおもえた。
 みんな、好奇心の塊なんだ。知りたいきもちは、誰でも一緒なんだ。

4、じぶんは何を見せられようとしているのか?

 さて、この日、『性いっぱい展』開場時刻に入場門の先頭にいたのが我ら親子である。自意識の塊なので「うわーっ!目立つー!きゃー!」と、内心おもってはいるのだが、神経が図太いのでこういうとき真っ先にうごく。
 誰かが並びださないと、列のできる気配がまったくない。だが、いったん人が集まりだすとゾロゾロ尾っぽがのびる。屋上フロアには、みんないつ頃になったら並ぶの~?という「様子見」の人がいっぱいいるので、さくっとカウンターまで行ってしまったほうが◎、だとおもう。

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 最初に小6息子の目をひいたのは、ぎらっぎらのネオンサインで飾られた『性いっぱい展』の看板だった。「ママ!これがラブホのあれだね!」とかでかい声で言うので、(うわ……その単語は人前で使うなとあれほど)と、おもいながら、「つい注目したくなる電気装飾ってあるよね」とごまかしてしまった。日ごろ、親子のあいだで「性」に関する話題でトークしていても、公共の場でそれっぽい単語をひょいっとだされると焦ってしまう
 いっぽう息子は、親がそばでヒヤヒヤしているとはつゆにもおもわずズンズン進む。説明付きの展示物があるたび立ち止まり、「ほほう……」とアゴをつかみながら文字を読んでいた。自発的な冒険の旅ではなかったせいか、「いったいじぶんはなにを見せられようとしているのか?」を解き明かそうとするかのようだった。

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 うおー!これを見てくれ~~~!!

 分かりやすい平易な言葉ストンと受け取りやすい文字数注目すべき点を強調するデザイン、上の看板ってまるで、小学生のうちから参考にしたい「美しいノートの取り方」みたいだ。
 「この授業ではなにを伝えたくて、なにが大切だといっていたか?」って要点をまとめるとき、こんなふうにきれいに書けたら、じぶんで何度も読み返したくなるだろうな。お友だちから急にノート見せて!っていわれても、堂々と手渡せそう。
 小6息子、黙読(声にださず黙って読む)だけでは理解が追いつかないときは、音読(声に出して読みながら意味を咀嚼)しまくっていた。じぶんが分かるまでブツブツしゃべるし、看板前にとどまる。そこは少し、他のお客さんの妨げになってしまったかもしれない。でも、とりわけ子どものうちは黙読オンリーで未知の情報を脳内処理するのって、けっこうむずかしいはずだ。せっかく親子できているし、会話のキャッチボールをしながら「すごいなにこれー!〇〇なんだって!」と、わいわいやらせてもらった。

5、小6息子が食いついたもの【育児嚢】

 『性いっぱい展』のみどころって、どこだろう?
 エロティックなビジュアルでラッピングされた展示物は、そのほとんどがじぶんが本当に知らなかった「多様な性」のありかたを教えてくれた。人間の性行為がどんなものかを頭と体で知っているゆえに、じぶんたちとは異なる「方法」に、えっ……と、驚く。いっぱいあったのでいっぱい書きたいけれど、あんまりネタバレになりすぎると「これからあっはんする」ってひとがおもしろくなくなちゃうので、一部だけ。

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 『おさわりBOX』(やさしくおさわりしてね♡という注意書きあり)で、アメリカアナグマのちんこ(ペニス)の骨を直にさわれたり、にこにこしながら大股ひろげて卵を大量に産みまくるかわいいイラストが見れたり、1日あたり(ないしょ!)回もメスとオスの性転換があるいきものの豆知識を吸収できたり、産後は全員メスなのにカラダがでかくなった奴だけオス化するいきものがいたり……。水族館を数メートル歩くだけでもめちゃくちゃ「性いっぱい博士」になれた気分になる。
 子どもの興味は、こういった具体的な情報の刺激からどこに飛んでいくか分からない。じぶんで新種のモンスターを考えたり、冒険モノの漫画を描くことがスキな小6息子は、「なんだこれ!〇〇が△△する……?ネタに使えそう、覚えておこう……」など、あちらこちらで興奮していた。

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 なかでも、小6息子が食いついたのは「育児嚢(いくじのう)」だ。
 タツノオトシゴには袋状の育児嚢(オスのおなかにある、メスが卵を産むための場所)があって、「エッ……、男が産むの?」。
 さらに、そのなかまのウィーディーシードラゴン(上の写真)には、オスのおなかではなく排泄口の後ろにくぼみがあって、そこにメスがえいやっと卵のかたまりを産み付けるらしい。
 「穴……ケツ、穴……、」と、目をこらしながら見る息子。ここだけやけに滞在時間が長かった。なんだろう、ショック……だったのかな。

 あと、例のブツにみえるカワテブクロっていきものを見て、ここはやはり男子小学生だなというかんじだけれど、「ぐふふっ、ちんこじゃん!」と、げらげらわらっていた。男性器っぽく見えるものを見て、おもわずちんこと言うあたりにホッとした。ここがルートの最終層だったのだけど、それまでの展示物を見たとき、親であるわたしに遠慮してリアクションを殺していたところがあったんじゃないか?なんて、おもったりもしたので……。

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6、保護者として子連れ『性いっぱい展』の感想

 じぶんが見た範囲では、ほんとうにベビーやキッズがひとりもいなかったので内心「連れてくる場所ミスったかな?」と、ドキドキしていた。われら親子のことを指していたかどうかは不明だが、じっさい『おさわりBOX』とかに並んでいると、後ろのほうからささやくように「えっ、これって年齢制限ないの?」という声も聞こえてきたりしたし。
 でも、おもっていた通り、理科だし生物だし生命の神秘なんだよね。カメの交尾がバックスタイルであはんうふんみたいな絵もあったけど、ご想像にお任せします的なニュアンスくらいだと、わたしのなかでは(他の親御さんはどうかまでは知らないが)許容範囲というか。
 おさわりしたり、のぞき穴をガン見したり、看板をチェックしたり、進めば進むほど「勉強になるなあ~!」ってなったし、子連れ『性いっぱい展』結果オーライ、どんどゆけ!

 結論、「お子さん連れには、お子さん連れなりのたのしみかたがある」とわたしはおもう。『サンシャイン水族館・性いっぱい展』2019年11月4日(火)までなので、ぜひ!

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 あと、柄じゃないけど、インスタ映えってやつですか?あれを狙う女子の多さよ。かわいさよ。デートの下見だったのかな。