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アルバイト

昨日、私が大学生の時にやっていた、日雇いのアルバイトの話を書きましたが、今日も昔やっていたバイトの話を一つ書かせていただきます。

私は、大学生当時(1992年頃)新しい目玉のアトラクションとして制作中だった、東京ディズニーランドの「スプラッシュ・マウンテン」の制作を手伝っていたことがあります。

正確には、このアトラクションで乗る丸太のボートが滝壺に落ちるところがあるのですが、その滝壺の周りを囲むイバラを手作業で作っていました。

あのイバラは、どこかで作ったものをあそこにただ設置したと思われるかもしれませんが、実際は、あの場所で数十人の作業員がイバラによじ登り、グラスファイバー(ガラス繊維)を巻きつけ、硬化用の液体樹脂をつけて調整しながら、イバラを形づくったのです。

このグラスファイバーは布のように柔らかいのですが、硬化用の液体樹脂をつけると、固まり、普通のプラスチックより軽量で強度の高い強化プラスチックになるそうです。

しかし、いろいろなところについたグラスファイバーの破片が肌にチクチクと刺さり、それがかなり不快でした。

昔、グラスファイバー作品を素手で作成していた作家が、刺さったグラスファイバーの破片が血液をめぐり心臓に達して亡くなったとか、そんな噂もあったので、慎重に作業をしていたのですが、ある時、作業をしていた私の液体樹脂が、私の下で作業をしていた人の目に入り、大騒ぎになったことがありましたが(その後、目は大丈夫だったようです)、今考えると、素人の大学生だったのに、かなり危険な作業をさせられていたような気がします。

しかも、外国人の、現場責任者が、こだわりがあるのか、事細かに修正を指示してきたりして、現場の作業員からは、「ウッセーなこの外人、ガタガタぬかすなら、お前が自分でやれ」って、きっと声にこそ出していませんでしたが、みんな心の中で思っていたのではないかと思います。

そんな、スプラッシュ・マウンテン、工事中は、大きな塀で囲まれていたのですが、アトラクションの山自体が大きすぎるので、全て隠すことができず上の方は、ディズニーランド側からも丸見えで、会社からは、お客様に姿を見られないようにと言われていましたが、休憩時間には、滝壺に落ちる直前に出てくる洞穴の出口に腰をかけて、楽しそうなディズニーランドのカップルや家族たちに向かって手を振っていました。

いつか、スプラッシュ・マウンテンができたら、自分も彼女を作って、このネズミが支配する国へ遊びに来ようと思っていましたが、その後、一度もディズニーランド及びデイズニーシーに遊びに行くこともなくこの歳になってしまった私です…。

ちなみにスプラッシュ・マウンテンは、2019年9月3日まで休止中とのことです。ご注意ください。


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